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4番

《糸巻き歌 : オランダ童謡》


●四番



火を 炊き炊き

火を 炊き炊き


吹いて 吹いて

トントントン


できた できた

小人さんのスープ


赤いろうそく揺れて

赤いろうそく燃えて


赤いろうそく溶けて

赤いろうそく消えて


小人さんのおうちは夢の国




   ◆◆◆◆◆



 そして、クライマックスの四番は怪しさもマックス。


 怪しい。

 怪しすぎる。


 子供に歌い聞かせる童謡が、こんな世界観でいいハズがない。

 鞭を手にした黒革衣装の女王様が出てこないだけ、まだマシと言ったところか。


 それにしても歌詞が進めば進むほど、謎が解明するどころか、ますます意味不明になってしまった。


 赤いろうそくが揺れて、燃えて。


 そんな状況で、いったいどんな夢を見せてくれる国なのか。

 そもそも、この小人は何者だ?


 ……もしかしたら、変な薬の密輸をしてるのではないだろうか。


 そのヤバい薬で『良い夢を見ることが出来るぜ☆』とか人々を自宅に誘い、ヤク中にする……。


 はっ。

 そうか。


 A氏は麻薬によって自分の子供を殺された人物だったのだ。

 どこからか“小人は麻薬の密売人である”という情報を仕入れ、小人に復讐するためにあれこれ活動していたのだろう。


 小人に近付き、奴の信用を得るために、小人の大好物である天然小麦の焼きたてパンを届け。

 ある程度親しくなった所で、『今日は天気もいいし、ちょっと散歩に行きませんか?』とか何とか言って、落とし穴の場所まで誘い出した。


 しかし、理由は分からないが残念ながら“落とし穴大作戦”は失敗に終わった。


 だからスープを作ったのだ。

 この流れで作られたスープは完全に毒入りだろう。

 より確実に小人を殺るために、すっかり打ち解けたA氏が手作りスープを差し入れする。

 大親友のA氏が差し出したスープを何の疑いもなく一気に飲み干す小人。

 そして突然苦しみはじめ、しばらく暴れていたが、やがてピクリとも動かなくなる小人。


 A氏は復讐を完遂するために、悪魔の白い粉が眠る家を小人もろとも燃やすことにした。

 横たわる小人と家にガソリンをかけ、恨みを籠めて制作したA氏の血液入り赤いろうそくで着火。

 ろうそくが溶けて消えるように、小人とその家も燃え尽きて、やがて消える。


 さらば、悪夢の国……。




 これ以外の解釈があるだろうか!?

 いや、ない(反語)。


 今ここに『小人悪人説』が決定づけられた。

 明るく楽しげな曲調に騙されがちだが、糸巻き歌というのは実は復讐劇を綴ったものなのだ。

 だからこそ、反メルヘン的な翻訳なのだ。

 だからこそ、親や幼稚園の先生は真実の歌詞ではなく、アレンジ歌詞を教えるのだ。


 これで、糸巻き歌が人によって覚えている歌詞が違うということに納得がいく。


 いつの日か我が子に糸巻き歌を教える時が来たら、こんな血生臭い復讐を綴った本来の歌詞ではなく、楽しい気分になれるようにアレンジしたものを歌ってあげようと強く思う。




今回は「ヤ○ザな小人のためにあれこれ動くA氏」の視点から解釈しました。

歌詞の中にはA氏がいて、小人がいるということです。

あくまでも、みやこ的解釈です。


「この歌詞には小人しか出てこない」という解釈もできますが、それはそれでやっぱりおかしなことになりそうです。


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