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廃ゲーマー、鍛治師になる。  作者: タコマル水産
【第一章】積み上げた石の数を数えて
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謀略アリス

更新が大変遅れてしまい申し訳ありませんでした。

私事関連です。

今後しばらく、不定期更新になると思います。今の所12月中旬以降には元のペースに戻せる予定です。

ちょっと忙しくなり、帰宅して続きを書ける時間を作りづらくなってるだけで、モチベーションが低下しているわけではないです。完結まで書ききるつもりなので、気長に待っていただけると幸いです。

「ふっふーん、順アンドちょーおー♪」

「ご機嫌ですね、有砂さん…」

「まぁねー、平沢さんは調子どー?」


 同室の有砂さんは今日はやけに機嫌がいい。先ほど順調、と言っていましたし、なにかを企んでいるのかもしれません。


「調子とか、ないですよ。まだ何もかも手探りですし。有砂さんは今日何をされていたんですか?」

「んー、準備だよ、準備。いやー、まさか国家予算レベルの代物を譲(・)っ(・)て(・)も(・)ら(・)え(・)る(・)なんてねー。」

「え」

「ポーション類も思ってたより安く手に入ったし、ア(・)レ(・)も3日後には用意できるそうだし、何より鳥塚くんたちが思わぬコネを作っててくれたのは嬉しい誤算だったねー。」


 ご挨拶に行って何か譲ってもらいに行かなきゃ、と有砂さんは呟く。同級生が物乞いのようなことをしていたことに若干幻滅しそうになりましたが、日本にいた頃から有砂さんはこういう感じだったな、と思い返しました。

 しかし、国家予算レベル、ですか。有砂さんは能力を隠したがっていますが、人から何か貰える能力、とかなんでしょうか?

 そんなことを考えてると、話題を変えるように有砂さんに尋ねられました。


「そういえば平沢さん、メアリーセレスト号って知ってる?」

「えっ、あ、はい。知ってますよ。」

「どんな船だったか、って知ってる?」

「確か、船はどこも破損してなくて、食料などの物資も充分あったのに、乗組員だけが行方不明になった、っていう幽霊船ですよね?」

「へぇー、そうなんだー。」

「…なんで聞いたんですか。」

「いや、《メアリーセレスト》っていうパーティーがあるでしょ。ちょっとうちのパーティーでも話題になったの。なんで幽霊船の名前をつけたんだろう、って。」

「………」


 確かに気になるか気にならないかでいえば、まあ気になりますが、でも本当に意味なんてあるんでしょうか。私も最近メアリー・セレスト号に関する本を読んだから偶然知っていただけですし、そもそも知っていたとしても、名前決めの際にパッと思い出せる高校生はなかなかいません。オカルトマニアなら分からないですが。


「幽霊船の名前から付けた、というよりは、なにかから連想して、結果幽霊船の名前になった、というほうがしっくりくるかと。」

「そうかなー?」

「それにしても、よくメアリー・セレスト号なんて知ってましたね。陽昇さんですか?」

「それがねー、いや、私がこの話を聞いたのは陽昇ちゃんからなんだけど。ほら、うちのパーティーゲーマーが2人いるでしょ?なんでもゲーム界隈ではメアリーセレスト号って有名なんだって。」


 ゲームにおいて、名前に“メアリー”を含む船、あるいはメアリーという名の少女が乗る船に乗るのは嵐に遭うフラグだとか。メアリー・セレスト号は嵐に遭ったわけではないのですが。ゲーム特有の文化、というものでしょうか。


「ところで、有砂さんと陽昇さんは中学が一緒だったりするんですか?高校ではほとんど交流のない組み合わせだと思っていたのですが。」

「陽昇ちゃんとは小学生の頃からの付き合いだよー。まあ、長い付き合いではあるけど同じ学校に通うようになったのは今年からだし、遊びに行ったりするほどの距離感でもなかったから、親友、って感じではないんだけど。」

「小学生の頃から、それって、スイミングスクールが一緒だった、とかですか?」

「うーん、いや、そういうんじゃないかな。ちょっとした親のつながりだよ。」

「…………………」


 貧乏政治家シングルマザー有砂由紀とサンライズ債権回収株式会社代表取締役社長陽昇(ひのぼり)光輝(こうき)とのつながり?

 それ絶対いいつながりじゃないでしょう……


 なんとなく気まずくなって、それ以上話を膨らませる気がなくなってしまい、窓の外へ視線を移す。空に浮かぶ満月を見つめ、ふと、阿倍仲麻呂の三笠の山の百人一首が頭によぎる。今まで日本で見た月は、この月と同じなのでしょうか。そんなわけないか。

平沢真央:図書委員長、なんでも知ってる(知ってることだけ)


眼鏡で三つ編みショートヘア、好きなことは読書という

絵に描いたような図書委員長。高所恐怖症。

女子としては珍しく虫が平気

運動は苦手、嫌いなものは海水浴

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