日昇の刻
将棋とは日本古来から続く伝統的な文化である。今、新たな歴史として棋界に残るであろう戦いが始まる。
一ヶ月前……
「部長ー!全道大会ってどんな感じなん?」
「まずな、個人戦と団体戦の2つが同時進行で行われるんだが、俺たちは団体戦だから団体戦の進行について話すな」
「会場に着いて開会式が行われた後、最初は大会運営の方々がランダムで設定した高校同士で対局が行われる。それからは勝った高校同士で3回、計4回行って上位8校が本戦トーナメントに勝ち上がれるんだ」
「じゃあ、予選落ちもあるってこと?」
「俺らの継力高校は2年連続本戦トーナメントに進んでる強豪だから大丈夫だとは思いたいが、今回は強豪ばかりが集まってるからな…」
「後輩もいるし、部長と俺の3人なら勝てるよ!」
この時は思いもしなかった…まさかあんな事になるなんて……
「全道大会編」
(拍手の音)
「うわ~、始まるのか…」
部長は3年連続で全道大会に出ているので余裕そうな佇まいだ。後輩は初出場だが自身の棋力ゆえ落ち着いてる。
(なんだよ…緊張してるの俺だけかよ……)
なんたって、今回は全国に行ける最後のチャンスだ。三世代に続いた強豪校としての悲願。全国大会。もう後はない。
(俺がどれだけ努力してきたかは俺が一番知ってる。自信を持て!!)
「団体戦は2階だってよ」
「領海で領海!!(渾身)」
パチンッ!
辺りを見渡せば強豪ばかり、将棋だけでなくスポーツでも有名な高校や、馬鹿とブスがよく行く大学への進学率が凄い私立のボンボンまでいる。
「え〜、では対戦表をご覧ください」
周りの様々な意見が飛び交う中で、目に入った初戦の相手は日火輝高校。継力と1年の頃から交流があり、振り飛車党が多い高校だ。そして、そんな振り飛車党が多い高校で居飛車で頭角を現し、札幌上位に君臨し続けた男…後田が俺の初戦の相手だ。
「よろしく」
「よろしくお願いします!!」
相手は余裕そうな表情をしている。そりゃ、そうだ。自分の棋力に絶対的な自信を持っているのだろう。彼は一度、四段の札幌1位にも勝ったことがあるらしい。そんな人からしたら札幌最下位など屁でもないのだろう。だがな…
「てめえのその余裕そうな表情が一番癪に障るんだよ!!」
「!?初対面でタメ口はねえだろ!!継力は礼儀がねぇのかよ!!」
「継力を馬鹿にすんなー!!!!」
(継力高校の団体メンバーはてっきり副部長が来ると思っていたが、こいつは一体何なんだ?なぜ最後の大会で最下位などという弱者をつれてきたんだ…まぁ、この続きは盤で語らおうじゃないか!!)
「日火輝高校主将、後田。初段だ!!」
「継力高校主将、海田!!7級だ!!」
継力高校 対 日火輝高校、長きにわたる因縁に決着はつくか!?
次回、「友として」




