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第38話 登校日(通学編)

今日は登校日だ。

登校日って言うのは夏休みなのに何故か学校に行かなくてはならない日のことだ。


殆どのやつが面倒だとダラダラ登校する。

中には来ないやつも居る…


まあ、どちらかと言えば俺も面倒くさいのは嫌なタイプなんだけど、山岸さんに会えると思うと気持ちが弾んだ。


「よっ!黒瀬!」と背中をポンと叩いたのは池田だった。


「おはよう!」


山岸さんに会える嬉しさを隠せないまま振り返った俺の表情は思い返せば気持ち悪かったのかもしれない。


「お、おう。何だか機嫌よさそうで…」


池田の最大限の気遣いに自分の表情が緩んでいることに気付かされた。

そして、俺は池田に夏休みに会ったことを詳細に話した。


「お前、それ脈ありじゃね?」


池田の言葉にまた表情が緩みかかったが理性を保った。


「その手には乗らねえよ。何度もひっかか…」「いや、、、」

池田は俺の言葉を遮った。


「いや、今回は冗談じゃなくてマジな方で…」


「へ?」俺は思わず声が裏返ってしまった。


「だって、距離の縮まり方、普通じゃ考えられなくね?」


確かに、それは自分でも薄々感じていたところではある。


冷静に考えてみれば、夏休みにそう何度も会うこと自体が客観的に見たら異常だよな。

感覚が麻痺してたけど考えれば考えるほど、その可能性を信じてしまいそうになる。


その時だった


「悠真おはよー!」

噂をすれば、後方から小走りで山岸さんが追いかけてきた。


「山岸さんおはよう!」俺は動揺を隠しながら挨拶した。


「池田君もおはよ☆」


「おはよう!」

池田の余裕の表情になんだか苛立ちを覚えた。

そして池田は会話を続けた。


「なんか夏休みにこいつと色々出かけたんでしょ?こいつ、朝からずっと山岸さんの話ばかりでさー」


池田が山岸さんにそういうと山岸さんの反応は意外なものだった。


「そ、そうなんだ…えっと、わ、わたし、楓と約束してるから先に行くね!!」


そういうと山岸さんは逃げるように走っていった。

風になびく山岸さんの髪からはほんのり石鹸のいい香りがした。


「ふーん、こりゃ可能性あるな。」

池田は確信したと言わんばかりに俺を睨んだ。


「な、なんだよ。」

俺は池田に負けじと睨みつけたが勝てる気がしない。

ってか、あの反応は俺でも分かるぐらい動揺しているようにみえた。

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