表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第一章:交差する日常 2

こんなグダグダ感満載ですが、最後までお付き合い下さい。


 宣言したとおり、亜澄華(あすか)はちゃちゃっと瀬田(せた)+その取り巻き共に勝利した。

 毎度の事ながら、やはり亜澄華は無傷で、瀬田率いる『学習能力ない子組』(亜澄華命名)はボロクソにやられたのであった。


 と、言うことで帰路(きろ)である。

 六月といえど暗くなるのが遅い今日この頃、時たま遊んでいるご近所の小学生を見かけたりするものだが、今日はなぜか人っ子一人見当たらない。なので、少し寂しい。

 (それはさて置き、瀬田は何とかならないものか。意外と(ねば)るから正直しんどくなってきたな・・・・・水織(ゆり)に頼んで黙らすか?でも水織(アイツ)に借りなんて作りたくないしなぁ・・・・・・)

 三条(さんじょう)亜澄華、悩み多き17歳。


 そうこう悩んで歩いている内に、いつもの十字路にたどり着いた。ここまで来れば、家まで10分とかからない。

 今夜の夕飯は何かな、とぼんやり考えながら十字路をいつものように左に・・・曲がろうとした。


 ドン、という大きな爆発音と共に、横にあった壁が粉々に砕け散った。


 「・・・・・・なっ」

 状況把握(じょうきょうはあく)能力が追いつかず、思わずその場で固まる

 土煙(つちけむり)の中に、人影。背中の竹刀袋に手を伸ばす。土煙が、晴れてきた。

 「・・・・は?」

 亜澄華は、今度こそ完璧に訳が分からなくなった。

 土煙が晴れたそこにいたのは、亜澄華と同い年位の青年だった。ただし、日本人ではない。長く綺麗な銀髪(ぎんぱつ)がそれを証明している。右手には黒い、刀。

 相手も亜澄華がいることに気づいたらしく、うしろを振り返る。海賊(かいぞく)のような眼帯が右目を(おお)っている。左目は美しいアクアブルー。鼻は高く、口は紅を引いたように(あか)い。全体が整った芸術的な、顔。全身は真っ黒なロングコートに包んでいる。まさにそこにいるだけで、芸術品であった。

 「・・・・・・な」

 一方、当の(なぞ)の銀髪美青年は、亜澄華がそんなことを思っているとは(つゆ)知らず、亜澄華がなぜここにいるのか分からない、という顔をした。

 と、


 「ははっ!!こんなショボイ攻撃で俺をかわせると思ったかぁ、キリエ!!」


 十字路の向こうから声がした。青年は忌々(いまいま)しげな舌打ちと共に、亜澄華から視線を切って、十字路の方向に向き直る。

 亜澄華もつられて十字路に視線を移す。視線が捕らえたのは、赤。赤い、髪の毛だ。青年と同じく、全身を黒でキメている。

 青年が身構える。亜澄華も竹刀袋を強く握る。嫌な予感しか、しない。

 十字路から現れた赤い髪の持ち主は、ゆっくりと顔を上げた。

 亜澄華の前に立っている青年と同じく、黒い革ジャンに黒い軍用ズボン、黒い手袋に、黒いブーツと、全身を黒で統一している。美形という感じはない。細くつりあがった目に、楽しげに笑っている口。

 だが、彼も亜澄華を見ると、なぜ亜澄華がここにいるのか、という顔をした。

 「あン?誰だ、そりゃぁ?テメェの知り合いか、キリエ?」

 (にら)むような目で亜澄華を見て、指をさす。

 青年は返事をしない。亜澄華も、しない。

 「・・・シカトかよ。まぁ、いい。おい、そこの!!」

 亜澄華を見ながら呼ぶ赤髪。なぜ自分が呼ばれたか分からず戸惑(とまど)う亜澄華。

 「俺・・・・?」

 「そォだ、テメェだ。右腕を見せろ」

 意味が分からず、言われたとおりに右腕を見せてみる。違う違う、と赤髪が手を振る。

 「(そで)をまくって見せてみろ、キリエテメェは動いたら殺す」

 キリエと呼ばれた青年は微動だにしないが、また舌打ちをした。

 「こうか・・・・?」

 「殺す」という日常からかけ離れた言葉を聞きつつ、結構冷静に亜澄華は指定されたとおり袖をまくって腕を見せる。すると、赤髪が更に(にら)むような目つきで亜澄華を見た。

 「どぉいう事だ・・?黒印(こくいん)がねぇ。んな馬鹿な」

 また意味が分からない。

ふと、目線をキリエに戻すと、キリエの唇が動いた。

 (・・・・・・・に・げ・ろ?)

 亜澄華が認識している途中で、赤髪が亜澄華の視線に気づいた。

 「ナニやってんだ、キリエぇ!!」

 「ちっ!!」

 協定は瓦礫(がれき)した。キリエは素早く刀を構えると、

 

 「『焼き尽くせ、魔女狩り(ウェスタ)』!!」


 手品のように紅蓮(ぐれん)の炎が出現して、赤髪に突進した。

 「回避を『加速』」

 赤髪も人間とは思えない速さで、迫りくる炎を回避した。

 赤髪に当たり損ねた炎は意思があるが(ごと)く、キリエの元に戻ってきて、亜澄華を取り囲んだ。

 「うわっ!!」

 思わず悲鳴を上げた亜澄華だったが、

 (・・・・・・熱くない?)

 自分を取り囲んでいる炎が全く熱くない事に気づいた。恐る恐る触ってもみるが、やはり熱くない。それどころか、冷たくも感じた。だがなぜか、手が外に辿(たど)り着く様子も無い。

 「何だこれ・・・・」

 この炎といい、あの赤髪といい、一体さっきから自分の身の周りで何が起こっているのか。考えても答えは出そうにない。それより今は、

 (あのキリエってヤツ・・・大丈夫か?)

 ここから見えない外の様子が気になった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ