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序章
この世には、僕らの知らない闇がある。
平和の裏で戦っている者がいる。
私たちが生まれながらに持っている自由を獲得するために、その手を血に染めるものがいる。
『鴉』
彼らは皆、左肩に鴉の姿をした痣を持つため、そう呼ばれている。
人々は彼らをこう評する。「宵闇に紛れ、人を襲う、血も涙もない人ならざるもの。」と。
だが実際は違う。
彼らは持っているその特異な能力ゆえに人にもなれず、神にもなれぬ、この世で最も哀しく、孤独な生き物。迫害から身を守るため、そうするしかないだけの事。
その彼ら『鴉』を国は危険視し、彼らを保護するという名目のもと、施設に収容した。が、国は施設で『実験』という名の『虐殺』を決行し、『鴉』の数は著しく減少した。
わずかに残った『鴉』も、危険分子を狩る狩人として国家に仕え、使い捨てのように扱われた。
そして……




