優しさをライズで騙す 「思考不全と身体麻痺」 その6
「ふい〜これでやっと先に進めるね!」
一息つくと二人は泉を求めて再出発、モンスターも殆ど倒せたし残りは罠とか警戒するだけ・・・なはずだったんだけど。
「んーー??泉は何処へ?」
見渡す限り泉と呼べるものが見つからない、場所は確かにここのはずなのに・・・手入れされてない雑草が生い茂って泥のような腐葉土の臭いに一面乱雑に木が生えてるだけだ。
手分けして探すも服が草まみれになったぐらいで収穫が無い。
「ユカリちゃん」
アスカちゃんと言うこともあっていつになく真面目に探していると横からぬっとユイちゃんが現れて腰を抜かしてしまった。
「き、急に出て来ないでよ!?」
私は心臓に悪いと少し怒るもめげずに何か差し出してきた。
「ネックレス??」
見たことのない造形をした鮮やかな宝石が並ぶエンドパーツと価値の高そうな銀色に光るアジャスターにちょっと喜んでしまった。
「お、落とし物かな?」
一旦預かってもしみつからなかったら・・・ふふ♪
私はそのネックレスを受け取ると耳元から消え入りそうな声が聴こえる。
「すみません・・・それをこちらの泉に投げてくださいませんか??」
妖精の声??私は声がする方へ草を掻き分けると泉とはかけ離れた水溜りぐらいのモノを見つけた。
「それ・・・私のなんです、心優しい女の子冒険者さん、返していただけないでしょうか?」
水溜りからさっきの声が聴こえて私は躊躇なく頷きそれを投げてみる。
すると数分も満たないうちに雑草は抜け落ちて花が咲きお日様のようなぽかぽかとした匂いに木が勝手に泉を囲いてハートのマークとなる。
その中心から溢れるように聖水が湧き出て急いでマースから離れるとそこには・・・吹き出るような女性のすが・・・
「あははは〜ん♪ケリドウェン様蘇ったワ〜♪♪♪♪」
女性・・・のようなおでこを出したロングストレートの黒髪に大きく実った胸にガタイの良い肩幅に鮮やかなドレス・・・そして何より・・・
「オホホホ!!可愛い小さな子供ちゃんだったのね♪♪」
多分三メートルぐらいありそうな程巨体で皆突然現れた事に驚きを隠せない。
「貴女がさっきの妖精さん?」
私は質問してみるとケリドウェンさんはキャー♪と悶絶しながら頷く。
「そうよ♪モンスターだの勝手な人間達が水を過度に摂取して危うく消えるところだったわ♪」
ケリドウェンさんはネックレスを撫でながら私達に重ね重ねお礼を言ってくれた。
「皆このネックレスを売ろうとするんだもん困ったものだわ♪」
豪勢な高笑いをしながらケリドウェンさんに私は邪念を捨て初めて見る妖精さんの光景に思ってたのと違ったけどトンデモナイ人を呼び覚ましてしまったような・・・そんな気がする。




