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閑話 ②部族会議と来訪者‐2

 ◆◆◆



 湊は会議室の窓から飛び出ると、最短距離で()()()に南門へと向かう。


 道を通ってではない。

 自らの魔法で生み出した結界を次々と足場にして空を駆けるように突き進んだのだ。


 南門の外から感じる信じられないほど巨大な魔力……。

 それは規模でいえばかの黄金竜にも匹敵するほど。


 湊をして決して油断できないほどの存在――。

 しかもそれが複数存在するのだ。


 とりあえず五十鈴とウルミラに先行してもらっているが、しかし彼女たちでもその全てを相手にするのには荷が重い。


 とてもではないが、のんびりと通常の道を移動していくような時間的余裕はなかった。 


 最強クラスの能力者の全力疾走――。


 湊が駆けだすと『パン!』と空気が破裂する高い音が響き渡り、一瞬で音が置き去りにされる。

 その速度はとてもではないが常人が視認できるものではなかった。


 湊が疾駆していったその下で日常の生活を続けている者たちは、畏敬を捧げる自分たちの王が己が身の頭上を駆け抜けていったにもかかわらず、ほんの刹那差したその影にすら気付くことすら出来なかった。


 足元に張られた結界魔術は、空を行く湊の足場になると同時に音速を超えたその身が生み出す衝撃波から近くにいる民や建物を守る働きも果たしている。


 湊の速度は最低でもマッハ1以上、仮にマッハ1ピッタリだったとしても時速1235キロ。ジャンボジェットの速さが時速800キロと言われているのでそれよりも速いのである。 


 人一人のサイズの物体がそれほどの速度で移動する時に発生する衝撃波、その威力は決して侮ることができない。

 それは、衝撃波を遮るこの結界がなければ、敵ではなく湊がこの都市に惨状をもたらす存在になってしまいかねないほどである。


 王都の中心にそびえる『白雪宮殿』から飛び出しあっという間に南門に迫った湊は、そのまま一気に門を飛び越えた。

 走り幅跳びのように速度のエネルギーをそのまま飛ぶ力に変換することでピタリと着地する。 


 湊が着地した直後、同じように門を飛び越えたルシルとリスティリカも到着した。


 猫のように常日頃城の中を自由気ままにうろついているルシルはともかく、宮殿でカタリナの守護に当たっていたはずのリスティリカもこうしてこの場に駆けつけて来た。

 すなわち彼女もそれだけ目の前の相手が発している気配に脅威を覚えたということなのだろう。


 「カタリナ王妃の守護はサキとリュウタロウに引き継いであるから心配しなくて大丈夫よ」


 「了解です」


 リスティリカの報告に小さく頷く。  

 

 これで現在南門にいる戦力は湊を筆頭に五十鈴、ウルミラ、リスティリカ、ルシルの5人。

 そして――。


 

 ゴォォォォォォォォォォ―――――ッ!



 轟音を立てながら遥か上空を駆けていく3機の戦闘機。


 西陣宮子が遠隔操作する能力者専用戦闘機『轟炎・改』である。


 そして、それに加えて『天下布武』の第四格納庫で待機しているシーリンの『終火』。そして南門に集結しつつある蜥蜴人族の戦士たち。


 街の防衛や避難民の誘導、そして王宮や『天下布武』の守備に回す戦力を考えればとりあえず今出せる戦力はこれで全てだ。


 正確には王都所属の派遣者などその気になれば出せることは出せる戦力はあるのだが、相手が相手だけに一定以上の実力がないと無駄な犠牲が増えるだけ。


 それでも功名心ゆえこの場に来ようとする派遣者(はねっかえり)たちもいるかもしれない。

 だからこそ、そんな彼らを抑え込ませるためにこの状況下で貴重な戦力の一つであるセリネとノワールを派遣者ギルドに遣わせなければならなかった。


 湊直属の部下である片瀬川浩一と里見聡志は交易のために海外に出払っているし、篠原霧枝は第二都市の建設責任者として王都を離れてしまっていて今は不在。

 羽間黒子はおそらくこれから発生するだろう戦闘による怪我人を受け入れるために一早く王宮の治療施設に入っているだろう。


 宮子の能力ならば『天下布武』の艦載機をもっと操ることは出来るだろうが、あいにく上空の『天下布武』に格納されている戦車は今から出動させても間に合わない可能性が高いし、ヘリコプターは相手が相手だけに相性を考えると撃墜される可能性が高い。残りの『轟炎』は強襲揚陸艦『二藍』に格納されたまま海外だ。


 湊専用機である『神無』ならば十分以上な戦力になり得たであろうが、タイミング悪すぎることに現在おやっさんによって分解整備中である。


 いよいよとなれば『天下布武』からの直接艦砲射撃という手もあるにはある。

 それならばまず間違いなく敵は撃破可能だ。


 しかし、あいにくと現状では相手の位置が街に近すぎる。


 そのためそれ自体が街へ被害を及ぼす可能性が極めて高い諸刃の剣でもあった。である以上、それは本当に本当の最終手段とするべきものだ。

 

 とりあえず今南門に集結している面子は、それだけだけでも通常ならば国一つを相手取るのに十分すぎる強力な戦力である。


 しかし、集まっている者たちの表情には一切の余裕が見られない。

 湊を含め全員が簡単に負けるつもりはないだろう。だが、仮に勝利できたとしてもこの場にいる者全員が無事揃って生還出来るとも思えない。


   

 つまり、それだけ今南門の前に集まっている相手……単体でも余裕で国一つ滅亡させることが可能な全長4、50メートルはあろうかという神竜、それが7体も――は、戦力として桁外れに大きすぎるものだったのだ。



 「さて……」



 湊はかつて魔の森で神竜の最強個体と言われる黄金竜(アリアレイン)と戦った時以来であろう全力の魔力をその身に纏って、竜たちの前にゆっくりと歩み出ていく。


 左手に持った『耀天叢雨ようてんむらさめ』は未だ鞘に刺さったままだが、状況次第でいつでも抜き放つことが出来る状態である。


 「この世界で最強の力を持った神竜(あなた)たちが揃いも揃ってこのアンリエストへやってくるとは穏やかではありませんが、一体どのようなご要件ですか?」


 問いかけると、返事代わりというわけでもないだろうが、神竜たちの中でも特に強力な魔力を宿した2体が全身をまばゆく発光させた。

 

 突然のことに湊だけでなくその後ろにいるルシルや五十鈴たちも警戒のあまり揃って全力で魔力を纏い戦闘態勢に入るが、その発光自体はこちらを攻撃するようなものではなかったらしく、光が落ち着いたその場にはあれだけの巨躯を誇った竜体の面影など全くないヒトと全く見分けがつかない青い髪の男性と真っ白い髪の少女が姿を現していた。


 「……人に化けた……だと? アリアレイン、もしかしてお前も人化できたのか?」


 尋ねると、苦虫を嚙み潰したような気配が伝わってくる。


 『…………出来たらどうだというのだ? なぜ我がわざわざ忌まわしいニンゲンの都合に合わせて姿を変えてやる必要がある? 我がやむなくヒトの姿を取ったのは小賢しくも我からコソコソ鼠のように逃げ隠れしている人族の長の居場所を街に入り込んで突き止めてやった時だけだ』


 「隠れた領主の居場所を特定するためにわざわざ人の姿に変身して街に入り込んでいたのか……。どうりで代々のアンリエスト公爵たちが居場所を変えながら隠れてもキッチリ見つけ出されて殺されていたわけだ」


 『上空から迫る竜からは上手く隠れたつもりだろうが、街の中に入ってヒトに紛れてしまえばその贅沢な暮らしぶりや傲慢な生きざまからその居場所を割り出すことなど造作もないことであったわ』


 それはそうだ。

 逃げ回っている貴族は神竜が人化出来るだなんて夢にも思っていないのだから、アリアレインから身を隠すのにこまめに隠れ家を移動することはあっても、いや、そのように抑圧されているからこそ余計に公爵として相応しい贅を凝らした生活をし、下々を見下しながら権力を振り回して偉そうに振る舞う。その態度たるや一般的な貴族たちよりも更に露骨なものであったに違いない。


 要するに貴族たちの居場所は、外から探したら見つけ辛い反面、中からは露骨にバレバレだったわけだ。


 「頭隠して尻隠さずとはこのことか。なんとも間の抜けた話だな」


 『然り』


 アリアレインとそんなやり取りをしていると、人化した2匹の竜は湊と同じようにゆっくりと仲間たちの中から前に進み出て来た。


 「唯人の身にて我らより強大な魔力を持つ者よ、貴殿が我らが同胞たる黄金の竜を弑ししこの群れの王か?」


 湊との接触まであと3メートルというところまでやってくると、青い髪の男が前進するのをやめて問いかけてきた。


 「是……と言ったらあなたたちはどうするつもりなのですか?」


 男の質問に湊だけでなく後ろの五十鈴たちの気配も変わる。


 神竜たちが湊を目的にしてこの地へとやってきたことが明確になったことで、アリアレインを打倒したことに対する報復の可能性がより増し、湊の身が危険だと判断して今までの警戒態勢からより一段高い臨戦態勢に移行したからだ。


 『貴様ら我が盟約を結んだこの男に一体どのような要件だ? 主ら大陸の神竜はヒトと関わらないのではなかったのか? 我が母が神を騙るナトーヤめに卑劣な騙し討ちを受けたとて動こうともしなかった貴様らが今更意趣返しをして我の敵討ちとも思えぬが、ことと次第によっては我をも敵に回すと思えよ』


 急速に魔力が収束し右目がカッとあつい熱を発したかと思ったら、次の瞬間、湊と青い髪の男との間に割って入るようにして小柄で勝気そうなショートカットにまとめたオレンジ髪の美少女が立ち塞がっていた。 


 湊もこの姿は初めて目にするが、状況とセリフから考えればまず間違いなくこの少女はアリアレイン。


 神竜種最強個体の顕現という予想外の出来事に、鉄面皮のようであった男の表情がピクリと動いた。

 ほんのわずかだが目が泳いでいるところから察するに、動揺しているのだろうか?


 「誤解なさらないでください!」


 そう言って前に進み出たのは、青い髪の男の後ろに控えていた白い髪の少女だった。


 『誤解とはいかな理由か! そもそも神竜ともあろうものが頭数揃えて関りを持たぬと決めたヒトの領域に立ち入ったあげく、用のある相手に名乗りもせずに己が要件を一方的に尋ねようとは礼を逸するにも程があろう!』


 「し、失礼いたしました」


 白い少女は己の失態に気付くと、恥じ入るようにその真っ白い頬を僅かに染めながら頭を下げる。


 「いと尊き存在である黄金の竜よ、そしてヒトにして我らより強大な魔力を持つお方。初めまして、私の名前はシクロネージュ。どうぞネージュとお呼びくださいませ。そして隣のこちらの者は私の父、クラファシェルと申します」


 「挨拶が遅れて済まない。クラファシェルだ。よろしく頼む」


 礼儀正しい娘に対して父親の方は随分とぶっきらぼうな口調だが、そんな父親をハラハラしたような視線で見つめる娘の表情から察するに、もしかしたらこれは態度が横柄というよりも単に人付き合いが苦手なタイプなだけなのだろうか?


 「はじめまして。私はこのアリアレインの盟約者である四十無湊。このアンリエストの地の王をやっている者です」


 『これで互いに挨拶は済んだな。それで、主らはこの男に一体どのような要件があるというのか?』


 湊の挨拶もそこそこにアリアレインが話を進めていく。


 相手が同じ神竜族であるからだろうか、なぜだかアリアレインが積極的だった。


 そもそもさっきはニンゲンの都合で人化がどうのとかぐちぐち言っていた癖にあっさりと少女の姿を取ってしまっている上に、今も目の前の二()に対してやたらと上からマウントを取って場を支配下に置いてしまっている。

 

 おかげで当事者であるはずの湊がやや置いてけぼりにされてしまっている感はあったが……。


 神竜たちが自分にどのような要件があるのかに関しては未だに測りかねているところがある。

 だが、いずれにせよ彼女がやる気をだしてくれたことによって、もし相手の目的がこの先戦闘に発展するような内容だったとしても、神竜たちの側にもより現実的な『全滅』という相応なリスクが生じることになるため、かなり強力な抑止力にはなってくれるはずだった。 


 しかし、結論から言うと、湊のその想定は完全な杞憂であった。


 「俺たちに土地を分けてくれ」


 おもむろにクラファシェルが言った。


 「土地……ですか?」


 要領を得ず湊が首を傾げていると、父親のあまりの交渉(くち)下手さにあきれ返ったのだろう、クラファシェルを後ろへと乱暴に追いやってシクロネージュが前に出てくる。


 「……コホン、失礼いたしました。まず最初に……ミナト王、我々はあなた方と争うためにこの地へとやってきたわけではありません。もちろんあなたがそちらの黄金の方(アリアレイン)を打倒したことに対する報復に類する行為のために参ったわけでもありません」


 チラリとオレンジ髪の少女を見ながらシクロネージュは言った。


 「それでは、どのようなご用件でしょうか?」


 「はい。先ほども父が言葉足らずに言ったことなのですが……私たちが本日こうしてこちらへやってきた訳は、ミナト王に私たちに移住の許可を頂きたかったからです」


 「移住、ですか……」


 そこまで説明を受けてようやく湊にも話の全体像が見えてきた。


 「なるほど。移住というと……あそこですね?」


 「はい。おそらくは王がご想像なさっている通り、我々が移住を求めているのはこの都市の南に広大に広がる魔の森。かつてそちらの黄金竜の縄張りであった場所のことです。聞いているかもしれませんが、我々神竜族は自分たちの住処とする場所に魔力の濃い場所を好みます。しかし、そもそも私たちが満足できる魔力量を蓄えている土地が希少な上に、我々の故郷でそのような場所はあらかた先住者がいるような状況になってしまっている状況なのです」


 シクロネージュが言うように、この魔の森から発せられる魔力量は極めて濃厚だ。

 その魔力に由来する珍しい植物や魔物も多く生息している。


 かつてこの地を切り開いたアンリエスト帝国がここに帝都を置いたのも、この地が交通の要衝であったことと魔の森からあふれ出す膨大な魔力を利用して構築する帝都防衛用儀式魔術の存在があったからだという。


 最も、その魔力目当てにアリアレインが住み着いてしまったことによって帝国は崩壊することになるのだが……。


 「この森が生み出す魔力量は世界でも有数。また森が広がる範囲も極めて広大なこともあって複数の神竜が居を構えたとしても問題ないほどの容量を持っています。そのことから我々は以前より何度もそちらの黄金の方(アリアレイン)に移住の許可を頂けるようお願いしてきたのですが、残念ながらいずれもけんもほろろに追い返されてしまい取り合っていただくことはできませんでした」


 皆の視線がアリアレインに集まる。


 『ふん、しきたりだのなんだの言って我が母の仇を野放しにしているような輩共にどうして我がわざわざ自分の縄張りを切り取ってまでして(ほどこ)してやる必要があるというのだ』


 ツーンと横を向きながら「知らん」とばかりに彼女は吐き捨てる。


 「……それでですが、この度ミナト王が黄金の方に勝利をおさめ、魔の森を支配する神竜の座が空席になったことから、その地に我々が居住する許可を頂けないかと思いこうしてお願いに上がった次第です」


 「……なるほど」

   

 シクロネージュの説明に湊は納得した。

 が、同時に小さく驚いてもいた。


 この世界の覇者たる神竜ならば、こういう時はヒト種の思惑など関係ないとばかりに好き勝手に住み着くものだとばかり思っていたからだ。

 思うに、彼女たちの行動はあまりにも自分にへりくだりすぎている気がする。


 そう思って聞いてみると、


 「おっしゃる通り、普通ならば我々だってそうしていると思います。しかし、この地には私たちが束になっても敵わなかった黄金の方をたった一人で倒すことができた信じられないほどの剛の者がいる。そして……」


 シクロネージュはチラリとアリアレインに視線を向ける。


 「その方の中にはこうして黄金の方の意識が強く残っていることが分かっていましたので……」


 縄張りが空いたからからといって勝手に住み着くなど怖くて怖くてとてもではないが出来なかったのだという。

 

 「あぁ――なるほどのう……」


 納得したようにウルミラが頷いた。


 魔の森の中の生活が長かった彼女だ。

 それは即ち黄金竜のプレッシャーに晒され続ける年月でもあったわけであり、アリアレインの怖さを誰よりも知っている彼女だからこそシクロネージュたちの気持ちがよりはっきりと理解できたのかもしれなかった。


 聞けば交渉にあたって神竜が7匹も雁首を揃えてやってきたのも、1人でのこのここの場へやってきたなら交渉を持ちかける前にあっという間に討伐されてしまうのではないかという恐怖のためであったのだという。


 結果的には7匹というその数が湊たちの警戒心をMAX状態に振り切らせてしまった原因ではあるのだが、神竜たちは湊という人物の人となりを知らなかったのだからそれもやむを得ないことであったかもしれなかった。



 ◆◆◆



 この後、湊と神竜たちは交渉を重ね「先に攻撃を受けない限りアンリエストの民とは戦わない」「鉱山などの資源採掘や発電所建設など最低限度の人の手による開発を認めること」など細々と条件を確認した上で神竜たちの魔の森への移住は無事認められることになった。


 また、神竜と湊との間の友好の証と互いの意思疎通のためにシクロネージュが連絡員として『白雪宮殿』に残ることとなったのだが、その彼女はというと……。



 ゴォォォォォォォォォォ――――ッ!



 「ヒャッホ―――!」



 自分たちが交渉にやってきた際に出動した『轟炎・改』に興味津々で、自分の翼を使わないで、しかも自分の翼で飛ぶよりも遥かに早く空を飛ぶというスリルにはまってしまったらしく、湊に頼み込むようにして正式に配下になり、『轟炎・改』のパイロットとして居つくことになってしまった。


 この『轟炎・改』は能力者専用戦闘機と謳っているように、従来の戦闘機を遥かに上回る速度と機動性で空を駆ける魔法帝国神無の誇る空の守護神であるのだが、その反面パイロットには既存の戦闘機では考えられないほど強力なGがかかるためどれだけ訓練をしようが常人では絶対に乗りこなすことができないとほうもない代物だ。

 しかしそんな『轟炎・改』のGもヒトを遥かに超越した存在である神竜ならば何の問題もない。


 こうしてアンリエストの王都上空ではシクロネージュが駆る戦闘機が訓練と称して空を切り裂いている光景がたびたび目撃されることとなる。



 正直なところ、『轟炎・改』のパイロットになった上に湊の配下にまでなってしまって、ヒトに積極的に関わらないという神竜たちの掟は一体どこへいってしまったのだろうか……と思わないでもないのだが、『竜として自分の肉体を使って戦う訳じゃないから大丈夫大丈夫!』と本人が言っているのでおそらく大丈夫なのだろう。







 …………大丈夫なのか?



 ◆◆◆

閑話はこれで終了です。

次回、執筆当初から予定していた最後の仲間が加入すると同時に、物語としても第二部が始まります。

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