第5話+α プリクラから、その後
そして、プリクラに到着。
「ここがプリクラ……意外とこぢんまりしていますのね」
「わー、久々だなあ。虎美ちゃんも誘えばよかったかなあ」
「美白ありでー、デカ目はMAXでー、フレームはこれでー……これで準備よし!撮るよ!」
『まずは手でハートを作ってね!5、4、3』
「ほら2人とも、早く早く!」
「う、うん」
「は、はい!」
『2、1!」
パシャリ!
『次はウインク!5、4、3』
「ウインクってどうやるの!?」
「紅葉先輩できてます」
『2、1!』
パシャリ!
『みんなで決めポーズ!5、4、3』
「ギャルピしよ!」
「ぎゃるぴ……とは……?」
「私も知らない……」
『2、1!』
パシャリ!
『小顔ポーズ!5、4、3』
「また聞き慣れない単語が……」
呆然する向日葵。
「ちょ、向日葵大丈夫!?」
『2、1!』
パシャリ!
『最後はギュッとハグ〜!5、4、3』
「ぎゅーってしましょう、ぎゅーって!」
「ひ、向日葵……力強すぎ……」
『2、1!』
パシャリ!
少ししてから、写真が出てきた。
「あはははは!何これ?目がめちゃくちゃでかい!」
「それはあなたがデカ目設定にしたからでしょう」
「美白って聞いたけど、まるで白粉塗ったみたい」
「それな!次から美白じゃなくて白粉って呼ぼ!」
「なかなかハードな撮影会でしたわね……」
「はい、向日葵の分!」
写真を渡された向日葵。
「自分のカメラと比べてどーよ?」
「……誰が誰ですの?」
「「えっ」」
「3人とも目が大きくて色白で、一瞬誰が誰かわかりませんでしたわ。髪色と髪型を見なければ」
真顔で言う向日葵。
「「「ぷーっ!あーっはっはっはっはっは!」」」
あまりの可笑しさに吹き出す3人。
「いやー、しかし今日はいろんなことがあったね」
「はい、買い物して、パンケーキを食べて、人気アイドルに2人も会えましたね」
「アイドルなら、わたくしたちのすぐそばにいますけれど」
3人は笑いながら建物を後にした。
次の日。
「ごきげんよう……って、ええ!?」
向日葵が部室に入ると、冬雪が涙目で桜の胸ぐらを掴んで、ぐわんぐわんと音がせんばかりに揺らしていた。
それを、はらはらした顔で見て立ち尽くす紅葉。
「な、何事ですの!?」
「何で……私抜きで……渋谷……」
「えーわざわざふゆきりん呼ばなきゃだめー?」
「あのう……一応お土産買ったんですけど……」
そう言って紅葉が、羽の形をした金色のヘアピンを持って冬雪の横へ回り、そこからそっと前髪に挿した。それにより、冬雪は少し落ち着きを取り戻した。
「でもそれ、いつ買ったの?」
桜がヘアピンを指して紅葉に聞く。
「2人と別れた後に、先生にも何か買っておこうと、お店に立ち寄ったんです」
「へー、紅葉気が効くじゃん。そうだ!次はどこ行く?」
「もう次の話ですか!?」
「あの、次は私も……行きたい……」
「やれやれ……新聞部の活動も忘れないでくださいね?」
翌日。
「おはようございます、柊先生。おや、そのヘアピン似合ってますね」
「あ、ありがとうございます……」
冬雪は1日だけ、いつもより声を掛けられた。




