環境汚染
肌にあたると何だか古い角質が溶けてなくなるかのような雨
「傘ないか?服が雨臭くなる。」
「あ?傘...?んなモン買う金ネェよ。何てったって酒の値段が20恩で傘が50恩だかんな。」
「恩?何だそれは?」
「恩っつーのはよ...金だぜ。これがねぇと話になんねぇが...もしかしてテメェ金無しか?」
「金はある。だが、恩なんてものは知らん。」
「そうかい。残念だったな。この裏S区では円は使えねぇぜ。何てったってここは日本であって日本じゃねぇからな。円なんてシンヨーされてねぇんだ。」
「何⁉︎...なら、両替はできるのか!?」
男が親指と人差し指交互に擦る
「こっちじゃあそいつは使えねぇんだ。円。もちろん前払いだぜ。」
今の持ち金は靴底に入れておいた非常用の3万円...う〜む...
「オイどーした?円もねぇんかよ?」
やむを得ないのか...?
「ちなみにだが、相場は?」
「1000円を10恩で貰ってやるよ。」
「300恩だ。3万やるから300寄越せ。」
「だけどなぁ...んでもヨォ俺は別に貰ってもなぁんの徳もねぇんだよなァ」
「色。つけてくんねぇかなァ」
「クッ...250だ。250で手を打て。」
「ニヒッ...毎度ありだぜぇ。」
屈辱だ。こんなやつに交渉術で負けるだなんて...畜生。
屈辱をひしひしと感じながら金を渡す。
刹那
「よっしゃぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎‼︎」
「は?」
「騙されたなオメェ‼︎俺をバカにしたツケだぜぇ?どこにおいても円の方が価値高いに決まってんだろオメェ‼︎ここでは一円10000恩。こんだけありゃ上に上がれる!」
「ま...待て!どういうことだ⁉︎」
「あばよ‼︎」
焦った‼︎
落ち着いて考えばわかるはずなのに‼︎
いくら何でも日本の領地内の極小地域のみが使用する通貨の価値なんてたかが知れてると‼︎
畜生
周りから哀れみの目を向けられているように感じる
バカに...あんなバカに騙されたのか?アレに?アレにか⁇
しかもあいつ上に行けるとか言ってたな...
情報が足りない...もっと、もっと信頼できるやつを捕まえて聞き出さなくては
町外れの居酒屋
何も頼まず1番安かったおつまみを頼み、耳を傾ける
「んでもそりゃないよなぁ。ギャンブルで金を使いすぎたから今月は給料二円なんてよ。」
「何だ嫌味かぁ?俺は800恩だぞ?減っても俺が負けてんのかよクソがぁ。」
「ほんといーよなお前実家太くて、近頃上に行けるみたいじゃん。」
「おうよ!土産の一つくらいなら買ってきてやるよ。」
なるほど。ここでは一円1000恩で考えればいいのか...やはり奴相当ぼったな。畜生。
だがもういい
俺は騙される側じゃない
騙す側なんだ
だから、
何をしてでも周りを騙し尽くして、俺は上に行く‼︎




