第32話 古代文明の遺跡
芦屋島、小笠原諸島から南東方向に3500km行った場所にある芦屋諸島最大の島である。
2037年4月15日にJAXA所属、防衛省管理の情報収集衛星により発見され、2037年2月18日に多目的揚陸艦『のと』を有する第2輸送艦隊4隻が臨時駐屯地設営の為横須賀港を出港、2月25日に到着、設営を開始した。
衛星映像により明らかな人の痕跡がある為、第16旅団である海兵遠征旅団第3大隊所属の完全武装の240人が『のと』から離艦したMV-22JAに分乗し、人の痕跡が確認された芦屋島に向かった。しかし建物と思われる場所に入った途端部隊との通信が途絶し、行方不明となった。
事態を重く見た防衛省は第4護衛隊を含む艦隊を芦屋諸島に向かわせた、航空機搭載型護衛艦『ずいかく』には第20旅団こと戦闘用パワードアシストスーツを着用している特殊戦闘旅団240名と一般兵360人の計600人がいる。
そして2月16日、多目的揚陸艦『のと』を中心とする第2輸送艦隊と合流第3大隊の救出に向かおうとした時第3大隊から通信が入った。
通信によると建物の中にエレベーターと思われるものがあり電源が入った為エレベーターが起動、そして地下に行ったのである。地下には巨大な地下都市が存在しており、明らかに現在の文明より高い技術力があるという事だった。
そしてその後の調査や発見された文字解読により驚くべき事が判明した。なんとこの地下都市が属していた国の名前はリーフ連邦共和国という名前である事が判明し、そしてこの地下都市は地球に何かあった時用の避難場所であり、時空遅延をかけている為20万年程度は物質の劣化もなく維持出来るとあった。
そしてこの島は10万年間海の底に沈められ地殻変動により浮き上がってきたのである。
これによりこの星もかつて文明があった事が判明した。しかし解読の結果その文明は10万年前に戦争により滅亡したのだ。
10万年間の時を経て有害物質が浄化したのだ、その為地球より圧倒的に綺麗な海と空気になっているのである。
この地下都市の存在に日本政府は頭を抱えた。もしこの事を公表すれば技術を公開する事になるが、その場合は発展性がない技術となり今後色々不具合が発生するのは目に見えていた。更になんの技術か分からないものを公表するわけには行かず危険な技術の可能性もあったのである。
その為日本政府はこの島を防衛省の開発施設としこの島周囲200kmの侵入を禁止した。幸いにもこの芦屋島と芦屋諸島がある場所は同じ諸島と一括りだが600kmも離れているのである。更に芦屋諸島の他の島々にはそういうものは発見されなかった。その為芦屋島以外は民間に解放したのである。
そして7月、芦屋島には3000m級の滑走路や港湾施設が建設された。芦屋島の大きさは国後島と同じ程の大きさであった。為色々な施設の建設が可能であった。
その後の調査の結果地下都市は地下4000mに建設され地下都市を覆うドームの高さは2000mであり縦40km、横25kmの卵型であった。ドームの内部はドームに貼り付けられた液晶パネル(シール程の厚さで耐久力も消費電力も遥かにに良かった)によって朝昼夜のサイクルが完成していた。
地下都市の一つに情報センターと呼ばれる建築物がありその情報の中にこのリーフ連邦共和国の歴史があった、情報センターには色々なものの設計図が見つかった、しかし明らかに過剰技術の為政府は公表しなかった。
2037.7.20
日本国 首都東京
総理官邸 閣僚会議室
19:24 JST
「では会議を始める、今回は芦屋島の事についてだ。」
「芦屋島ねぇ、殆どオーパーツみたいなもんだからね、文字が日本語と同じだったのはとても驚きだよ。」
そう言ったのは長浜科学技術大臣である、芦屋島の古代遺跡の調査担当は科学技術省が中心となって行なっているからである。調査の度に今の技術を遥かに超えた技術が見つかる。
「今更ですけどそうですねぇ。」
「地下都市に民間人を入れるわけにはいかない。まぁもしバレても絶対に許可しないけどね。」
地下都市の存在事態公表していないのである。芦屋島にいるのは防衛省が派遣した自衛隊と古代遺跡の調査員である。当然人選は公安が責任を持ってしている。
「少しは情報省を信じてくださいよ、総理も公安の実力を知らないわけではないでしょうに。」
「そうだが、まぁ国交省の根回しも素早い事だよ、あんなに早く研究施設や港湾施設、飛行場を建設するとは。」
そう僅か半年で各最低施設を全て完成したのである。土地が広いのもあるが普通なら考えられない事である。
「認可もクソもないからね、半年あったら建設出来るよ。」
「芦屋諸島には続々と入植が始まっているんだけどね、しかし流石異世界、古代文明とは驚いたよ。」
芦屋島とは違い、公表されている芦屋諸島各島には民間人の入植が始まっている、半年で大体1万人程度であるが希望者も合わせると5万人はいる。ちなみに東京都芦屋市である。
「しかし10万年で人類絶滅状態の環境から変わるもんなんですかねぇ?」
「この星とは限らない、別の星で絶滅し、海底にあった芦屋島がこの星に転移してきた。という可能性も考えられるからな。」
「話を変えるがレムリア共和国に潜入中のJSAによるとなんでもレムリア共和国でクーデターが起きそうらしい。」
さりげなく話を変えた?米崎情報大臣がとんでもない爆弾発言をした。現在レムリア共和国にはJSAの工作員、要はスパイがかなり潜入しているのである。中には政府中枢にまで潜り込んでいる人もいる。
「「クーデター!?」」
「あぁ、恐らく敗北した事に対するものだろう、もしクーデターなんか起きたらまた戦争になるかも知れない。」
実はレムリア共和国は重税を課し、なのに戦争に敗北した政府に対する反感が広がり各地でデモや暴動が発生しているのである。更にアトム地方はアトム地方の電力の60%を担うアトムダムが無くなった為治安がかなり悪化しているのである。その為レムリア共和国政府は植民地を手放したのである。
その為植民地にいた兵士や民間人はレムリア共和国本土に戻ったのだがそれなりに植民地からNMRANA各国に亡命する人が後を絶たずもう既に10万人を超えているのである。
亡命希望者はここまで来る金がある裕福な人達が大半を占めている。そして中には日本に亡命希望してくる者もいるのだ。
「マジかよ、勘弁してほしいよ。やっと戦争終わったばかりだろう。」
「レムリア共和国はアーカイム王国やから撤退したみたいだ、それにより両国で独立運動が加速、独立組織から日本政府に支援要請もある。」
「講和条約に調印した手前公式には無理だなぁ、やるなら非公式にかな。」
「まぁ、全てはクーデター後かな、とりあえずその2カ国には保留しておこう。」
「了解しました。」
そして7月16日、リーリエ•サルーナという人が家族や親戚や友人200人を連れて船で日本に亡命してきたのである。この人の事を聴き日本政府は驚愕した。
リーリエ•サルーナはレムリア共和国の公爵の地位の貴族であり日本と友好関係を結ぼうとする一派の代表的な人である。まぁその為日本に逃げてきたのだが、彼女はレムリア共和国で暗殺の危機に瀕した為所有していた船で逃げてきたのである。
日本政府は基本的に亡命を認めていなかったのだが2018年に比べ遥かに寛容的になりレムリア共和国からの亡命希望者も認めていたのである。その為このリーリエ•サルーナに日本政府は豪邸を用意し、日本政府の対レムリア共和国顧問として働く事となった。
日本に到着したリーリエは終始驚きの連続であった。船が到着したのは北海道の奥尻島、その後日本政府が用意した飛行機で東京に行き総理官邸で話をしてその後豪邸をプレゼンされたのである。
正確には豪邸をプレゼントしたのは国ではなく天皇である、天皇と面会したリーリエは自国への想いと日本への亡命に至った事を話したのである。すると天皇から日本に亡命し、骨を日本に埋める事にするとの決意に感動し、豪邸をプレゼントしたのである。
場所は和歌山県である。親族などが余裕で住める物件であったもし購入したら数億円は確実な金額であった。一応財産を全て宝石や金貨に変え亡命してきたのでそれなりの金額はあったのだが、リーリエにとっては大変ありがたい事であった。その後サルーナ家は子供が天皇と結婚する事になった為皇族となったのは別の話である。




