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異世界日本  作者: F-3
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31/52

第31話 講和交渉




2037.7.1

ストールガル平原

国境地帯

13:20 現地時間





 リベールニア連邦共和国とアーカイム王国との国境地帯でNMRANA各国とレムリア共和国との講和交渉が始まった。アーカイム王国はレムリア共和国の植民地なのでレムリア共和国の領土内である。

 レムリア共和国の出席者は7人、日本からは3人で他のNMRANA各国からは1人づつである。



「私ば日本国全権大使の山形 登です。」


「私ばレムリア共和国全権大使のアルガス スティールです。今回は講和交渉の為に来ました。」


「ええ、そうです。まず我々NMRANAからの講和要求はこの書類に書いています。」



 そう言って山形大使はアルガス大使に講和要求が記載されている書類を渡した。この書類は前もってNMRANA各国と話し合い決定したものである。


1.レムリア共和国は5000億オリオン(日本円で50兆円)を支払う。


2.国境は現在の各国占領地のままとする。


3.国境地帯から双方20kmは非武装地帯とし、軍の侵入を禁止する。


4.両国の捕虜は講和交渉が締結され次第速やかに引き渡す。


 この4つの条件を記載した。日本としては賠償金の方はそんなに重要ではなかった。



「後半の3つは可能ですが最初の1つはちょっと。」


「5000億オリオンだと!?ふざけるな!」



  突如レムリア共和国側の出席者の一人が声を上げた。



「おい、落ち着け。しかし5000億オリオンはちょっと、我がレムリア共和国の国家予算の2年分ですよ。」



5000億オリオンがレムリア共和国の国家予算の5年分という事はレムリア共和国の国家予算は2500オリオン、つまり日本円で25兆円である。

 日本国の国家予算は一般会計と特別会計を合わせて170兆円である。



「そうなんですか?日本の国家予算の25%程度なのですが、」


「「「え!?」」」



 レムリア共和国全権大使達3人が嵌った。

NMRANA各国大使達は知っているので驚かないが始めて知った時は自国と日本との国力の違いを改めて知った。


「えっと失礼ですが貴国の人口は何人ですか?」


「そうですね、1億2700万人です。」


「1億2700万!?そんなに。」


 レムリア共和国の人口は5000万人程度である。その2倍もの人口を有している日本は国力が違いすぎた、始めてレムリア共和国側出席者はとんでもない国と戦争していた事に気づいた。



「それで、どうされますか?」


「3000億オリオンはすぐに支払い出来ます。残り2000億オリオンは200億オリオンの10年払いなら可能です。」


「なるほど、それでよろしいですか?」


「大丈夫です。」



 山形大使が他のNMRANA各国大使に確認をとる、他のNMRANA各国大使は文句ないようだ。



「ではそれでこの書類にサインをよろしく、それで講和交渉は完了です。」


「わ、分かりました。」



 そしてアルガス大使は他のレムリア共和国大使に確認を取るとサインをしてレムリア共和国公式のハンコを押した。



「ではこれで講和交渉は完了です、各国共占領地から動かないように。それと捕虜をすぐさま相手国に返還する事です。」


「分かりました。まず3000億オリオンを取り敢えず日本に支払います。その後2000億オリオンを10年かけて支払います。」



 こうして講和交渉は完了した。日本やNMRANA各国はもっと揉めるのかと思っていたが案外簡単に此方の要求を呑んでくれて助かった。

 ちなみに賠償金50兆円のうち日本の取り分は6兆円である。日本はこの戦争で国土を17%広げた。レムリア共和国の無人諸島などを占領したからである。更に民間人の移住も進んでいる。

 これで世界は平和になったと誰もが思った、しかしそうはならなかったのである。




2037.7.5

日本国 首都東京

総理官邸 会議室

10:20 JST


「これでやっと戦争が終わりましたね。」


「そうですね、これでやっと補正予算が組める。」


「主に弾薬費と戦死者への補償金ですがね。」


「はいはい、ではまず財務省から来年度予算案が組めたようだし発表してくれ。」


「分かりました、ではこの書類をご覧ください。」


 そう言って担当の人から総理や各大臣、各官僚に2038年度予算案の書類が渡される。



2038年度予算案


[歳出、168兆4080億円]

防衛関係費、12兆4560億円

社会保障費、62兆4650億円

公共事業費、20兆1570億円

防災関係費、3兆7860億円

教育関係費、4兆3050億円

科学技術費、7兆1910億円

地方交付金、7兆3650億円

国債返還費、28兆1610億円

次年度繰越金、13兆6550億円

その他費用、14兆2750億円


[歳入、168兆4080億円]

税収収入、68兆6340億円

税外収入、27兆4250億円

社会保険料、48兆7850億円

その他、23兆5640億円



 2029年一般会計と特別会計が統一され、2018年次には240兆円だったが地方分権により地方に譲渡された結果一時は国家予算は180兆円代にまで低下したがGDPの上昇もあり190兆円代にまで持ち直したのだ。しかし借金の返済の為、また更に借金する事が無くなり、170兆円まで低下した。

 これを見ても分かる通り日本は毎年26兆1610億円もの借金を返還しているのである。

日本国は2019年度の1089兆円の国際総額をピークに減少に転じた。

 借金減少の原因は消費税の増税と軽減税率の導入、更に社会保険料の3割負担から4割負担への増加、年金の還付方式から積立方式への変更、中国の経済危機による日本企業及び日系企業の売り上げUPによる法人税、所得税の税収の増加であり、歳入が増え、歳出が減った為である。



「ちなみにこれは暫定予算ですので、多少の増減はあります。」


「まぁ基本は変わらないな、賠償金はその他に入れられたか。」


「借金が減るのはいい事だけどな、早く借金が0のドイツみたいになりたいよ。」



 転移前の2034年度には日本国の借金は812兆円とGDP比109%にまで減少、その後転移前の取引により更に400兆円の借金が無くなった。

 2037年度の日本国の借金は379兆円でありGDP比42%なのである。更に毎年30兆円ほど借金を返済している為15年も経たないうちに国債は完済するだろうと言われている。

 その為消費税などの税率を引き下げる事も視野に入れられている。しかし今後何が起こるかわからない為、国家予算とは別の特別会計予算を設立し、そこに余剰金を積立する案もあり、日本の国民性などを考えるとそれに決まりそうである。しかし税率は幾分か下がると思われる。



「あと10数年したらそうなりますよ、今の状態が悪くならない限り。」


「それより今はあの問題について話し合いませんか、まぁいい話といえばいい話ですけどね。」



 ちなみに今問題になっているのが転移前に日本にあった外国人が保有する資産や不動産である。その総額は650兆円でありそれは日本政府の所有物となった。

 その後一部国有地として残ったが90%以上が売却されその資金は海外に不動産や土地を所有していた企業などに分配されたのだが、殆どの企業は現地子会社に任せていた為650兆円のうち480兆円しか支払われず、残りの170兆円が宙ぶらりん状態となったのである。



「早速余剰金として特別会計予算に放り込むか?」


「提案としては悪くはありませんが、まだ特別会計予算は審議中ですし、」


「自治体もうるさいからな。」


「地方債も減っているだろうに。」



 国の借金の減少とともに地方の借金、地方債も国ほどではないが減少しているのである。



「あって困る金ではありませんしね、」


「一部空き家解体の予算として支出しましたが4兆円ですしね。」



 外国人や在日中国•朝鮮人の消失によりただでさえ空き家が多いのに更に増えたのである。その為築15年以上経過している及び人里離れた場所にある空き家を国費(余った170兆円もの余剰金の一部)を使用し、解体したのである。



「他にも高速道路の補修や修繕、などに10兆円使用し、各地の無人島に観測装置を設置したりして30兆円ほど消えましたけど。」


「で、残り140兆円か、」


「まぁ、急ぐ話でもないが次の会議の時まで各省庁案を考えてきてくれ。」



 総理大臣の言葉で3時間続いた会議が終了した。しかし大臣や閣僚達の仕事は終了していないのである。





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