第24話 日本、作戦会議
2037.6.7
日本国 首都東京
市ヶ谷 防衛省 会議室
19:41 JST
「では、改めて現在の戦闘情報を整理します。4日リベールニア共和国8個師団12万人とレムリア共和国軍6個師団9万人がムハード平原で衝突しました。結果はレムリア共和国軍の勝利です。しかしお陰で自衛隊が展開する時間が稼げました。
現在、レムリア共和国軍は計10個師団12万人を持ってしてリベールニア共和国に侵攻しており、リベールニア共和国の27%がレムリア共和国の支配下に陥っています。」
リベールニア共和国は56万平方キロメートルであり、日本の38万平方キロメートルより広い、しかしもう既に30%弱がレムリア共和国軍の支配下になったのである。
最もリベールニア共和国軍は住民の避難優先でレムリア共和国軍とムハード平原での戦闘以外行なっていないのもある。
「またアルベルト王国でも戦闘が始まってますがこちらは山岳地帯ですのでアルベルト王国軍はゲリラ戦を仕掛けていますのでアルベルト王国に侵攻していたレムリア共和国軍6個師団9万人は約1個師団分の9000人を失い撤退し、リベールニア共和国方面に向かっています。」
NMRANA機構とレムリア共和国植民地との国境を接しているのはアルベルト王国とリベールニア共和国のみである。その為両国はNMRANA機構各軍(主に自衛隊)に領土通行権を渡しているのである。
その代わり国境(元々無いようなもの)を封鎖せずに避難民を受け入れる事が条件だが、各国とも別に国境などの認識がEUレベルなので封鎖など考えてもいなかった、もし2ヶ国が落ちたら次は自国なのだから。
「なるほど、とりあえず自衛隊の現在の展開状況を確認伝えてくれ。」
防衛大臣が担当官に説明を求める。
「はい、現在派遣予定であった陸上自衛隊の第5機甲師団と陸上総隊傘下の第14機動旅団、第15機動旅団、第18外征師団、第19外征師団、第20特殊旅団を大陸に派遣完了しており、いつでも戦闘が可能であります。」
第5機甲師団は通常は九州にいる本土防衛用なのであるが今回は参加させている。またそれ以外の第14機動旅団、第15機動旅団、第18外征師団、第19外征師団、第20特殊旅団は陸上総隊と呼ばれる海外派遣などの部隊である。
陸上総隊傘下は他にも第16海兵旅団、第17海兵旅団や第1空挺団、第2空挺団、第3空挺団、特殊作戦群などの計60800名が陸上総隊の傘下なのである。
陸上自衛隊27万人中の6万人である。つまり国土防衛は21万人という事になる。まぁそれでも2018年度の13万人に比べたら1.5倍以上なのだが、今回派遣する計約5万人も陸上自衛隊の27万人からしたら5分の1の過去最大派遣戦力である。それだけNMRANAが日本にもたらす利益は莫大なのである。
「航空自衛隊はジェット機対応している2ヶ所の飛行場に計6個飛行隊の126機と海上自衛隊の航空機搭載型護衛艦の2隻の84機の計210機をエアカバーとして投入できます。日本本土の防衛は日本各地の空自基地で余裕で足ります。」
2018年時420機しか無かった戦闘機数は憲法改正や南•東シナ海戦争を経て19年経った2037年に陸上基地に630機、航空機搭載型護衛艦や多目的揚陸艦に210機の計840機保有しているのである。
ちなみにその内訳は、F-15EJが3個飛行隊分の63機、F-2Jが9個飛行隊分の189機、F-35JAが4個飛行隊分の84機、F-35JBが2個飛行隊分の42機、F-35JCが4個飛行隊分の84機、F-3Aが6個飛行隊分の126機、F-3Cが8個飛行隊分の168機、F-3Bが4個飛行隊分の84機である。
航空機搭載型護衛艦や多目的揚陸艦などの艦載機は航空自衛隊が管轄している為航空自衛隊の戦力なのである。
「海上自衛隊は8個護衛隊を投入し、その中には第2護衛隊の航空機搭載型護衛艦『あまぎ』と第3護衛隊の『しょうかく』を含む護衛隊を派遣します。
第2護衛隊と第3護衛隊は航空自衛隊の空母航空隊を搭載しているのでそこら辺は話し合いながらすすめます。」
海上自衛隊は3個護衛隊や2個護衛隊で1個護衛艦隊を構成するが、作戦単位は4隻の護衛隊計算である。その状況に応じて護衛艦隊を編成するのである。その為1個輸送隊に2個護衛隊が護衛につくなど作戦ができるのである。
「では説明も終わりましたし本題に入りましょう。ズバリ、この戦争の終わらし方です。」
参加者一同に緊張が走る。
「当然自衛隊にレムリア共和国本土を占領する力もありませんし、メリットもありません。レムリア共和国は我が国と同じかそれよりも酷い無資源国家です。食料自給率も20%台との現地より潜入しているJSAより報告が来ています。」
「つまり潜水艦による通商作戦を続ければレムリア共和国は干上がるという訳だな?」
「ええ、そうです。しかしそれだと戦争終結に2年〜5年の歳月が掛かります。やはり落とし所を見て賠償金を支払わせるのが1番かと、レムリア共和国の国民を見ても友好関係を築けるとはとても思えません。」
レムリア共和国は帝国主義であり他国を支配して国を成り立たせている国家である。その為他国と友好関係など築こうなどとは首脳陣達は思わないのである。
「少なくともNMRANA各国には日本には勝てなくてもレムリア共和国には対抗出来る程の軍事力を持ってもらわないとな。」
「1970年代〜80年代レベルですね。戦闘機で言うとF-4ファントムくらいですね。」
「ミサイルも短距離対空ミサイルくらいだな、AAM-4のダウングレード版かな?」
「今のところはFA-8戦闘機で各国満足してますよ。FA-8とF-4ファントムってレベル同じくらいなのでは?」
防衛装備庁長官が発言する。
「FA-8はCOIN機だ、航続距離が短すぎる。日本より領土が広いから航続距離の延長が必要だろう。」
「そうですね、最低でも2000kmくらいは必要です。FA-8は1650kmでしょう。F-3Aの3200kmと比べると半分くらいですよ。」
「じゃあ三菱や川崎などにF-4ファントムを元にNMRANA各国向けの試作機に取り掛かるよう伝えておいてくれ。」
防衛大臣が話をまとめNMRANA各国に売り込む為の試作機の試作が決定した。
「防衛大臣、三菱と川崎は戦闘機や航空機生産部門を三菱航空機に一元化するそうです。」
「そうか、やりやすくなるな。」
元々三菱重工業の民間機開発部門が三菱航空機だったのだが、今回三菱重工業の戦闘機開発部門と川崎重工業の航空機開発部門が三菱航空機に一任されたのである。
「しかし今回の派遣は陸上自衛隊の戦闘ヘリコプター全て入ってるな。」
「ええ、AH-64D、AH-64E、AH-3、OH-2ですね、まぁOH-2は多目的ヘリコプターですけどもね。」
「AH-64Dは今回の派遣が最後の実戦になるのか、」
「同じアパッチシリーズですけどやはり電子性能などでD型は古いですからね、限界です。」
AH-64Dは13機調達したのだが、2018年にAH-64Dが佐賀県に墜落し、失ったのである。その為12機なのだ。ちなみにAH-1SはAH-64Eとの置き換えで既に退役した。
「AH-64D/Eは第2、3ヘリコプター隊、AH-3は第1、4、5ヘリコプター隊を派遣ですか、まぁレムリア共和国は対艦ミサイルしか開発出来ていないので、携帯式地対空誘導弾がないのはありがたいですね。まぁ地対空砲はあるでしょうから、気をつけて欲しいです。」
「その辺は空自さんが入念に空爆しくれるから、まぁOH-1観測ヘリから受け継いだ変態的機動性能を受け継いだOH-2やAH-3なら交わしそうですね、まぁAH-64Eは厳しいですが。」
OH-2多目的ヘリコプターはAH-1観測ヘリコプターの拡大発展版である。そしてOH-2多目的ヘリコプターを元に作られたAH-3戦闘ヘリコプターもまたOH-1譲りの変態機動を習得しているのである。
そんなこんなで防衛省の会議はまだまだ続く。




