第20話 レムリア共和国対策会議
2037.5.6
レムリア共和国 首都ムーン
共和国議会場
14:11 現地時間
ここレムリア共和国の首都ムーンは海沿いの都市であり古くから交易より栄えた。レムリア共和国の首都となってからも共和国の約20分の1の210万人が暮らす都市である。
そんなムーンは郊外に陸海空軍の司令部と3軍を統括する軍令部がある。そして中心部にレムリア共和国議会場と大統領官邸がある。
「我が共和国は新たな市場開放をする事を決定した!」
レムリア共和国大統領のリール大統領がそう宣言すると議場は騒がしくなった。この場にいる議員は日本の様に選挙で選ばれた訳ではなくレムリア共和国の貴族やそれに値する人である。そしてその議員の殆どが企業を有しており植民地の利益を吸っているのである。
「議員達も見たはずだ!我々高等種族のレムリア人が使うはずの貴重な資源を独占し、利益を貪っているあの様を!そして我々の要求を蹴り我々を蛮族と呼んだあの劣等種族を!しかし実際戦ったらどうだ?我が共和国軍は全戦全勝した。
この奴らがレアリスタ大陸と呼んでいるあの大陸を我々の領土とするまではこの解放戦争は終わらないのである!」
20年ほどの技術有利で自分達を高等種族と呼んでいるが自分達を高等種族だと信じて疑わないレムリア人からしてみれば正当な発言なのである。よって誰もリール大統領の発言を不審に思わないのである。しかしやはりどの国にも慎重な人はいるのである。
「すみません、1つよろしいですか?」
その時1人の女性が議長に質問要求をした。途端議場が騒がしくなる。議員全て合わせて245名しかいない議会では普通変わることのない為。議員は全員知っている顔なのである。しかしこの発言を求めた女性議員を誰も知らなかったのである。
その女性の名前はリーリエ•サルーナ、代々貴族であるサルーナ家の長女である。2週間前議員であった父が亡くなった為リーリエが議会に出席したのである。
「発言を許可しますリーリエ•サルーナ議員。」
サルーナという名前を聞き皆サルーナ家の者だと分かり騒めきは落ち着いた。皆サルーナ家の事は知っているのである。全員で245名いる議員の中で貴族由来の議員はサルーナ家を含めて20人しかいない為有名なのである。そして発言を許可されたリーリエ議員は発言をする。
「ゲベール国防大臣に質問します。その敵国は本当にこれまでの国の様に簡単に勝てる相手なのでしょうか?」
「どういう事かね?」
「その喧嘩を仕掛ける相手国をちゃんと調べたかと聞いているんです。」
「当然我が国の諜報機関が調べた上での決定だ。」
「ニホン、その国は随分と技術力が高いそうですね。すくなくとも他の国より、」
「確かにニホン国という国ともう一つのエールスラント連邦という国は他の国に比べ技術力は高いという報告が上がってきています。」
途端に議場が騒がしくなる。
「しかし諜報機関の調べによりますと両国とも我が国より10年〜20年間の技術的格差があると分かっています、それにもし技術力がそれ以上に高ければ他の国を支配下に置くのが普通です。それをしない、つまりそれだけの技術力、人員が足りないという事です。よって我がレムリア共和国の敵ではないかと思われます。」
「なるほど、しかし軍部は詰めが甘いかと思いますね。」
ああ言ったらこう言うリーリエ議員に対しゲベール国防大臣も苛立ち始める。しかし相手は小娘とは言え議員、しかも貴族である。立場は自分の方が上だが国防大臣では無かったら相手の方が上なのである。その為ゲベール国防大臣はなんとか怒りを抑え表面上は取り繕った。
「リーリエ議員、発言は以上ですか?」
ゲベール国防大臣の怒りを感じた議長が場を収める。
「ええ、ありがとうございました。」
そうしてレムリア共和国軍の東進が決定し、議会は閉会した。
2037.5.8
レムリア共和国 首都ムーン郊外
軍令部 会議室
12:32 現地時間
「ではこれより東進に関しての作戦会議を始める。ではまず陸軍から投入戦力についての詳細な説明を。」
ゲベール国保大臣がそれぞれ陸海空軍の大将に投入戦力を聞く。3軍とも仲が悪く毎年予算の取り合いなのだが、現在は予算も決まり静かな時である。
「はい、では陸軍は現在植民地の防衛に4個師団を配備しています。今回は16個師団を投入して、侵攻をしたいと考えています。」
レムリア共和国陸軍は50個師団編成であり、現在植民地にした2ヶ国に4個師団4万人を配備しているのである。そして更に東進に16個師団の16万人を投入する考えだ、それにより本国に残るのは30個師団の30万人のみである。かなりの戦力である。
「本当にその戦力で勝てるのか?」
「はい、情報局の調べでは敵戦車は60mm砲です。対する我が軍は90mm砲が普通です。つまり我が軍の戦車は敵の攻撃の届かない場所から敵を一方的に撃破できるのです。その他の装備も同じような結果が出ています。」
「なるほど、じゃあ次は海軍だ。」
「我が海軍は1個戦闘艦隊と1個地方隊を編成し、出撃させます。敵戦力はミサイルなど配備していない撃ち合いを目的とした艦ですので陸軍と同じようになるかと。」
海軍は4個戦闘艦隊と5個地方艦隊から成り立っている。陸軍と同じかなりの戦力である。
「なるほど、では最後に空軍。」
「我が空軍も陸海軍と同様の結果が出ています。第1航空団を派遣します。敵戦闘機は最高速度400km/h程度のレシプロ戦闘機であり我が空軍のクリーパーMk.2ジェット戦闘機の最高速度956km/hの約半分でこちらも一方的になるかと。」
空軍は3個航空団から編成されておりその内第1航空団と呼ばれる最新鋭機の優先度が高い航空団を派遣するのである。
「なるほど、我が軍の勝利は間違いないようだな、では各軍頼んだぞ。」
「「「はい!」」」
作戦会議はまだまだ続く。しかしこの会議の失敗は自国が圧倒的有利の元立ててたことである。
2037.5.13
日本国 首都東京
市ヶ谷 防衛省
19:04 JST
「では今後の部隊展開予定を。まず海上幕僚長から。」
「はい、現在『そうりゅう』型潜水艦6隻をレムリア共和国周辺海域に張り付かせています。さらに第5護衛隊を派遣しています。もし非常時には6つの護衛隊を派遣可能です。」
「なるほど、じゃあ次は航空幕僚長。」
「現在エールスラント連邦のラムート基地に第504、505飛行隊のF-2J戦闘機42機が前進配備されていますが、その他はジェット機対応の飛行場が無いので航空機搭載型護衛艦からの上空支援が必須になります。」
ラムート基地はエールスラント連邦空軍が建設したのだが国防体制の見直しにより放置されていた場所を整備して、航空自衛隊が駐留出来るようにした基地である。
島丸々基地な為拡張しやすく港湾の水深もそれなりに深いのである。ちなみにその整備費はエールスラント連邦が支出した。
「海自の航空機搭載型護衛艦も最低2隻の派遣は必須だな、ラムート基地は対レムリア共和国戦において前線航空基地だ、くれぐれも防備は頼んだぞ。では最後に陸上幕僚長。」
「はい、陸上自衛隊は現在日本国外に陸上部隊を派遣していませんが4日後に海自の輸送艦で第19師団がNMRANAに派遣されます。有事の際には5日間で第5師団、第17旅団、第18師団、第20旅団を派遣出来ます。」
陸上幕僚長がそこまで言いかけた時点で荒瀬財務大臣が話を止める。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!第20旅団も投入するのか?あれはちょっとというより大分過剰戦力のような気がするのだが、」
第20旅団は日米共同開発した戦闘用装甲アシストパワースーツを着用する装甲歩兵と呼ばれる自衛官がいる部隊である。20式小銃の2型、つまり7.62mm特殊弾と呼ばれる通常の7.62mm弾より威力を強化した弾丸を放つ20式小銃を装備する旅団である。
その強さは世界にも知れ渡っており南•東シナ海戦争には間に合わなかったものもその実力は折り紙つきである。そんな事を知っている荒瀬財務大臣もかなりのオタクなのだが、
「まだ第20旅団は実戦を経験していません。言い方は悪いかもしれませんが実施テストをする良い機会だと考え今回派遣する事にしました。」
まだ納得がいかない荒瀬財務大臣だが、一応頷いた為、話を進める。
「今回ほど派遣する事は朝鮮戦争でも南•東シナ海戦争でもありませんでした。その為海自の輸送艦では限界があり民間船も協力してもらう事にしました。もう各船舶会社に話は付けてあります。」
自衛隊はそこまで海外に派遣する事は考えていなかったその為、2個外征団の2万4000名ほど派遣するだけの輸送力しか海上自衛隊は保有していなかったのである。
しかし今回は2個外征団に1個師団、2個旅団の計46000名も派遣するのである。海自だけではとても足りないのである。その為民間に要請するのである。現在民間は日本とその他の貿易で忙しいのだが、防衛省からの要請は経済的にも立場的にも断れないのである。
その為要請とは名ばかりの実質的な命令である。しかし通常業務より金銭は多額なのである。当然人や装備、中には40t程の戦車も含まれているからである。
「はぁ、仕事が増えるが仕方がない、予算の方はなんとかしよう。要らない可能性もあるからな。」
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「先輩、日本と一緒に転移させた国が日本に戦争をふっかけそうなのですが?」
「ん?大丈夫、どの国も日本より技術レベルが下だがら、少なくても80年くらいの技術格差があるから戦争しても一方的だよ。」
「流石先輩ですね。でも日本が戦争を吹っかける可能性もあるのでは?」
「いやーそんな事考えてはいないが、今は平和的にやってるんだろ?」
「まぁそうですが、」
「そういえば日本人って空想上の生き物大好きなんだって、だがらドラゴン追加してよ。」
「地球には居なかったんですか?」
「らしいね、日本に戦争吹っかけたら逆に返り討ちにあうから、まぁ戦争見てたら分かるよ、戦い方のドクトリンからして違うから、とりあえずドラゴンの事よろしく。」
「分かりました、じゃあ先輩がそこまで言うなら日本の戦い方見せてもらいますか。」




