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三種の神力  作者: Get.On
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第4話 Beginning bells 弐【始まりの鐘】

ゴメス!

変な所から始まってしまった。

少し話がズレてしまったが、話を戻そう。

以上のことから国は異能者を積極的に保護し、学校に入学させようとする。その異能者が大きな問題を抱えていない限り、校長である私が入学を拒否することは出来ない。校長の肩書きを持っていながら異能者に対する大きな権力は持っていない。国にとって私は異能者でありながら、所詮魔道学校の校長でしかないのであろう。


結局、不満はあるが郡山を入学させることにはなるだろうが、最後の足掻きとして少しでも情報が欲しかったのだが無駄に終わってしまった。後は郡山が入学の手続きを行いに来る際に話を聞くことになるだろう…


・・・・・

・・・・

・・・

・・


午後3時頃、インターフォンから連絡が入った。

IDカードを所持していない青年が来た、と

事前に今日、IDカードを所持していない青年が来るとは伝えていたので、事務の職員から連絡が入った。IDカードを所持していない青年は彼以外ほぼ有り得ないだろうと判断し、警備員を連れてここまで案内するように伝えた。

事務員にそう伝えた後、河瀬が耳元に顔を近づいて一言言った。


「校長、間違っても引きを誤らないでくださいね」


「嗚呼」


そうは言ったが、私にも校長という立場があるので多少の賭けには出なくてはならない。もしかしたらこの賭けに失敗して彼が機嫌を損ねてしまうかもしれない。だが、今はそうならない事を祈るしかない…



・・・・・

・・・・

・・・

・・



結果としては賭けには失敗した。彼の様々な情報を吐かせるためにわざと現社会のモラルに反した質問をしたが、予定以上に彼の反応が薄かった。

事前に他者のよりも反応が薄いとは聞いていたが、多少揺さぶれば感情をぼろに出してくれると思っていた。

人によっては反応が薄く感情を出さない者もいるどろうが、感情が全く無い者はいない。その少しでもある感情を揺さぶれば、直ぐに大きな感情に変化する。それが今までの経験だった。

経験外の事が起こる、想定外の事が起こるなんて事は今まで沢山あった。だが、今回は違った。今までの経験外とは、戦闘、社会、事故で、全て人に対する想定外だ。今回は“人”ではなかった。


“人間ではない”

一目見た時そう感じた。奴が入って来てから空気が変わった。異質な空気だ。戦場の緊迫な空気とはまた違う締めつけられる様な空気だった。おそらく河瀬はこの空気の異常性には気が付いていない。この空気に気付く事が出来るのは戦場を経験し、気配に敏感に反応する一部の人だろう。

戦場の空気を経験し、様々な空気を経験した私だから分かる。殺気でも緊張でも無い経験したことのない空気。


そこからは余り覚えていない。恐らくそこからは今までの経験が役に立ったのだろう、動揺していたことは顔には出さず、ほぼ予定通りに会話を進めていたようだ。

そして、奴との会話を終えてこの部屋から出ていく時に気が付いた。

何も得られていないことに。

自身が恐怖に負けていたことに。

無意識に恐怖に負け、無意識に会話を続け、無意識に会話を終わらせていたことに。



今、私の中は様々なことで頭が混乱している。疑問や問題を少しでも減らし、これからの学校生活において奴が問題を起こす可能性を確かめ、あるのなら対策を立てようとしていた。

だが、現実はどうだ?

疑問は解決したか?

問題は無かったか?

いや、増えてしまった。それも以前よりも大きな疑問、問題が増えてしまった。あんなのを見てしまったら、対策なんて立てようが無い。奴になにか仕掛けたら恐らく…いや、絶対に此方がやられる。


どうすれば?

どうすればいい?

嗚呼、どうやればいいんだよ!

あんなの知らない。

聞いたことがない。

嗚呼………


「ーーー」


何か聞こえる。聞いたことがある声だ。だが、今はそのな事を気にしている場合ではない。今すぐに奴をどうするか考えなくてはいけない。


「校長!」


「はっ!」


私は河瀬の声で目が覚めた。目の前で河瀬がこちらを心配そうな顔で見てくる。


「済まない。少し、考え事をしていた」


河瀬の声のおかげで落ち着いたようで、頭が冷静に戻っていく。

途端に私は疑問に思う。普段の私なら、先の様な慌てた考えはしない。いつもは落ち着き、一歩一歩踏み間違えないように冷静に物事を考え、判断をしていた。それ故に、以前まで間違えた判断は殆どしてこなかった。

いつもとは違った。冷静を保てなかった。いや、保とうともせず、ひたすらに彼の対策を考えていた。何故だろうか?

いや、今考えるべきはその事ではない。彼、郡山 湊のことだ。


「校長、余り無理をなさないようにお願いします。先程の校長は異常でしたよ」


「嗚呼、済まん。先程は少し慌てたようだ」


「あら、珍しい。いつもの校長は自称冷静、沈着ではないですか?」


「酷い言い様だな。珍しく心配をしてくれたのに嬉しく思った私が馬鹿だったよ」


だが、彼女の言葉を聞いていると落ち着く。私の人生で一番、この時間が好きだ。


ゴォーンー ゴォーンー


その時6時の鐘が鳴った。いつもは気にならないのに今日は意識してしまう。


その鐘の音はまるで、何かの合図のようだ…



◇ ◆ ◇ ◆



私は人が嫌いだ。

己を含めた醜い人が生きているこの世界が嫌いだ。

“平等”

日本だけではなく数多くの国で求められていること。

誰も、どの国も人々を平等にする事は出来ない。

平等とは何処で生まれ、死んだのかも分からない”偽善者“によって言われた言葉なのだから。

この世に居る全ての人が偽善者なのかもしれない。

偽善者は自身の欲望の為なら手段を選ばない。

身に染みて知った。

痛いほど理解した。

でも、理解した時にはもう遅かった。

自分の周りには何も残っていない。

愛も希望も…自身も……

その時何かが切れた。


存在意義が分からない。

今私は何の為に存在し、生きているのか。

今まで教えてくれた貴方はいない。

私の手には何も無い。

ただの堅い手。

醜い手。

無能の手。

希望を失った私にはもう、何も残っていない。

私はただの道具だ。

そして、道具のくせに醜く汚れた血が流れている。

早く

早く、この醜く汚れた血を洗い流さなければならない。

それが、何も残らない私に出来ることなのだから…


By Samsung Torino

正直に言って今回は今まで以上に読みずらいところが、ある方が多いと思います。でも、書きたいことを書くとこうなってしまうのです。これでも頑張った方なんですよ?

一度読み直しをすると、ここがなぁ〜という所があり、迷いました。

しかし、そのままにしてしまいました。これ以上の文書力、語彙力がないからです。




ごめんなさい…

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