表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃げた魚  作者: 岩長昨夜
本章
6/6

ローズ

「まあ、いい。私はもう、うんざりだ。ローズ。其方との婚約を破棄する」


カーマインは、バニラの肩を抱く腕に力をこめ、ローズに強く言い放った。

これまで、カーマインの友人達は全て婚約破棄されていたが、今度は、ローズがカーマインから婚約破棄を宣言される事となった。


「さぁ。バニラ。言う事は言った。こんな残虐な女と一緒にいたら、其方まで汚れてしまう。行こう」


そう言うと、カーマインは、ソファから立ち上がり、バニラを連れてサロンから出て行こうとした。


「カーマイン殿下」


ローズは、ソファに座ったままカーマインを呼び止め、カーマインは首だけをローズの方に向ける動作をした。


「婚約破棄の件。殿下の口から、はっきりとターコイズ陛下にお伝えくださいませ」


カーマインは、眉をしかめた。

カーマインは、自分とローズが婚約を破棄すれば、ローズは神殿の奥に籠められ、二度と俗世間には戻って来ない事を確信していた。

呼び止められた時、てっきり、自分の事を引き留めるのだと思っていたのだが、ローズの意外な言葉に、それは彼女の精一杯の強がりだと変換した。


「ふん。当たり前だ。お前にも、他の令嬢達の様な相手さえいればなぁ。…まぁ、わざわざ呪われたい男などいよう筈もないがな」


と、捨て台詞を吐き、バニラの肩を抱いて、退場していった。



★★★



1年後。


6年前に王妃を亡くし、寡となっていたターコイズ国王と、ローズ=マルブランシュ大公令嬢との結婚式が盛大に行われた。


コルネイユ王国の王家では貴種を守る為、母親さえ違えば兄妹でさえ結婚する事が可能であり、より近い血統を配偶者に選ぶ事を推奨されていた。

しかし、ターコイズ国王の先々代国王よりこれまで、王家の血統は女子に恵まれず、ローズは、待ちに待った王家直系の女子であった。

そんな大切な貴種を、カーマイン王太子は、勝手な思い込みで婚約破棄をし、バニラ=ルベル男爵令嬢という、王家の血を一滴も含んでいない上、王妃教育もなされていない女性と婚約した為、ターコイズ国王が、ローズを娶る仕儀となった。


ローズは、前王妃存命中に王妃教育を修了し、王妃が亡くなり、カーマイン殿下の婚約者であった頃から、王妃代行として各領への視察に出向いており、国民からの人気も高く、彼女とターコイズ国王の結婚を国民も望んでいた事であった。


実際、ローズの表情は、カーマイン王太子の婚約者であった頃より、段違いで華やいでおり、ターコイズ国王も、16歳も若く美しい王妃を大切にしているのが誰の目から見ても明らかであり、王自身も若返って見えた。



さて、カーマイン王太子とバニラ=ルベル男爵令嬢との結婚だが、バニラの生まれもった血の色を変える事はできないが、最低でも王妃として相応しい振る舞いや知識を身につける迄、結婚は保留とされ、5名の家庭教師によって、教育を施されているが、彼女の姑のローズによる確認作業を行うまでにも至る気配は無い。





「ずっとお慕いしておりましたわ。陛下」

とりあえず終了です。


思いつけば(つか、妄想を文章化できそうなら)、細かい話をかいてみます。



9/20 日間異世界〔恋愛〕ランキング 50位 (←え?うそぉ)19位 (←なにごと?)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 私もレンさんと同じ意見です。 とても物語が面白くて、これだけ色々画策して根回ししているのに最後はバニラのせいで全てご破算になるんだよなと思いながら、更新を凄く楽しみにしていました。 作者様が…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ