老将
レグナレス帝国。
大陸の雄にして最強の軍隊を持つと言われている屈強な軍である。
総勢百二十万の兵からなるその軍隊は三十万ずつの軍に分けられ、それぞれが大将軍と呼ばれる四人の者により統率されている。
大将軍は国王の命無しに他国へと宣戦することができるという権限を持つとともに、レグナレス国王への絶対の忠誠を誓っているのだ。
その為長い大陸史の中でレグナレス帝国内部でクーデターを起こした者はいない。
エスカー率いる銀翼傭兵団はレグナレス帝国屈指の戦闘狂と言われる、老将ハルベルト・ウィスナーが指揮するレグナレス帝国第一軍に組み込まれた。
「お前さんが、エスカーという男かの?」
戦闘狂とまで言われる老将ハルベルトの執務室へと呼ばれたエスカーは、目の前にいる白髪白髭の好々爺と言っても差し支えない男が本当にハルベルトであるのかという疑問を抱えていた。
「はっ!銀翼傭兵団 団長のエスカーです!この度は私共傭兵を軍に組み込んでくださり感謝しております!必ずや死地を切り開く事を約束します。」
「そんな肩肘張らんでも良い、お前達には働いてもらわねばならん。死地なぞその辺に転がっておる、自ら作り出すことも出来るものだ」
年季の入った杖を支えに立ち上がったハルベルトはエスカーを見下ろす。
「追って指示を出す。明日の戦線では最前線をくれてやろう。」
そう言いながらエスカーを見下ろすハルベルトに、エスカーは畏怖とも取れる感情を抱いた。
やはり、この男は戦闘狂と呼ばれるに相応しい大将軍であると感じたエスカーは、気付くとこの男を倒す為には己が大将軍になる為には何をするべきかを考えていた。
夢へ憧れる自分が一番前にいる、エスカーは改めて奮い立ったのであった。
ハルベルトの執務室を後にしたエスカーは、銀翼傭兵団の宿舎へと戻ると六人の隊長達をすぐさま招集し、明日迎えるであろうレグナレス帝国傘下としての戦へ備えるのであった。




