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あやかし居酒屋「酔」  作者: 碧
◆・◆ お品書き ◆・◆

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31/33

カリもち食感!ジャガイモとコンビーフのガレット


とりあえず炊き込みご飯第二段をセットしところろで、いつもの開店時間も過ぎお客さんたちもやってきた。

顔馴染の彼らに「今日はおまかせよ」と雪音が告げる。


不思議そうな顔をする彼らにほら、と雪音が指さした先を見て不満もなく納得してくれる常連さんたちが非常に有り難い。


そんな彼らの視線の先には酒で緊張もだいぶほぐれた鬼の一団。

酒と料理が次々となくなる様を見て状況を察してくれたようだ。


料理のおまかせを大らかに受け入れてくれただけでなく「なんか手伝おうか?」と声をかけてくれるお客さんたちには大感謝しかない。

カウンターから笑顔で対応しつつ、美味しい料理を提供するぞ!と綾は気合を入れた。


土鍋をチラッと見て、これでも足りるかなぁ?と考える。


イイ感じに出来上がって酒盛りしはじめている座敷の面々を見るに、ぺろりといけちゃいそうな気しかしなかった。


流石にさらに同じメニューもなんだし、女性陣も増えてきたから次はパスタ系なんかもいいかもしれない。そんなことを考えつつ、とりあえずおつまみの材料を手にとった。


ジャガイモの皮を剥き、隣の笹女に細切りにしてもらう。


ボウルに細切りにしたジャガイモとコンビーフをいれ、ピザ用チーズに塩コショウ、片栗粉を入れて和える。


フライパンにオリーブオイルを入れて材料を薄くのばすように円形に形を整え、蓋をして揚げ焼きに。

焼き色がついたらひっくり返し、反対の面もこんがり焼けばジャガイモとコンビーフのガレットの出来上がり。


今回はコンビーフにしましたが、ベーコンの細切りやツナ缶を使ってもできます。


外はカリカリで中はもっちり、おつまみにもピッタリだし、お子さまにも好評なのでおやつにもどうぞー。


「カリカリしてて美味しいです」


上品に一口齧った笹女が掌を口に当てた。

和食にはなかなかない食感と味に驚いたようだ。


「オリーブオイル多めで揚げ焼きにしましたからねー。コンビーフの塩気もいいですよね。コンビーフ好き!マヨネーズと和えてブルスケッタもいいなー」


「あー、それいい!今度やって!トマトもいいわね。ワインと合うわー」


「ブルスケッタ?ってなんですの?」


「薄くスライスして焼いたパンにオリーブオイルやニンニクを塗って好きな具材をのせるんです。見た目も華やかだし手軽に食べれていいですよね」


「オイルとニンニク。この前のアヒージョみたいな感じでしょうか?」


「あそこまでオイリーじゃないですけどね。でも味の系統としてはワインとかに合うのはわかるでしょ?」


「はいっ。とってもお酒に合いましたわ」


「今度オシャレ女子会メニューでもしましょうか」


「いいわね!それ!!」


「わーい!」


いつの間にか雪音や糸織だけでなく常連さんの女性陣たちも大盛り上がりで女子会メニューの開催が決定すると、蒼がぷくっと頬を膨らませた。


「女の子だけずるーい!ぼくも!ぼくも綾ちゃんのお料理たべたいのにっ!」


ほっぺを膨らませて、自分の料理が食べたいと抗議する姿に綾はきゅんときた。


「蒼くんが可愛い」と撃たれたように胸を押さえる。


「坊やは特別参加OKよ」


「わぁーい!」


蒼はOK……それはつまり、他の男性陣はNGということで。


九十九をはじめ男性客が女子会デーに迷惑そうな表情をしていたのは、女性陣一同見ないフリをしたのでした。



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