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Come back to the moon water  作者: 白古賀
Chapter1 <Days at home with ***>
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9/45

1-8

「ベレンさん、また一つお願いがあるのですが」


 ベレンがキラナから依頼された月周辺の情報――一般航宙関連情報を入手し、渡した翌日の朝。

 いつものように二人で朝食を摂っていると、キラナはそう切り出した。


「私に、設計に使えるPCを貸してくれませんか」

「設計に使えるPCか……」


 ベレンは少し考え、


「設計というのは何の設計かな? 機械設計? それとも電気系統か?」

「大まかな機械の組立図設計と電気の動力・制御モジュール設計、それから流体配管・系統図設計です。あとできればソフトウェア開発環境もあるとありがたいです」

「ふむ……さすがにそれらすべての条件を満たすPCとなると難しいな……」

「そうですか……あくまで概略設計でいいんです。電装系もあくまでモジュール設計で、基盤レベルでの設計は必要ないのですが」

「ふむ……」


 ベレンは少し考え、


「一応、心当たりが無くはない。元々設計用に購入したものではないが、セットアップすれば使えなくはないだろう。私は設計関連の勉強は大学でしかしていないが、3Dモジュール図面の検証は何度かやったことがある。その時の端末がまだあるはずだ」

「すみません、お手間をかけさせて」

「いや……いいさ。しかし、何に使うんだい?」

「月に行く方法を、模索してみます。もっとも、上手くいくかどうかはわかりませんが」

「ほう……」


 ベレンは彼女の言う『月に行く方法』と設計の話が結び付かなかった。


「それはどういうことかな……?」

「今は、不確かなことは言いたくありません。全てが空振りになる可能性もあります」

「そうか……」


 ベレンは妙な依頼だと思いながらも、彼女の意向に従うことにした。


「わかった、設計用PCは私の方で準備しよう。セットアップができたらまた知らせるから、少し待っててくれ。……いや、その前に使えそうなソフトウェアをリストアップしよう。まずはそれを確認してくれ。さすがに私個人で企業レベルの有償ソフトウェアは持っていないからね」

「はい、お願いします」


 キラナが頭を下げるのを見ながら、ベレンは今後の算段立て始めた。

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