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三日後の昼。
キラナを自室に招いたベレンは、彼女に一台のノートPCを差し出した。
「君に依頼された計用PCだ。昨日確認してもらったリストの通り、ソフトウェアが入っている。ただし、3D設計モジュールは立体投影は可能だが投影図の直接操作はできない。そこは古典的な操作でやってもらうしかないが、大丈夫かな?」
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
キラナはPCを受け取り頭を下げる。
「それからベレンさん……申し訳ないのですが、しばらく設計に集中したいと思います。なので、これから部屋に籠りきりになって家の方は何もお手伝いできなくなりそうなのですが……」
「ああ、それは構わない。元々無理に手伝ってもらうものでもないからね」
キラナは聡明な子供で、居候という立場をわきまえてか、ベレンの家事の手伝いをすることがあった。
しかし、ベレンは元々一人で暮らしていたのだ。
彼女の行為は好意として受け取っていただけで、無くてもかまわないものだ。
「ちなみに、どこくらいかかりそうかな?」
ベレンの問いに、キラナは少し考え、
「早くて三日、遅ければ一週間はかかるかと」
「ほう。それはとんでもない早さだ」
「あくまで概略設計なので」
「そうか……」
概略設計と言いつつ、キラナがリスト作成時、最終的に要求したソフトウェアはベレンが知っている限りどれも本格的な設計作業に用いるものだった。
ただ実際彼女の言う「概略設計」がどの程度の水準を見越しているか、それはそ成果物を見てみなければわからないだろう。
「では私は、作業にかかるので」
「ああ、頑張ってな」
PCを抱えて部屋を出るキラナの背中を見ながら、ベレンは思う。
彼女は――自分たちはどこに向かって、何を目指してるのだろうか。彼女には何が見えているのだろうか――




