第0067撃「メタ氏、願書を貰いにゆく」の巻
平成4年1992年、1月、中学3年の3学期。
一月も、すでに下旬でした。
その日、小生たち三年生は、
それぞれ受験をする高校へ、
願書をもらいに行くことになっていました。
昼食を終えて、まもなくのことです。
各学校別に、運動場へ並ばされました。
左のほうには、
偏差値の高い進学校行きの列があり、
右へ行くにつれて、
だんだんと偏差値が下がっていきます。
小生はというと、
見事に右端のほうでした。
それがどうにも目立って、
少し、いや、かなり恥ずかしかったです。
ただ、三年間付き合いのあった甲村(仮名)と、
同じM学院を受験するという事実があり、
また三年間、一緒に通学する仲になるのかと思うと、
心の奥で、
小さく跳ねるものがありました。
そして、M学院へ向かうグループには、
砂川(仮名)という男子生徒もおり、
結局、三人でした。
片道一時間、
電車に揺られ続けて、
ようやく辿り着いたのは、
大阪府の北のほう、
山に近い場所にある校舎でした。
小生たちは事務所で願書を受け取ると、
それだけで、
ひと仕事を終えたかのように、
ほっとしてしまいました。
駅の外にある売店で、
紙パックのコーヒー牛乳を買い、
電車が来るのを、
だらだらと待ちます。
どうやら、
次の電車までは、
かなり時間があるようでした。
山近くの、のどかな町です。
大きく息を吸うと、
肺いっぱいに、
清浄な空気が染み渡ります。
「あとは入試だけやな!
三人で合格して、
一緒に通おうや!」
「おう! ほんまやな!」
「おう! 楽しみやな!」
甲村も砂川も、
激しく同意した様子で、
顔をほころばせていました。
小生はこれまで、
学校の勉強には、
ほとんど手をつけてきませんでした。
そのため、
帰宅すると慌てて、
久しぶりに机へ向かい、
座ったのです。
テレビをつけたまま、
教科書を開いていたのですが、
カメリアダイアモンドのCMで、
中西圭三の「Woman」のサビが流れると、
なぜか、
妙にテンションが上がり、
それにつられるように、
今更のように学習意欲までふつふつと湧いてくるのでした。
中西圭三の「Woman」(1992年)
YouTubeで視聴する https://youtu.be/NsniEdEz5aQ?si=MtWUFYnRe3bZgQOI
続く。果てしなく続く……。
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