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偽り聖女と悪役令嬢  作者: ユキア
公爵との関係

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28/29

攫われた聖女

翌朝の事である。朝起きたグラスはいつものように訪れた人々に奇跡を起こす。


「はい、これで大丈夫ですよ。」


その日は早く終わった。終わったグラスが部屋へと戻ると、そこには公爵がいた。


「うむ!今日は早かったな。」


「あ、はい。何かご用でしょうか?」


「決まっているだろう!遊びに行くぞ!」


「え?!」


こうして、護衛の包帯男と3人で街に出ることになった。リヒトは仕事で忙しいから来れなかった。


「案内頼むぞ!」


「はい。」


街を案内する。と、言ってもグラスもあまり詳しく知っているわけではない。なにしろ自分が生まれる前の世界なのだから。


「あまり詳しくなくてすみません。」


「いや、いい。お前と共に遊べる事が何より嬉しい。」


「……そうですか。」


「うむ!」


しばらく街を見て回ってとある道に出た時だった。


「きゃー!泥棒!!」


ひったくり犯が走ってくる。


「ルーク!」


「はい!」


ルークがそれを難なく捕らえる。


「ありがとうございます。」


「いえ。」


「よくやった。」


「はっ」


「!貴方は、聖女様?!」


それは過去に奇跡を受けにきた患者だったらしい。


「あ、いえ、その。」


「聖女様のお連れの方でしたか!ありがとうございます!」


「あ、はは……」


グラスはなんとか取り繕って騒ぎにならないように務める。だが、そうもいかず、


「聖女様!?」

「聖女様だ!!」


「アルト様!行きましょう!」


「そうだな!」


3人は走って逃げる。路地裏へと逃げ込んだ。


「それにしても慕われているのだな。」


「あ、いえ、そんなことは……」


「謙遜するな。」


「あ、はい。て、きゃ?!」


「グラス?」


アルトとルークが気がつくとグラスの姿は消えていた。


「グラス?」


辺りを探すが見当たらない。


「しまった!ルーク!探せ!」


「しかし、主を置いていくなど……」


「緊急事態だ!」


しばらく2人はグラスを探したがみつからなかった。屋敷に戻る。


「……私のせいだ。」


「主、いえ、俺のせいです。」


「公爵様、帰られましたか!」


そこにリヒトがやって来た。


「すまない、リヒト。お前の主を……」

公爵が謝ろうとするとリヒトが

「ええ。知ってます。郵便受けにこんな物が……」


「手紙?」

リヒトがそれを読み上げる。

「︎︎゛聖女グラスは預かった。返して欲しくば北の森で待って、マリー。︎︎゛」


「!またあの女か!」


「はい。」


「北の森へと急ぐぞ!」










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