それぞれの想い
「リヒトさん?」
「自分を、犠牲にしようとするな!」
「そ、それは……でも、リヒトさんの役目って私を殺さないと果たせませんよね?」
「?!」
「なら、私が死んだ方が好都合でしょ?」
「何を言って……」
「貴方の主が欲しいのは私の死体。そうでしょ?」
「……。」
「なら、私を殺してください。」
「何を馬鹿な!」
「えへへ、馬鹿なのはいつものことですから!」
「……殺せない。」
「へ?」
「私は、お前を……」
「?」
その時、公爵の部屋の扉が開いた。2人は離れる。
「何を話しているんだ。」
「あ、いえ。」
「……」
「はぁ……リヒト、いいか?」
「?」
「この娘は私の(元)ものだ!お前にはやらんからな!!」
「「「?!」」」
グラスもリヒトも包帯男も3人ともその言葉に驚いた。
「え、いや、その……」
リヒトはシドロモドロになる。
「分かったら!殺すなどということは絶対にするなよ!」
「!」
「わかったか!」
「はい!」
「グラス、少し外を散策したい。案内してくれるか?」
「?はい。」
☆☆☆
「それで、何かお話がおありですか?」
「ああ。」
庭を歩く2人。は立ち止まった。
「グラス!正式に、私と!」
「?」
「私と結婚しろ!」
グラスはアルトに引き寄せられる。
「え?」
グラスはその言葉の意味が理解できなかった。
「ええ?!どうしてですか?!」
「答えは簡単だ。お前を、手にいれたい。」
「!」
「お前は今や誰もが手に入れたい存在だ。故に困る事もあるだ。だからお前を預かりたい。」
「公爵……私などでは釣り合いません。」
「そうでもない。」
「それに公爵には確か許嫁がいらっしゃったのでは?」
「……ああ、いるにはいるが……。」
「ならば、私の事など……。」
「返事はゆっくりでいいからな。」
「公爵……」
そうして散歩は終わった。返事など決まっている。だが、それを口にするということは公爵への不敬に他ならない。
「はあ……どうすれば……」
困っていると上から何か落ちてきた。
「きゃ?!」
それは人だった。包帯男はくるりと回転して着地する。
「包帯男さん。どうされましたか?」
「いや、顔を……」
「治す気に成りました?」
「いや、見せる気になった。」
「へ?」
包帯男はゆっくりと、包帯を、外す。そこには……。




