マリーの再来
誰もが聖女を求める。そんな中、一人の女はそれを許さなかった。
「グラス!許さない!!」
だんっ!机に拳を殴りつける。
「この私こそが真の聖女だと言うのに!!」
「メアリー様。過去が変わってきております。マリーが聖女だと言う過去になって……」
「分かっているわ!アル!」
メアリーは怒っている。
「ですが、これはメアリー様の過去が良いものになったと言うことでは?何故お怒りに?」
「あのね!私の身体に堕としてあげたのにまだ脚光を浴びるなんて許せないのよ!」
「……なるほど。」
「いくら過去の私だと言っても許さない!!」
「それで、どうなさるおつもりですか?」
「……そうね。」
☆☆☆☆
「マリー様!おやめください!」
「いいのです。これぐらいは……」
「私達がリヒト様に叱られます!」
グラスがメイド達の洗濯を手伝っているとリヒトが現れる。
「何をしているんだ?」
「ああ、リヒトさん!」
「お前がする事じゃないだろ?」
「たまには手伝うのもいいかと……私元々が町娘ですから……」
「そうなのか。……だからと言って。」
そこにメイドがかけてくる。
「マリー様!リヒト様!公爵様が!!」
「「?!」」
☆☆☆☆☆
「いや、久しいな。」
「公爵様、この度は……」
「アルトだ。名前出呼べと言っただろ?」
「アルト様。一体なんのごようでしょうか?」
「いや、地方の視察に行くように国王陛下から言われてな。」
「!?」
「ああ、問題ない。これは私の意思なのだ。」
「と、言いますと?」
「国王陛下にしばらく休むように言われた。なので、ついでに地方視察してきますと言って出てきたのだ。」
「そうなんですね。良かったです。てっきり……」
「左遷かと思ったか?」
「はい。」
「公爵だからな。左遷されることはまずないだろうが……」
「それでしばらくこちらを利用したいと言うことですか?」
「ああ、その通りだ。」
「喜んで部屋をご準備いたします。」
「ありがとう。」
こうして公爵はしばらくマリーの屋敷に泊まる事になった。公爵をゲストルームへと案内する。そして、そのまま去ろうとすると、廊下に見覚えのある男がいた。
「あ!」
「……」
それは公爵の部下である包帯男だった。
「お久しぶりです。」
「……ああ。」
「今なら顔を治せますよ?」
「不必要だ。」
「そうですか……」
「……」
「……」
「!」
お互いに無言になる。すると突然包帯男がグラスを突き飛ばした。
「?!」
グラスは壁に打ち付けられる。
「いたた……!?」
「無事なようだな。」
目の前の床にはナイフが刺さっていた。
「こ、これは……」
ナイフには手紙が括り付けられている。
「︎︎゛公爵を預かった。今日、夕刻にて屋敷の北の森にて待つ︎︎。︎︎゛」
「公爵?!」
グラスと包帯男は慌てて部屋へと戻る。しかし、
「公爵?!」
「!」
そこはもぬけの殻かだった。争った後はなく、そこには睡眠薬の入ったグラスがあった。
「ど、どうすれば?!」
「北の森に行くしかない!」
「はい!」
パニックになったグラスら夕刻を待たずして北の森に行こうとする。
「まて!落ち着かないか!」
「でも!」
「いいから落ち着け。心当たりはあるか?」
「私にはわかりません。包帯男さんは?」
「……そんなの公爵には数えきれないほどあるさ。」
「そんな!」
なんとか夕刻まで待って北の森へと急ぐ。そこには……
「早かったわね!グラス!」
「め、メアリー?!」
「知り合いか?」
包帯男はそう問うとグラスは静かに頷いた。そして、包帯男は武器を構える。
「おっと動かないで?この子がどうなってもいいの?」
「「公爵!」」
そこには捕まった公爵の姿があった。メアリーは公爵にナイフを突きつける。
「さあ、取引を始めましょう?」




