第八話 雨の日の遊び
ポツポツと雨が振る日の記憶の図書館。来客は少なく、ほぼ休日のような雰囲気があたり一面に漂っていた。雨音に耳を澄ませながら、とある二人が食堂で向き合っている。
キュラとアイカ。二人は机に目線が進んでいた。そこに広げてあるのは、リバース。この世界にも存在するのだ。
「ふふ、どう?アイカちゃん。僕へたくそだけど、今頑張ってるよね。」
今は意外にもキュラが優勢。だが、彼は気づいていない。真ん中を埋めすぎると後で後悔することを。アイカは目を細めて、牙をむくタイミングを探っている。そして、その瞬間が訪れた。
「ええ、ですが終わりです。少し攻めすぎましたね。」
端にあらかじめ設置していた黒い石が、みるみる一方向、いや三方向に広がっていく。キュラは置く場所がなく、何度もパスを余儀なくされた。
「うそ。全然、おけない。」
「ふふ、まだまだですよ。」
そして、結果はあっさりとアイカの勝利に終わった。キュラは悔しがることはなく、むしろなんで負けたんだと目をキラキラさせながら、見つめている。
「なるほど、ここをこうして。ああして。ふむふむ。」
アイカは彼の独り言を聞きながら、ふうとため息をつく。
「本当にわかっていますか?」
「うん!もちろん!」
キュラはそういいながら、手を動かした。先ほどの動きを思い出すように。アイカはそれをほほえましく見ながら、再度窓の外を眺めた。
まだ、雨が降っている。今日も静かに記憶の図書館は営業していた。




