クエスト4
『世界で初めてグレイウルフリーダーを倒しました。ワールドアナウンスが流れます。名前を公開しますか?』
え、うん?いや、拒否で。
【ワールドアナウンス︰初めて《西の森の主》グレイウルフリーダーが《匿名》に倒されました】
【西の森の奥が開放されます】
『グレイウルフリーダーを初めて倒したことで特典があります』
『グレイウルフリーダーをソロで初めて倒したことで特典があります』
コメント︰配信してるのに…
コメント︰まあ、配信見てる奴らばかりじゃないからな
コメント︰それにしても武覇解禁だっけ?強いなー
コメント︰強化具合やばかったな
…一旦、ワールドアナウンスは置いておこうか。
インベントリにグレイウルフリーダーの角はあるかな?
…あった。
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グレイウルフリーダーの角
品質︰C レアリティ︰希少
《西の森の主》グレイウルフリーダーの角。
《西の森の主》グレイウルフリーダーはグレイウルフリーダーの中でも特殊であり、角を持っている。
この角は、怪我の治療に使われ、致命傷でも適切に処理すれば治すことの出来る貴重な素材である。
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詳細も致命傷が治せると書いてある。
これでいいはずだ。
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クエスト︰少女の父親を救え
グレイウルフリーダーの角1/1
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すぐにでも帰らなくては…。
…武覇解禁が終わった影響で体がだるい。
けれど急がなくては。
「“瞬天”」
俺は走り出したあと、すぐにグレイウルフが出た。
すぐに倒して行かなければ。
「“剛断”」
すぐに倒すと走り出した。
***
「はあ…やっと西の森を抜けた…グレイウルフ多い…」
コメント︰改めてグレイウルフ多いな…
コメント︰これでも避けているんでしょ?
コメント︰レベル上げには良さそう
コメント︰ボス倒したあとにこれかぁ
西の森を抜け、街道についた。
そのまま、街へと向かう。
「帰ったか」
「はい」
「大丈夫だったか?」
「はい」
門番が話しかけてきた。
特に話すことが無いのですぐ過ぎる。
街に入ったら、すぐ前いた路地裏に入る。
すると、寂れた噴水の場所についた。
「メニア!持ってきたぞ!」
「…本当!本当に角?」
「ああ」
「角だ!じゃあ、ついてきて!案内する!」
そこでは、メニアが待っていた。
声をかけると案内すると言われついていくことにした。
俺が入ってきた路地裏とは別の路地裏を通り抜け、ついたのは雑貨屋だった。
「ここに、お婆ちゃんがいるの!お婆ちゃんは凄腕の薬屋さんなんだよ!お婆ちゃんに角を渡して!」
「ああ。分かった」
そう言うとメニアは雑貨屋に入っていき、俺も続いて入ることにした。
「いらっしゃい。誰だい?こんな辺鄙な雑貨屋に来たのは?」
「お婆ちゃん!メニアだよ!西の森の主の角をこの人が持ってきてくれたの!」
「…ああ、メニアちゃんかい?西の森の主の角があるって本当かい!?この人が!?」
そう言うお婆さんは明らかに怪しんでいる目で俺を見てきた。
「ああ。これのことだろう?」
俺はそう言うと西の森の主の角を見せた。
「ああ!それさね!それさえあればすぐにでも直せる薬を作れるよ!」
「じゃあ、頼む」
「お婆ちゃん!お願い!」
「任せておいて!材料さえあればこの婆に作れないものはないよ!」
お婆さんはそう言うとすぐさま店の奥に入っていき作業をし始めた。
「どのくらいで作れるかわかるかい?」
「お婆ちゃんの調薬は高品質で速く出来るって言ってたよ!」
「なるほど、調薬で頼りになるお婆さんなんだね」
「うん!いつもみんなに傷薬とかを作っているんだよ!」
出来るという安心感もあってか、急がずに軽い雑談が出来た。
話を聞く限り、色々お世話になってもいいかもしれないと思った。
「…出来たよ!早速、行こうかね!」
「お婆さんも行くのか?」
「この薬を適切に使うにはあの子達には難しいからねぇ。私は婆だけどね。メニアちゃんのお父さんの所までは行けるよ」
「どこに居るんだ?メニアのお父さんは」
「ここから近い診療所だよ」
「なるほどな」
コメント︰俺達また忘れられてる?
コメント︰まあ、クエストの途中だし
コメント︰ストーリー読んでるときのコメント読まんだろ
コメント︰仕方ない
俺たちはそのまま歩き、診療所に行った。
診療所にメニアとお婆さんが入っていったので俺もついていくことにした。
“剛嵐撃”
ゲーム『剣聖100連勝負』において最初のボスが使う“剛断”の派生技。
体を回転させその勢いで斬る技。
敵に近づきながら連続で攻撃でき、周囲も巻き込めるが隙が大きい。
“剛断”の派生技のため防御破壊がしやすい。
“残影”を使用して避けようとすると避けた地点に攻撃が来て倒される。
回避も防御も有効ではないが“剛断”で中断させることができる。




