人攫い解決
少し待っていると扉を壊す勢いでギルレイラが入ってくる。目が合うと俺の方に近寄ってきて、まるで壊れ物を扱うかのように優しくゆっくりと俺につけられてた首輪をなぞる。
「ごめん、少し油断した。けど事件は解決した。ギル、貴方がそんな顔しなくてもいいの。私が悪いの」
「これは王国の、、あのクソ野郎の首輪だぞ!?それに光魔法封印の厄介な魔法もかけられてよぉ!!!俺がついてれば!!俺がいればこんなことにならなかった!!!」
ああ、この首輪の意味を彼は知ってる。そして光魔法が封印されたあとの俺の処遇も全て悟ったのだ。
珍しくその顔には焦りと怒りと悲しみで染まっていた。自分が不甲斐ないばかりに、自分のせいで、ギルレイラはひたすら自分を責めている。
いやぶっちゃけまじでギルレイラ悪くないんだよな、、油断しまくった俺が悪いからどうしたらいいんだろ、、
「お願いだから自分を責めないで。ねぇギル、1つ頼まれてくれない?」
俺の言葉に顔を上げるギルレイラ。眉がへにょってなってて少し可愛い。あの暴君の欠片も何も無い。
そんなギルレイラの姿にふふって笑いそうにながら自分の手を彼の頬に添える。ツルツルモチモチ白玉団子みたいな綺麗な肌。
「私は今からオウカの元に向かいます。きっとこれを付けられた私が教会に戻れば二度と出して貰えない。だからお願いです、私のこれを密かに弟子であるルカに渡してほしいの」
身を守るために付けていた自分のブレスレットをギルレイラへと渡す。このブレスレットは聖女の盾の力を込めていて、どんな魔法も能力も物理的攻撃も全て無に帰し、自分を安全なところへ瞬時に飛ばしてくれる。
俺がいなくなると知れば確実にルゼとガイアはルカを殺しに行くだろう。でもギルレイラは大丈夫。この子だけはすごく口が悪いけどルカに対して嫌悪も同情もしない。
前に1度会わせた事あるけど陰キャ野郎とか言うだけでそれ以上は何もしてなかった。むしろ彼を自分と同等の人間として扱ってくれていた。
あのルカでさえギルレイラの事を信用してるようにみえた。多分境遇が似てるんだろうな。みんなから畏怖されるルカに、みんなから嫌われどこに行っても厄介払いされてたギルレイラ。
「そんなの自分で渡せばいいだろ!!!クソッタレな奴らは全員俺が殺してやる!テメェの自由を奪うやつは全員!!!だから、、だから行かないでくれ、、」
「うん、でもごめんね。貴方の手を汚したくない。私は大丈夫、殺されはしない。少し帰るのは遅くなるけど絶対に帰ってくるから。だからこのブレスレットをルカに渡して」
俺はブレスレットを渡すと同時にギルレイラの手を握り自分の中にある光魔法の全てをブレスレットに込めた。
いざという時その光魔法はルカを助けてくれる。
そのブレスレットから俺の光魔法を感じればきっと殺されない。そもそも元からブレスレットには付けているものへの完全防御の魔法はかけてある。
ギルレイラに最後は笑えてるかわからないけど俺はとびっきりの笑顔を見せて窓から飛び降りる。何か叫んでる。でも俺にはもう聞こえない。
あーあ!!!俺の幸せ人生はどこのあるのかな!!!!




