3話
「あ、それでさ…行方不明の子の事分かった?名前とか学年とか生活態度とかさ」
「名前と学年はすぐに分かっても…このどでかい学園だからね。生活態度はちょっとまだ把握しきれてないけど悪くはなかったと思う。あたしが見る限りはね」
「あーまぁ生徒からと教師からじゃ見た感じの印象違うのは当たり前だもんね」
菜々はスーツのポケットからメモ書きをした紙をむつに渡した。
「3人も居るの?」
「そうなの…4人目が出そうな雰囲気」
「って言うと…授業に出てきてない子が居るって事か。部屋を見に行ったりした?」
「したけど…妹たちが食事を持っていったりして部屋に出入りしてるらしいから、まだ大丈夫かと」
「それならただの体調不良だろうね」
むつが楽観的に言うと、菜々は少し表情を曇らせて首を横に振った。チョコレート菓子をつまんだ手が、そのまま止まっている。
「他の3人もそうだったの。体調不良かな?で、妹たちも出入りしてて…けど、急に姿が見えなくなったの」
「そう…なら、気を付けないとね。あたしは、どーすっかなぁ?こんなんじゃ妙な動きも出来ないし、あんたは仕事だしね」
「ま、何とかそれとなーくやってみてよ。何なら妹を作って、総動員させるのも有りなんじゃない?」
「…有りか?何の君って呼ばれるのかしら」
むつが下唇を指で撫でながら、真剣な表情で考えているのを見て、菜々はぷーっと吹き出した。




