3話
女子校の生活をした事もないし、菜々から聞いた事もなかったむつは首を傾げる事ばかりだった。スナック菓子を噛みながら、むつはストンっとスカートを脱いでハンガーにかけた。
「名前って言うのは…あだ名みたい物よ。ほら、何とかの君とか何とか様とかって呼ばれてる子クラスに居るでしょ?」
タイツも脱いで椅子にかけ、シャツを脱いで部屋着にしているサイズの大きいTシャツをすぽっとかぶったむつは、首を傾げた。
「あんた、ちょっとは周りの人の事を気にかけなさいよね。居るから、そう呼ばれてるのが」
「ふーん?で、そう呼ばれるのが何なの?」
「そう呼ばれて、妹が沢山居るっていうのが凄い事なのよ。名誉な事なの」
「んー?あ、社長と部下的な?じゃあ、菜々も誰かの妹になったり、お姉様とやらになってたの?」
むつが聞くと菜々はチョコレート菓子を開けて、口にいれるともごもごと噛んでいる。
「中等部の時はね。けど、中等部の3年からはお姉様になってたよ。まぁそれが伝統的だからね」
「大変そうだ…やっぱり、こういう女子校でマンモス校は外から、すげぇーって思いながら見てる方が良いね」
むつは、床にあぐらをかいて座るとふぅっと疲れたように溜め息をついた。




