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3話
「で?あんたは人の部屋で何してるわけ?」
むつは寝転んだまま、菜々を見た。菜々は、にやっと笑うと床に置いていたバッグをベッドに置き中身を取り出した。
「差し入れよ。不馴れな生活でストレスも溜まるかと思ってね」
菜々がベッド並べたのは、スナック菓子やチョコレートなんかだった。学園内に購買などはなく、食事も決まった時間にしかない。一応、土日などには食堂でティータイムなんかがあるが、出てくるのはカップケーキやクッキーなど完全に学園内で作られた決まった物だけだった。実家などからの、食品の差し入れなどは禁じられている。勿論の事だがポットはあってもカップ麺も口には出来ない。
「飲み物だけは困らないよね…紅茶に限られてるけどさ」
「そうね」
菜々は電気ポットに水を足して、スイッチを入れると棚からカップとティーパックを出した。
「コーヒー欲しい。もしくは茶」
むてはそうぼやいた。




