2話
「ねぇ、2種類あるの?」
ワンピースの横のチャックを上げて、赤いリボンを結んだむつはシャツとスカートが別に残っている事に気付いた。
「そうだよ。どっち着た?開けて良い?」
むつが襖を開けて出ると、菜々がぱっと嬉しそうな顔をした。
「似合うね。サイズはどう?大丈夫?」
「大丈夫…けど、見る分には可愛いと思ってたけど着ると恥ずかしいね。結構、ふりふりしてる」
スカートの裾をつまむと中のふりるが見えた。袖にもレースの飾りがついていたりと、むつが普段どういう状況でも着る事のないような、可愛らしい物だった。
「ワンピースが正式なやつね。で、そっちのがオプションの制服で、セパレートタイプのやつなの」
オプションの制服と言われた方をむつは広げた。シャツの襟と袖にはレースがあしらわれている。スカートはワンピースより少し短く黒だったが、はやりふりるが中についているし、裾にはレースがついていた。
「ふりふりとレースは…欠かせないの?」
「そんなもんかな」
菜々はオプションの方も着てみるように言うと、襖を閉めてしまった。着せ替え人形のようなむつは、しぶしぶワンピースを脱いでシャツに袖を通した。




