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よろず屋-百合の衆-  作者: 幹藤 あさ
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3話

西原はシスターが死んでいた場所まで行くと、膝をついた。そして、顔を床につけるようにして低い位置から教会の中を見ている。この場所は何度も見たが、見落としているような物は何もない。鑑識の人たちが、徹底して調べているのだから、尚更だった。


立ち上がった西原は、膝をぱたぱたと払うと祭壇の方に向かって行った。宗教的な事に関して、ほとんど知識のない西原ではあったが、見た目のきれいさには思わず見とれる程だった。ステンドグラスから差し込む光にあてられていると、教会の中は思っている以上に重苦しい雰囲気はない。


ずっと立っているのが辛くなったのか、西原はベンチに座ってぼんやりとシスターが死んだ事を考えていた。死因は分かっても、そうなった経緯に関しては全くと言っていいほどに手掛かりがない。役立たずと言われるのも、仕方のない事だったが、このままでは悔しい。それに、学園関係者は皆、揃って口が固かった。シスターがどんな人なのかを聞いても良い人でした以外の答えはない。牧師に関してもそうだった。あまり、関わりがないのか、良い人、よく分からない以外の言葉は聞こえてこなかった。


ぼんやりとしながら教会の中で考え事をしていると、遠くから鐘の音が聞こえてきた。もしかしたら、授業が終わったのかもしれない。嫌がられるだろうが、学生を捕まえて話を聞こうと、西原は立ち上がると二日酔いで痛む頭を押さえながら教会を後にした。

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