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よろず屋-百合の衆-  作者: 幹藤 あさ
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3話

垂直の線を強調する先のとがったアーチと高くのびる尖塔が、特徴的な教会だった。古い映画に出てきそうな雰囲気のある教会の回りには、薔薇が植えてあるのか刺のある蔦が柵に絡み付いている。西原は何度となくやってきているが、この教会の見た目と雰囲気には慣れない。


「ゴシック様式よね」


「……っ‼」


急に低い声が聞こえ、西原はびくっと肩を震わせた。おそるおそる振り向くと、すらっとした足とふりふりのスカートを身に付けた女子生徒が立っていた。女子校だから、女子生徒しか居ないのは分かっていたが、こうも急に声がすると驚く。それも、他に人が居ない場所だと余計にだった。


西原は顔を見ようと目を細めたが、逆光のせいか全然見えなかった。声をかけようかと悩んでいる間に、女子生徒はスカートをふわっとひるがえして、さっさと行ってしまった。髪は長かったような気もしたが、胸元のリボンの色までは分からなかった。


呆然としつつも、西原は気を取り直して教会の中に入って行った。まだにKeep outの黄色いテープと張られている。手袋をはめて、テープをくぐって中に入った。

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