ソウマ·ヤツギ3
前回の続き
「あぁ、愛しのソウマ様、何でもご命令ください!」
俺にべったりくっつき俺の首筋を舐めて来るアズールだが、クルートがアズールを俺から剥がす。
「何するんですかクルート様! ウチはただ、親睦を深めようとしただけですよ!」
あれは、親睦を深める行為じゃないとツッコミを入れたいが、今は、先のゴブリン戦で体力を削られてツッコミを入れる余裕がない。
「それで、ソウマこれからどうする?」
今は、ここから脱出するのが先決という思いとは裏腹にあのデブをどうやって陥れるかともう一つ重要な事がある。
それは、俺達は今武器を持っていない。
理由は、単純だ。
あのデブに奪われた。
大方の予測でしかないが、俺達が不慮の事故で死んだ事にすれば、俺達が貰うはずだった報酬つまり、自分の刑期の縮小と金の両方を手に入れる為に俺達をここに落とすと同時に武器を奪ったんだろうと思っていた。
「脱出しようにも、武器がないとなぁ! もし、魔物が現れたら……」
「ご安心くださいクルート様、この私、『|原初の人核機《オリジン·コンダクター》であるウチにおまかせください!」
なら、任せよう……ん? 『人核機』って言ったのか。
『人核機』って言うのは、今回のゴブリン戦では必要なかったから出さなかったが、簡単に説明するなら、人工知能搭載の人が搭乗可能で自立稼働する事ができる人型機械兵の事だが。
だが、アズールは確かに人型だが……もしかして、後ろの竜のようなものが『人核機』かと思ったが、それだとおかしい点がある。
現在『人核機』の主流……というよりは、『人核機』のほぼ100%が人型で、生物型も一部いるが、そもそも作るのに莫大なコストが掛かる為に人型が主流になってしまった。
しかし、アズールは、違う。
正確には、アズールの後ろにある青い竜のようなものは、明らかに生物型だが本来生物型は、単純な動きしか出来ず一度使えば何処かしらに不具合が起きるはずだがそれを感じさせない程滑らかに動いている。
俺は、『原初』の存在は知ってはいるが、おとぎ話の中の物だと思っていた。
まさか、実在しているとは、思っても見なかった。
「それでは、乗ってください!」
アズールの一言に反応するように青い竜のようなものの手が俺達の前に出してきたので俺とクルートそして、アズールが乗ると青い竜のようなものが俺達を広く人が立てる位には安定した背中に俺達を乗せた。
「それではいきますよ!」
アズールがそう言った直後、青い竜のようなものが宙に浮き少しずつゆっくりと進み始めた。
青い竜のようなものが徐々にスピードを上げて行くのと同時に俺達が吹き飛ばないようにするためか両手で俺達を覆って空気抵抗を軽減してくれた。
「それでは、改めて自己紹介を、ウチは、『原初の人核機』が一体『蒼の追跡者の『小機』のアズールと申します」
『原初』の段階でかなり驚いているけど、『小機』ときたかと若干驚き通り越してあきれて呆れてきたが。
そもそも、『機械人形』というのは、存在していたけど、確か、おとぎ話だと、『原初』と『小機』は、一心同体だったはず。
その頃、『移動式蜘蛛型監獄都市アラクネ』の一画では……
醜く太った男名をデルフィ·ブルフェッカが持ち手の部分が折れた大鎌と銃口が曲がって使いものにならなくなった二丁のハンドガンを持って泣いていた。
「……嘘だろ!」
だが、デルフィ以上にショックを受けていたのは、クルートを指導していたリーダー格の男、フェイレスは、泣き崩れるように膝を地面に着けて悲しんでいた。
すると、区画間を移動する事が出来る転送装置の当たりが騒がしくなった。
フェイレスが人混みをかき分けて中心の方に行くとそこにいたのは、ソウマとクルートと謎の少女だった。
「おい、デルフィ! これは、一体どういう事だ!!」
デルフィに怒り混じりに問い詰めるフェイレス。
「いや、その……」
ソウマ達が生きている事に戸惑い言いよどむデルフィ。
「何を騒いでいる! 早く散りなさい」
そこに現れたのは、真っ赤な軍服と看守服を足したデザインの服を着た少女の後ろに赤と黒の軍服とメイド服を合わせたデザインの服を着た小さいので八才位大きいので十代後半位の少女が四人を引き連れて歩いてきた。
タブレットを持った少女がソウマに近づき……
「貴様にも用があるが、まずは……」
ソウマの耳元で呟くと即座にデルフィの方を向くと、
「デルフィ貴様は、今日をもって……」
デルフィは、刑期を終えたのだろうと思ったのか仲間達と喜んでいたが、タブレットを持った少女は、呆れた様子でかけていた眼鏡を後ろにいた少女の一人に渡すと渡された少女が眼鏡を布で拭いた。
「貴様、勘違いしているみたいだが、今日をもって貴様と貴様の仲間は、囚人から繁殖用の奴隷に格下げされる!」
デルフィは怒り怒鳴って彼女の胸ぐらを掴む。
「あと、貴様が懇意にしていた『審問看』は、逮捕されて囚人堕ち確定だから、さっさと着いてこい!」
「……お前さえいなければ、俺達、俺は自由の身ならば、死ね!」
デルフィと仲間達はタブレットを持った少女に襲いかかった。
だが、眼鏡を拭いていた少女を除く三人だけでデルフィ以外の仲間を取り押さえられ眼鏡を拭いていた少女から眼鏡を受けとるとデルフィの頬目掛けて回し蹴りを御見舞いして吹っ飛んだデルフィは、気を失ってその場でピクピクと痙攣していた。
そして、デルフィ達が連れていかれる時にタブレットを持った少女がまた、耳元で囁いた。
「明日の早朝ここに出頭するようにいいな!」
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