異世界ボロ儲け露天販売 2
親父さんサイドです。
時系列としては『ゴールデンウィークは異世界で』より前になります。
何度『向こう側』と往復したのか数えるのも面倒になった頃。
扉を中心とした倉庫兼店舗兼住宅が完成し、ようやく腰を据えて商売が出来るようになった。
一階は店舗と倉庫。二階に俺の部屋と何故かスタインとトムの部屋も。
何でも「あんたらと一緒だと飽きないだろうし」との事。
トムはまぁ、あれだ。ハチミツを定期的に摂取できると思ってる節がある。
この二人には護衛だとか通貨事情だとか飲み屋だとか諸々と世話になっているから別に構いやしない。
むしろこっちから頼もうと思ってた程だったが、手間が省けて良かった。
店としての売り上げは相変わらずの売れ行きだ。
基本的には食器・カトラリーが中心だな。どの時代でもそんなに変化がない物だからだ。
あとは小物入れだとか細々した物。櫛や鏡といった女性が買いそうな物。
いつの時代も女性はパワーがあるから、適当な扱いをしてはいけない。
以前は袋がなくて困ったが、麻袋のトートバッグを加えたら店で一番の売れ筋になってしまった。
何でも『安いし軽いし量が入るから便利』だそうだ。
おかげで色んな所から買ってこないと足りなくて文句を言われるようになった。
店を閉めて夜の酒場にスタインと繰り出すと、うちの店の話をしている連中がいた。
「あの店は何であんな凄いモノ売ってるのに安いんだろうな?」
「奴隷にでも作らせてる?」
「まさか~。そんな事やったらもっと酷いモノになるんじゃないの?」
まぁ出処が分からなければそういった考えになるのかもな。
まさか異世界の百均の商品だなんて誰も思うはずもなく。
「なぁスタインよぉ。ちょいと頼みがあるんだが」
「何だい急に?」
「いやな、こっちの需要を把握してなかったなぁと思ってな。今んとこ食器類や麻袋が売れてるが、ほかにも必要な物は沢山あるはずなんだよな。それを街中で調べて貰えんか?もちろん報酬は出す」
最初の勢いなんぞ一年も持たない事は判り切っている。故にマーケティングが必要だ。
同じ物では飽きられるので、その都度新しい物を投入し顧客を出来るだけ満足させられる様に努力しなければならん。
もちろん基本路線は無くさずに、だ。
強みは『高品質・低価格』とまぁ、ある意味百均頼りな点もあるが。
品数は沢山あるから問題はあるまい。
さて次は何が売れるかねぇ・・・。




