↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
修ズ!スター!中学生編 〜未来からやってきた友達!?林修が巻き起こす青春群像劇〜    作者: まくお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/52

第十八話 橋本翼の悩み

 僕は橋本翼《はしもとつばさ》です。みんなからは翼《つばさ》と呼ばれています。15歳の中学三年生だ。僕には悩みがある。

 

 顔はカッコいい方です。勉強もそこそこできます。

 背も高いのでモテます。でも僕にはもう心に決めた人がいます。

 サッカーをやっている幼馴染《おさななじみ》の風間咲《かざまさき》ちゃんと真剣にお付き合いをしています。

 なので悩みは女性問題でも、勉強でも容姿でもありません。

 

 悩んでいる事は本気で打ち込んでいるサッカーの事です。

 僕は一応。j1の強豪クラブ「浦和蒲焼《うらわかばやき》FC」のジュニアユースに所属はしています。

 

 でもあくまで「ジュニアユース」です。本当に期待されている選手なら、一つ上のユースチームに所属できるのだが。

 ……僕はまだそのレベルではないようです。

 

 日本代表で長く活躍する選手は十五歳くらいにはだいたい飛《と》び級《きゅう》でユースにいる事が多い。

 

 僕は早く日本代表に選ばれて、長く活躍したいのだ。つまり日本代表のエースになりたい! 十番を着けたい!

 今日は林修《はやししゅう》くんという、未来からやってきた友達を自称する同級生と長く話せる日だ。

 

 林くんは明らかに他の同年代のサッカー少年とは、レベルが違う。それこそ今からユースに所属できるくらい上手い。一回いっしょにプレーをしただけでわかる。

 ——そろそろ時間だ。僕は公園で自主トレをしながら待っていたが、それもそろそろやめだ!


 ***

「こんにちは! 僕は林修《はやししゅう》未来からやってきた! スーパーサッカー選手で翼《つばさ》の友達だよ!」

 

 林くんは開口一番にこう言った! 正直僕はまだ友達とは思えていないが……そこはスルーしよう。

 

「こんにちは。林くん。今日は僕は未来でどんなキャリアを築くか聞きたかったんだ」

「そうなんだ。じゃあ少し長くなるけど話すよ!」

 林くんは少し間を置いて話し始める。

 

「翼《つばさ》は、j1の大宮白焼《おおみやしらやき》FCで十七歳でデビューするんだよ。そこで活躍して十番を着けるようになるんだよ。その後二十二歳前後でドイツの強豪《きょうごう》クラブに移籍《いせき》して何年か活躍した後《のち》に、やべっちのいるロンドンのクラブに移籍してそこで三十歳ちょっとまでプレーして、j1の大宮白焼FCに帰ってくるんだよ! かなり幸せなキャリアを築《きず》くんだよ!」

 

 確かにそれが今からできれば、十分すごいけど……でも気になる事が二つある。聞いてみよう。

 

「林くん。なんで僕は浦和蒲焼《うらわかばやき》FCじゃなくって、大宮白焼FCでデビューするの? あと日本代表にはいつ選ばれるの?」

 

「ああ……やっぱりそこ気になるよね! なぜかいうと! 当時の浦和蒲焼FCのユースが黄金時代《おうごんじだい》を迎《むか》えててさ、翼《つばさ》とかねやんとみやほんの三人は大宮白焼FCに入ったんだよ!」

 

 ああ、1991年前後の生まれの埼玉のサッカー選手は上手かった。

 というのは、2011年生まれの自分でも知っている。その選手たちが浦和蒲焼FCに入っていたなら、地元のライバルチームに入ることも選択肢《せんたくし》に入る。

 

 林《はやし》くんはもう一つの疑問にも答えてくれた。

「翼《つばさ》は代表《だいひょう》には二十歳くらいで初選出《はつせんしゅつ》されたかな……ただ、当時の中盤《ちゅうばん》の選手の層《そう》がエグかったからさ、代表のレギュラーになったのは、二十七歳くらいだったと思うよ」

 

 林くんは頭を左右に揺《ゆ》らして考えながらそう言った。

 日本代表のレギュラーになるのは、二十七歳くらいかぁ……遅い。遅すぎる。

 

「林くんは何歳《なんさい》から代表で活躍《かつやく》してたの?」

「僕はなんだかんだ十九歳くらいから使われてたよ! 二十二歳くらいの時にはレギュラーをとっていたよ!」

 

 僕の素朴《そぼく》な疑問《ぎもん》に林くんは即答《そくとう》する!

「林くんと僕の違いってなんなのかな?」

「僕と翼の違いはポジションとプレースタイルの違いだよ。僕は攻撃的《こうげきてき》なサイドアタッカーなんだけど、すぐにアシストしまくって結果出したからね! 翼は中盤《ちゅうばん》の底や真ん中で体を張る守備《しゅび》したりゲームメイクを求められていてさ。それを上手くこなせるようになるのが、二十七歳くらいだったんだよ!」

「な、なるほどね…………」

 

 僕はしばらく考え込む。確かに攻撃で結果を出せればすぐに代表のレギュラーになれるかも……

 僕はプレイスタイルを変えた方がいいのだろうか? 今の決断《けつだん》は将来のキャリアを変えるかもしれない。

 それが良い方に転ぶか悪い方に転ぶかはわからない。

 僕はどうしたらいいのだろう?


 その様子を見て、しばらく林《はやし》くんも黙《だま》ってくれていたが、あんまりにも僕が長い時間考えていたので、林くんが語りかけてくれる。


「翼。あんまり焦らなくてもいいと思うよ。正直な話、僕は十七歳でデビューしなくてもよかったと思うんだよ。翼のキャリアは怪我《けが》との戦いなんだよ。翼は接触《せっしょく》プレーが多かったし。僕はあんまり怪我しなかったんだけど、それは僕は接触プレーが少なくプレスタイルだったし。ファウル貰《もらう》うのも上手かったからさ。だからじっくり体を鍛《きた》えてからプロになった方が僕はいいと思うけどね……」

「そうなんだ……うーんどうだろうな……」

 

 僕は返答に困る。確かにその手もあるかも……でも早くプロになった方がいいのではないかな?

 林くんはさらに続ける。

 

「あと、翼のことで心配なのが、翼ってヨーロッパに行った時に、そのチームの王様《おうさま》に気に入ってもらうための一発芸《いっぱつげい》とかそんなの持ってないでしょ! そこも僕は心配なんだけど翼さぁ。これできる?」

「た、確かにそうかも……ちなみに未来の僕はどうやってチームに入って行ったの?」

 

「それは僕がファローしたんだよ! 記者に翼の移籍《いせき》について聞かれた時に僕がこう言ったんだよ!『あいつはバカだ! 翼は昔、芝のグラウンドで芝滑《しばすべ》りをして怪我をしたバカだ!』って言ったんだよ! それで芝滑りネタで翼はチームに馴染《なじ》めたんだよ! 感謝してよね!」

「ははは! そんな事もあったよ! 林くんは現代でも助けてくれる?」

 小学生の時にあったエピソードだ! それで監督に死ぬほど怒られたっけ。

 

 林くんは少し首を傾《かし》げて、こう返答する。

「うーん。多分僕はこの現代ではプロサッカー選手やらないと思うんだよ。でもYouTubeはやるからさ! 動画を出して君を助けるよ! 友達だからね!」

「よろしく頼むよ! でも林くんは趣味ではサッカーするんでしょ? サッカーについて僕に教えてよ!」


 林くんは太陽のような笑顔を浮かべてこう言った。

「もちろんだよ! 翼は僕よりもサッカーの才能があるからさ! 怪我しなかったらすごいサッカー選手になれるよ。それこそバロンドールとれるくらいに。もうやばい二人の選手はライバルじゃないだろうしさ!」

 

 林くんの世代はメッシ選手とロナウド選手がいたからバロンドールとるには厳《きび》しかったんだな……

 

 林くんはさらに最後にこう言い残し去って行った!

「これで僕たち友達だよね? 僕のことは修《しゅう》って名前で呼んでね! じゃあ僕は焼き鳥焼かないといけない時間だから今日は帰るよ!」

 

 そういえば、金本満《かねもとみつる》くんの相撲部屋に居候《いそうろう》していたんだっけか。

 居候も大変なんだな。

 林くん……いや修《しゅう》が指導《しどう》してくれたらもしかしたら僕も……

 僕はもうちょっと自主トレしてから帰ろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。