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d+d【先行公開版】  作者: Hilde
【先行公開版】第三章 戦闘 - Battles -

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人道財団 - Humanitarian Foundation - 3

◯カナン地区・人道財団配給所付近・更地


カリドたち、体勢を低くして配給所に向かって駆け出す。


パンッ


パン


パン


カリドとユスフ、低く屈みながら走り、

サーミルの仲間たちがいる建物の陰に滑り込む。


カリドたちの後に走ってきた男が悲鳴を上げて倒れ、足を押さえてのたうち回る。


サーミルの仲間「伏せてろ! 頭を上げると撃たれるぞ!」


カリドとユスフ、慌てて地面に体を伏せる。


サーミル「奴ら(シオン兵)が弾込めしてる間に、次の地点に行くぞ。準備はいいか?」


サーミルの仲間たちが丘に向かって駆け出し、サーミル、カリド、ユスフも全速力で後に続く。


パンッ


パン


チュィン


耳の横を銃弾が掠める。


バンッ


足元で銃弾が砂を跳ね上げ、砂埃が舞う。


カリドとユスフ、丘の陰に転がり込むように身を伏せる。


サーミル、少し顔を上げる。

「ここで、開店時間を待つ。

店が(配給所)開いたら、ここに集まった奴らと奪い合いさ。

だから、ゲートが開いたら、お前たちとは別行動だ」


カリド、少し顔を上げる。

「わかった。何とかやってみるさ」


しばらくすると、シオン兵たちの銃撃が激しくなる。

悲鳴が、あちこちから聞こえる。

カリドとユスフ、地面にうつ伏せになったまま耐える。


サーミル、うつ伏せのまま、

「…そろそろだぞ。

激しい銃撃が、開店と閉店の合図だ。

奴ら(シオン兵)は、銃撃で俺たちに〝指示〟を出してるのさ」


──やがて、銃撃が止む。

ギイギイと木のゲートが上がる音が聞こえる。


「今だ!」

サーミルと仲間たちが一斉に立ち上がり、配給所に向かって駆け出す。


カリドとユスフも、後を追って走り出す。


倒れている負傷者や遺体を飛び越え、サーミルたちに続いて配給所を目指す。


サーミル、軽く手を振って速度を上げる。

「うまくやれよ!」



◯カナン地区・人道財団配給所


土を高く盛った急勾配の土手に囲まれた人道財団の配給所。


その一角にある監視塔の横のゲートに、食料を求めて集まった群衆がなだれ込む。


ゲートを抜けると、広い敷地の真ん中に、食料や物資が積まれた荷馬車が5台、並んでいる。

それぞれの荷馬車に、飢えた群衆が殺到する。


カリドとユスフも人波に飛び込み、周囲の人々を掻き分けて、懸命に前へ進む。

もみくちゃになりながら荷台へたどり着き、食料の入った袋を掴む。


パンッ


パンッ


銃声が響く。


外から侵入しようと土手をよじ登ってきた男が、のけぞって土手の外へ落ちていく。


監視塔のシオン兵たちが歓声を上げる。

「やったぞ! 命中!」


驚いて逃げ惑う群衆に、シオン兵が銃口を向ける。


パンッ


カリドの近くにいた男が、首を撃たれる。

カリドの顔や服、袋に、血しぶきがかかる。


シオン兵たちの笑い声。


「時間だ! さっさと失せろ! ゾンビ共!」


監視塔から一斉に銃撃が始まる。


出口へ逃げ出す群衆を、銃弾が追いかける。


人波に揉まれながら、必死に出口へ向かうカリドとユスフ。


斜め前方で、物資の袋を持った青年が別の男に殴られ、袋を奪われる。

よろけた青年、押し寄せる群衆に突き飛ばされ、人波に消えていく。


カリドとユスフ、自分の袋を胸にしっかり抱えて、走り続ける。

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