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ダンジョン2階

「カイル、怖いっ!」

 思わず、カイルの腕にしがみついてしまう私。


「可愛いなぁ、ルカは…」

 さりげなく私を抱き寄せるカイル。


 ゾンビの群れに囲まれているというのに、いちゃついてる場合ではない!


 その時、1階の宝箱で高級焼肉食べ放題券をゲットした大会参加者が、鼻歌を歌いながら2階への階段を上がってきた。

 ごきげんなのだが、おそろしく音痴だった。


『ううっ…』

『ぐおぉぉ…』


 振り向くと、ゾンビたちが悶え苦しんでいる。

 まるで、ジャイ〇ンの歌を聞かされたかのように、手で耳を塞いで震えている。倒れている。気絶している?


 ゾンビの弱点は、音痴だったのか!


「ルカ、今のうちに行くぞ!」

「うん!」

 私とカイルは、うずくまるゾンビを避けながら通路を素早く駆け抜けた。


「ふんふふんふふ~ん♪ボヘ~♪」

 ご機嫌で2階に辿りついた超音痴の大会参加者は、悶えるゾンビの大群に腰を抜かす。


「ヒョエ~~~ッ!!」


 音痴な歌が止んだことで、元気を取り戻したゾンビたちに恐れをなし、彼は1階へと逃げ戻っていったのだった。


 その頃、2階の大きな扉の前に辿りついた私とカイルは、重厚な石の扉をゆっくりと押し開けていた。


 部屋の中にはレッドカーペットが敷かれており、石の壁には小さな光が一列に並んで瞬き、薄暗い部屋の中を仄かに照らしていた。


 レッドカーペットの先には、角を生やした仮面の男が豪華な椅子に腰かけていた。

 軍服のような服装で、長い脚を組み、黒いマントを着けていて、腰には剣を佩いている。

 まるで、魔王のような迫力のある黒いオーラを放っていた。


 彼はやがて、厳かな声で話し始める。

「…よく、あのゾンビの群れをかわせたな」


 音痴のおかげで、とも言えず黙っていると、


「では、私と戦って、私に勝てたら、3階への階段の場所を教えてやろう。勝負は何がよいかね?」

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