6 ごみスキルと魂の乗っ取り(ソウルハック)
「人生真っ暗じゃー」
「人生真っ暗じゃー」
「人生真っ暗じゃー」
このクソスキルがー!
さて、膨大なスキルを保持している俺だけど、今回利用してみたのは並列思考スキル。
もはや異世界物小説では定番で、自分1人で一度にいくつもの思考をできるというチートスキル。それを実際に使用してみた結果が今の有様だ。
俺の考えていることを、3つに分けた並列思考が同時に連呼しやがった。
「このゴクつぶしスキルがー!」
「このゴクつぶしスキルがー!」
「このゴクつぶしスキルがー!」
……お前らやまびこじゃないんだから、俺と同じこと叫んでるんじゃねえ!
「叫んでるんじゃねえ!」
「叫んでるんじゃねえ!」
「叫んでるんじゃねえ!」
……何が並列思考だよ。
単に同じこと考えてる意識が3つに増えただけじゃないか。
どこがチートスキルだ、使えんにもほどがあるだろう!
こんな自爆スキルは使ってられない。
ところで並列思考だけでなく、並列意思というスキルもあるんだけど……。
並列意思を使ったので、既に落ちが見えているけど、念のためにこのスキルも使ってみるか。
俺の膨大な保有スキルを読み解くためには、俺1人ではとてもではないができん。
だから、複数の俺に分かれることで、なんとかスキルを読み解いていくつもりでいる。
そうしないと、これから先もお先真っ暗だ。
てなわけで、さっそく並列意思スキルをポチリと使用。
「あー、面倒くさいからお前がスキルの検証していけよー」
「お前がやれってなんだ!?」
「ええっ、面倒くせぇ」
さて、仮にだが、自分と完全に同じ人間が3人いたとする。
そして目の前には明日までに片付けなければならない仕事or宿題があるとしよう。
でも、自分ではやりたくないんだよねー。
当然、同じ人間が3人いれば、「お前がやれよ!」と互いに押し付けあって、結局何一つできないで終わるわけだ。
「この役立たずどもがー!」
「ハッハッハッ、どうせこれは夢の中だから、まだ慌てる必要なんてないだろう」
「モグモグモグー」
それどころか並列意思どもは、みんな揃って好き勝手なことを言い放つ。あと、モグモグしてる奴、お前は本能のコピー品か何かか!
いまだに俺の体は移動しながら、地面をムシャムシャしてるもんなー。
とりあえず、役に立たない奴らを無駄に増やす意味不明スキルだと分かった。
こんなもの使えるか!
そして最後に並列存在なるスキルもある。
≪並列存在、自らと同じ存在を複製するスキル≫
解析による説明が簡単すぎてよく分からない。
もしかして意識だけでなく体まで2つに分裂して、どっちにも俺の意識が存在しているなんてことにならないよな?
……そうなったら怖いので、このスキルは使いたくないなー。
……といっても使ってみたいなー。
ポチリ。
というわけで、俺は好奇心に負けて使用してみた。
……
……
……
何も起きん。
今までの並列意思と並列思考がごみスキルだったから、今更期待も何もしてなかったけど、何も起きないとは予想外だった。
こんなスキルのことは忘れちまうかー。
しかしだ。
膨大な量のスキルを調べ上げて、そこから周囲確認できるようになろうと奮闘しているのが今の俺の状況。
このままではいけないな。
とりあえず、並列思考関係は無視して、1人でスキルについて調べる作業を再開することにした。
そして周囲の存在を確認する方法を調べ続けていたら、
『魂の乗っ取り
対象の魂に術者の魂を送り込んで、体を乗っ取る闇の高位魔法』
なんてのを見つけた。
中二病心をくすぐられて、闇魔法の詳細を確認していたら、闇魔法の中にそんな魔法が存在していたのだ。
「周りにいる生き物にソウルハック仕掛けて、そいつの体を奪い取れば、周りの景色が見えるのでは!」
そう思いついた瞬間、「俺って天才!」って、自分で自分を褒めたよ。
たださ、俺触覚しかないから、どこにほかの生き物ががいるのか分からん……。
魔法を使う先が見えないから、使いようがない。
――モグモグモグ
なんてしてたら、本能のままに動いている体が、何か死体を発見したようで食べ始めている。
「……死体でも大丈夫かな?死霊魔法でゾンビにしてから、魂を乗っ取ってみるか?」
とてつもなくやりたくない方法だったけど、なんとなく可能性がありそうだったので試してみた。
「フハハハ、俺は偉大なる闇の死霊魔術師。貴様を生ける屍にして不死の存在にしてやろう!」
ノリノリで魔法を使用。
……ムクリッ
おっ、今までモグモグしていた足元の奴が起き上がったぞ。
炎魔法を使ったときは何も反応が起こらなかったから、てっきり魔法が不発だと思ったけど、そんなことは全然なかったようだ。
死体が起き上がったことだし、死霊魔法に成功したわけだ。
では、さっそくソウルハックを仕掛けてやる。
うおりゃー。
「寒い、苦しい、辛い、ガチガチガチガチ……」
うへぼらっ!?
ソウルハックをしかけたら、俺の意識が体の中から離れる感覚があった。
その後、俺が蘇らせたゾンビに俺の魂が憑依したようだけど、死体に憑依した感覚は最悪だった。
俺の前世は心臓発作で死んだっぽいけど、あの時よりも苦しい感覚に襲われた。
マジでゾンビとかありえん!
一度死んだときに、死ぬ辛さを経験したけれど、それ以上に苦しかった。
周囲の景色?
そんなの暢気に見ていられるほど、死んでる状態は楽じゃなかったよ。
……使えねえな、このスキル。
さっさとソウルハックを解除して、元の体に戻る。
ちなみにこの後蘇らせたゾンビは、炎魔法を使って焼却しておいた。
炎魔法を使用した際に確かに効果があったようで、俺の足元にあった死体は、崩れ落ちていった。
――モグモグモグ
もっとも燃え尽きて灰になったゾンビは、本能丸出しの俺の体が平然と食べていったけどね。
うわー、本能にあらがえねぇー。
俺としてはそんなゾンビの死体なんて食いたくなかったけど、俺の意識よりシャドウとしての本能の方がはるかに強かったので、結局灰を全部食べてしまった。
とりあえず、俺の腹の中で安らかに成仏しろ。
ナムナム。
今までに判明しているステータス ()内の数字は判明した話数
―――本体
ステータス
名前 カズキ サイトウ (斎藤一樹)
種族 シャドウ
職業 迷宮の掃除人
レベル 1650
・初期スキル
捕食 (プロローグ)
吸収融合 (プロローグ)
物理攻撃無効化 (プロローグ)
影空間 (プロローグ)
・武器補正スキル
棍棒術 (プロローグ)
剣術 (プロローグ)
槍術 (プロローグ)
弓術 (プロローグ)
クリティカル (5)
毒攻撃 (プロローグ)
音波攻撃 (4)
・防御補正スキル
盾防御 (プロローグ)
・身体能力補正スキル
筋力増加 (プロローグ)
防御力増加 (プロローグ)
聴覚強化 (4)
嗅覚強化 (4)
・感知スキル
遠視 (5)
千里眼 (5)
万里眼 (5)
魔力気配察知 (5)
感応 (5)
・体質補正スキル
粘液 (プロローグ)
不死者 (プロローグ)
・自動回復スキル
HP自動回復 (プロローグ)
MP自動回復 (プロローグ)
・移動補正スキル
ジャンプ (プロローグ)
・魔法スキル
炎魔法 (プロローグ)
氷魔法 (プロローグ)
氷魔法 (プロローグ)
風魔法 (プロローグ)
土魔法 (プロローグ)
闇魔法 (プロローグ)
回復魔法 (プロローグ)
死霊魔法 (プロローグ)
呪文短縮 (5)
無詠唱 (5)
・耐性スキル
打撃攻撃耐性 (プロローグ)
斬撃攻撃耐性 (プロローグ)
炎耐性 (プロローグ)
炎攻撃無効化 (プロローグ)
氷耐性 (プロローグ)
氷攻撃無効化 (プロローグ)
睡眠無効 (4)
・魔眼系スキル
魔眼・発火 (プロローグ)
魔眼・氷結 (プロローグ)
・オーラ系スキル
隠密 (5)
威圧 (プロローグ)
王者の覇気 (プロローグ)
・指揮補正スキル
指揮 (プロローグ)
眷属支配 (プロローグ)
眷属従属 (プロローグ)
・思考スキル
並列思考 (6)
並列意思 (6)
並列存在 (6)
・称号スキル
転生者 (プロローグ)
階層主(80階層) (プロローグ)
異界の魔王 (プロローグ)
・その他
鑑定 (プロローグ)
暴食 (プロローグ)
咆哮 (プロローグ)
死者の咆哮 (プロローグ)
・影空間の保有アイテム
薬草 (プロローグ)
木の杖 (プロローグ)
ネクロマンサーの秘術書 (プロローグ)
ドラゴンメイル (プロローグ)
魔道金属 (プロローグ)




