Menu18:アクア・ディヴィーナ 〜神聖なるしずく 魂のうるおい〜 あるいは真夜中の解放と休息 〜小柱とカブのナチュラルフレーバーリゾット〜 (修整中です)
「どうぞ。よろしければ」
顔の横に冷たい水を置かれた音とかすかな冷気で目が覚める。
蓮 亮太は、薄目を開けた。
案内されたレストランのカウンター席につっぷし寝てしまっていたことに気づく。
顔立ちのととのったギャルソンが、こちらを見下ろし微笑しているのが目に入った。
無料のシェフの試作料理はどうかと自身をここに誘ったギャルソンだ。
「うゎ……と。こめん」
あわてて顔を上げる。よだれまで出ていたことに困惑して口をぬぐった。
見えてないよな、とギャルソンの顔をうかがう。
三十代後半にもなってさすがに恥ずかしい。
「おつかれなら構いませんよ。シェフの料理ができましたらお声がけします」
ギャルソンがそう告げてトレーを手に席を離れる。
ふつうは迷惑じゃないのかなと思いつつ亮太は苦笑いを返した。
カウンター席のみのせまい店内は、入ってきたときと同様、ほかの客はいない。
シェフの試作料理を出しているのは営業時間外ということなのか、それとも店自体がまだ開店していなくて、いまはメニューの最終確認を兼ねた準備中なのか。
だからちょっとくらい寝られようが平気なのかなと考える。
「勤め先が、かなりブラックなとこでさ。いまどきよく労基の指導入んないよなって思うくらい」




