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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第一章 転生してスローライフ

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7 農地開拓

 兎にも角にもまずは現状把握だ。

 この集落の人口は約100人、人口の7割がゴブリン族で残りの3割が他種族だ。他種族の主な構成はエルフと人間のハーフであるハーフエルフ、エルフと魔族のハーフであるダークエルフ、ドワーフと人間のハーフであるハーフドワーフ、ドワーフと魔族のハーフであるダークドワーフ。これに加えて豚のような顔で、かなり体格の大きいオークの4人家族が住んでいる。

 この付近では最大の集落らしく、付近にはゴブリンの集落やリザードマンやフロッグ族の集落が点在していて、それらの集落とも協力関係にあるようだった。

 どの集落にも共通して言えるのは、ギリギリの状態ということだ。


 この集落に産業と呼べるものはなく、主に小麦を作っているが近年は収穫量が激減している。また、牛や羊などを放牧しているが、最近では牧草さえもほとんど生えなくなって、家畜の数も激減している。私がスキルで出した「フルーツの木」が無ければ、この冬多くの死者が出ていただろう。


 すぐに思いつくのは、「フルーツの木」を増やすことだけど・・・


(今のレベルじゃ、無理かな)

(もっとレベルを上げないとね)


 ところで、レベルって何だろう?それにどうやったら、上がるのだろうか?


(スキルを使えば使うほど上がるんだよ)

(レベルが上がれば、植えられる植物が増えて、色んなスキルが身に付くよ)


 私が疑問に思っていることを親切に赤ドラと白ドラが念話で答えてくれる。


 よく考えたら、私のスキル頼みになるのは良くないと思う。私に何かあれば、もうこの集落自体が終ってしまうしね。

 だったら、住民にも栽培できる作物を植えられないだろうか?最初は私が出すとしても、その後は住民だけで、何とかできないだろうか?


(すぐに栽培できるのは3つだよ)

(ウィンドウを確認してね)


 私はすぐにウィンドウを確認する。


「スーパージャガイモ」・・・1週間で収穫できるわ。大きくて味もいいわ。

「スーパートマト」・・・1週間で収穫できるわ。トマトソースは色々と使えるわね。

「スーパー牧草」・・・3日で元に戻るわ。牛とかは美味しそうに食べてるわね。


 1週間で育つとは、本当にチートだ。

 私はグリューンとゴブリナに提案する。


「何だと!?それが本当なら我らは助かるどころか、周辺の集落も助けることができる」

「凄いですわ!!奇跡です」


「とりあえず、農業に従事している住民を集めてください。栽培方法を教えます」



 ★★★


 早速、住民が集められ、私が指導することになった。

 今回は指導がメインなので、全作業行程を説明するために「成長加速」を使用する。


「凄いのは分かるけど、どっちも見たことがない作物だな?」

「本当に食べられるのか?」


 思ったより、反応がよくない。

 なので、予定を変更して急遽、ジャガイモとトマトの試食会を開催することにした。

 ジャガイモはジャガバターとジャーマンポテト、トマトはそのまま食べてもらったり、トマトソースにした。


「これは旨い!!」

「こんな物が一週間で作れるのか?」

「聖女様、早く作り方を教えてください」


 かなり評判が良かった。

 そんな中、一人だけ違うことを考えていた者がいた。グリューンだ。


「聖女殿、このトマトソースはどれくらい保存できるのだ?」

「そうですね・・・密閉容器に入れたり、冷やしたりすれば半年は保存できますね。グリューンさんは、トマトソースを販売しようと考えてますか?」

「うむ。我も商売に明るくはないが、売れると思ってな」


 それを聞いていたゴブリナが騒ぎ始める。


「奇跡です!!皆さん!!すぐに作業を開始しますよ!!」



 早速、住民に対する指導が始まった。

 時間短縮のため、ジャガイモとトマトの栽培指導はゴブリナに任せ、私は牧草地に移動する。家畜を飼っているゴブリンたちと共にスーパー牧草の反応を確認するためだ。


 改めて確認すると家畜もやせ細っている。

 試しにスーパー牧草を食べさせると牛や羊は、一心不乱に食べていた。反応はいいようだ。


「3日で元に戻りますので、それを考慮して家畜を増やしてください」


 グリューンが言う。


「この反応を見ると、牧草だけでも売れそうだな・・・」


 ある程度、目途が立ったところで、私とグリューンはゴブリナが指導するジャガイモ畑に戻った。しかし、指導は進んでいなかった。


「私が着ているのは作業着というものです。これは主に農業に従事する時に着用致します。女神ネフィス様が直々に作られ・・・」


 どういう訳か、ゴブリナはいつもの有難いお話から始め、作業着の自慢を始めてしまったようだ。それに作業着を女神ネフィスが作ったわけではないが、ゴブリナの中ではそうなっている。

 住民の一人が、グリューンに言う。


「ずっとあの調子なんですよ。嬉しいのは分かるんですが、早く指導してもらいたいんで・・・」

「分かった。何とかする」


 結局、グリューンが割って入り、指導が始まった。

 みんな一生懸命で、楽しそうに作業をしていた。



 それから一週間が経過した。

 かなりの量が収穫できた。ここからは、私の手を離れ住民だけで計画し、生産していくという。

 また、牛乳の生産量は3倍に増えた。それで冬用の備蓄と販売用にチーズを大量生産することになった。試しにチーズを食べたが、濃厚でかなり美味しかった。チーズ作りに従事しているゴブリンに聞いたところ、牛乳の質が違うようだ。


「それもこれも聖女様のお蔭ですよ。何たって牧草が違いますからね」



 当面の危機は去ったようだ。

 生産した作物なんかは、まだ売れてないので賽銭箱には数えるほどの銅貨しか入っていないけど、この集落はきっと良くなる。


 私はスローライフに一歩近づいたようだ。

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