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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
最終章

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64/64

64 プロローグ

 ~勇者田中貴子視点~


 私、田中貴子(たなかたかこ)は絶賛逃走中だ。

 ブラックなペットショップに勤めていたのだが、事故に遭い、この世界に転生させられた。私は勇者として世界を救わなければならないらしい。転生させてくれた女神様は高圧的で好きにはなれなかったけど、担当の大天使さんは親身になってくれた。それに私が欲しかった能力まで与えてくれた。本当に感謝してもしきれない。

 その私がなぜ、逃亡中かというと、大天使さんに渡された手紙を読んだことが大きい。

 手紙にはこう書かれていた。


「勇者の貴方を利用しようとする奴は多い。教会や王族だからといって、無条件で信用してはならない。身の危険を感じたら、すぐに逃げることを助言する。後のことは気にするな。もしできるのなら、目の前の困っている者たちを助けてやってほしい。健闘を祈る」



 私が転生したのはララーナ教会の総本山だった。

 しかし、絵に描いたような悪い宗教団体だった。転生した私はすぐに鑑定を受けた。鑑定の結果、ジョブは「勇者」だったものの、あまり能力は高くないようだった。それで教会は私を金儲けに使うことにしたようだ。能力が高ければ戦場に送り込まれていたことを考えると、それはそれでよかったのかもしれない。最低限の衣食住は保証されていたからね。

 仕方なくこの役割を受け入れた私は、定期的に信者の前に立ち、教会が用意した原稿を読み、多額の寄付を集めさせられていた。


 ある日、私は教会の幹部が良からぬことを話しているのを聞いてしまった。


「今回の勇者は戦闘力がまるでない。そこで提案だが、ある程度の寄付金が集まった時点で戦地に送り込もうと思う。悲劇の勇者として、更に寄付金が増えるだろうしな」

「いい考えだ。ついでに勇者親衛隊も作ろう。犠牲が多いほうがいい。金食い虫のスラムの者たちやハーフエルフたちを編成しよう。目障りな奴らを一掃できるし、一石二鳥だ」

「そうだな。まさに勇者()()()()だな。まあ、勇者なんて定期的にやって来るから、一人二人死んでも、どうということはない」


 私はすぐに荷物をまとめ、慌てて教会を飛び出した。まずは厩舎に行って、私に協力をしてくれそうな馬を探した。

 私は勇者の活動とは別に厩舎でも仕事をさせてもらてっていた。動物は好きだからね。 


(無理だな)

(危険すぎるよ・・・)

(計画性もないし・・・)


「そうだよね・・・じゃあ、一人で行くよ。みんなも元気でね」


(寂しくなるな)

(元気でね)


 馬たちと別れの挨拶をしていたところ、声が聞こえた。

 声のするほうに行くと鉄格子に囚えられた8本足の馬がいた。厩舎の世話を任されていても、絶対に近寄るなと言われていた場所だ。その馬はなんと、普通に話をすることができた。


「馬たちと話せるとは、大した奴だな」

「そうかなあ・・・というか、貴方も馬だけどね」

「我は馬などではない。崇高な幻獣スレイプニルであるぞ」


 スレイプニル?


 詳しく聞いたところ、魔物が進化した崇高な存在らしい。

 それがなぜこんなことに?


「我が犠牲となり、他のスレイプニルたちを逃がしたのだ。我らは珍しいからな」

「そうなんだ・・・だったら私と一緒に逃げない?」

「うむ」


 鉄格子の鍵はすぐ近くにあった。

 教会の関係者はスレイプニルが知能が高いとは思っていなかったらしく、すぐ近くの見える位置に鍵が置かれていた。


 鉄格子からスレイプニルを出すと、私はスレイプニルに飛び乗った。


「じゃあ、お願いね。それとスレイって呼んでいい?」

「好きにしてくれ」


 こうして、一人と一匹の逃亡劇が始まったのだった。



 ★★★


 逃げたはいいけど、お腹は空くものだ。

 勇者の活動で、多少の貯えはあるけど、それだけで一生は暮らせない。なので、冒険者として登録することにした。こちらの冒険者の登録名は本名でなくていいらしく、登録名はタンタカにした。子供のときのあだ名だ。田中貴子がタナタカになり、いつしかタンタカになった。

 スレイには「センスがなさすぎる」と言われたけどね・・・


 スレイは強いから、依頼はすぐにこなせた。有名にもなった。でもそれがよくなかった。

 すぐに教会の追手がやってきた。なので、人里を離れて森の中をスレイに乗って疾走する。何日も森の中を彷徨っていたところ、大型のクモの幻獣キラータランチュランのキラタンも旅に加わることになった。度々討伐に来る冒険者に疲れたことが、私たちと旅をすることに決めた理由らしい。

 キラタンのネーミングもスレイには馬鹿にされたけどね。


 そんな私たちの逃亡劇も終わりを迎えた。

 何日も森の中を進んでいると、お風呂にも入りたくなるし、ちゃんとした料理も食べたくなる。丁度、森を抜けたところにそこそこ大きな町があったので、そこに行くことにした。スレイに乗って疾走していると、ヤバい奴らに囲まれた。

 下半身が馬で上半身が人間のよく分からない生物たちだった。それに楯や槍を持っているし、弓を番えている者もいる。


 しばらくして、今度は下半身がクモで上半身が人間の怪しい集団も現れた。


 もう駄目だ・・・折角、新たな人生を歩み始めたばかりなのに・・・


 そんなことを思っていたら、急にその集団が私たちに跪いた。


「「「ようこそ、神獣様!!お待ちしておりました!!」」」


 一体、どういうことだろうか?

 思考が追いつかない。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

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