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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第四章 故郷へ

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42 冬祭り 3

 冬祭りが開幕した。

 とは言っても、来場者が増えたことと、王であるグリューンが「これから冬祭りを開催します」と宣言した以外は、準備期間と大して変わりがない。なし崩し的に開幕してしまった感じだ。


 それと雪像のコンテストが中止になった。これには事情がある。

 まず、それぞれの集落が一生懸命に作った雪像に優劣をつけるのはどうかという意見が上がったし、そもそもドワーフ王国の職人が本気で作った物に勝てるはずはない。

 そんなこんなで、広場中央にあるネフィス様の大雪像を作り終えたドワーフ王国の職人たちは、各集落のお手伝いをすることになった。これはこれでよかったと思っている。雪像のクオリティがグレードアップしたからね。


 特に喜んでいたのはリザードマンたちだ。

 一生懸命にヨルの雪像を作っていたが、ドラゴンには何をどうしても見えないし、蛇にすら見えない。よく言ってミミズだった。モデルになったヨルも微妙な感じだった。


「作ってくれるのは嬉しいけど・・・ちょっと酷いな・・・」


 そこにドワーフ王国の職人の手が入り、誰がどう見てもヨルということが分かる雪像になっていた。

 リザードマンたちもドワーフ王国の職人に感謝を示し、仲良くなっていた。そこら辺でドワーフ王国の職人とリザードマンたちが酒を酌み交わしている姿をよく見かける。



 祭りが始まってしまうと、私は特にやることはない。

「かまくら鍋」の営業はソマリに任せているし、雪像を審査する必要もなくなったからね。

 だから同じく、仕事がなくなったグリューンと共にお祭りを楽しんでいる。


「それにしても、色々な種族がいるんですね?」

「そうだな。同じ獣人でも種族が違うと文化や風習も全く違うからな」

「面白いですね」


 今回も獣王国に案内を出し、フックスの父親である宰相のルナールが代表でやってきた。前回と違ったのは、スズキタウンに来たことがない種族も大勢連れて来たことだ。ルナールにはルナールの思惑があるみたいだけどね。


「あそこでザードさんと話しているリザードマンは、体が赤いですね」

「レッドリザードという種族らしい。先日、挨拶に来たな。ザードと同じく、実直な印象を受けた」

「同じリザードマンでも違うんですね」


 私は雪像を見るよりも、色々な種族を見たほうが楽しい。こう言っては何だが、動物園で動物を見るような感じだ。


「かまくら鍋も大好評ですね?」

「そうだな。ソマリも忙しそうだ」

「それにしても、オークたちが多いですね」


 客の三分の一はオークだ。

 偶々会ったオークナさんに聞いてみた。


「味が良いって言うのもあるけど、一番はお見合いだね。ウチの息子二人も適齢期だからね」


 どうやらオークたちは、この冬祭りを利用してお見合いをしているようだった。

 オークは家族単位で暮らすので、結婚はお見合いが一般的らしい。なので、オークナさんが音頭を取って、周辺のオークの家族を集めて大規模なお見合いを企画しているとのことだった。


「仲間が増えるのは嬉しいことだ」

「グリューン様にそう言ってもらえると嬉しいよ。じゃあ、次のお見合いがあるから、私はこれで失礼するわね」


 みんなそれぞれでお祭りを楽しんでいるようだった。



 ★★★


 はじまりがあれば終わりがある。

 段々と温かくなり、徐々に雪が解け始めた今日この頃、ドワンド王やルナール、それに集落の代表者がそろそろ帰還すると言い出した。

 そういえば、冬祭りをいつ終了するかということを明確に決めていなかったことを思い出した。


 前世で言う桜祭りなんかは特にそうだ。桜が散るまでが祭りという曖昧な設定が多い。

 今回の冬祭りも初めてのことで、とりあえずやってみようということで開催したから、そこはご愛敬だ。


「それでは最後に宴を開こう」


 グリューンの号令で、大規模な宴会が開催されることになった。それをもって、冬祭りは終了とする予定だ。


 夕暮れから宴会は始まった。すぐに大盛り上がりになり、みんな楽しそうだった。

 そんな中、ゴブリナは少し寂しそうだった。


「折角作った雪像が、溶けてなくなることを思うと、少し悲しくなりますね」

「仕方ないよ。この儚さが逆にいいっていう人もいるしね」

「そういうものですかね・・・」

「そうだよ。今という時間を大切にしないとね。さあ、私たちも楽しみましょう」


 そんな話をしていたところ、急に中央にあるネフィス様の大雪像が輝き出した。

 輝き出したのは大雪像だけではなかった。すべての雪像が光り輝いている。突然のことで、全員が呆気に取られている。


「な、何だ!?襲撃か?」

「分からない」

「でも、神秘的だな・・・」


 そんな中、聞き覚えのある声が発せられた。


「我はネフィスだ。諸君らの信仰心には感謝している・・・」


 ネフィス様!?


 私は周囲を見回した。どうやら、声は大雪像からする。


「いい町だ。今日をもって、この地を聖地とする」


 聖地って何?


 訳の分からない私たちを無視して、ネフィス様の声は続く。


「そこにいる王よ。しっかりと民を導き、聖女を支えよ」

「はい!!」


「そこにいる神官よ。お前も聖女を支えるのだ」

「は、はい!!」


 グリューンとゴブリナが直々にネフィス様に声を掛けてもらっていた。ゴブリナは感動で泣いている。


「そして、聖女よ。お前には特別の加護を与える。魔力が続くかぎり結界を張ることができる」


 ネフィス様がそう言うと、私は光に包まれた。私は加護をもらえたようだ。


「ありがとうございます」

「うむ・・・時間だ。それでは我はここを去るとしよう。諸君らの供物は、有難くいただいておく」


 すると、大雪像と付近にあった雪像はすべて消え去ってしまった。


「せ、聖女様・・・これはどういうことでしょうか?」

「多分、ネフィス様が天界に持って帰ってくれたんだよ」

「そ、そんなことが・・・奇跡です」


 ネフィス様がなぜ、こんなことをしたのかは分からない。

 でも、ネフィス様なりの意図があったのだろう。



 ★★★


 ~女神ネフィス視点~


 信仰心が貯まり、聖地認定もすることができた。そして晴れて、邪神認定も解除された。

 気分の良くなった私は、聖地認定したスズキタウンの様子を見ていた。聖地認定するとある程度自由に聖地を見ることができるからね。


「お祭りをしているのね・・・だったら、ちょっと神様っぽいことをしてみようかしら・・・」


 私は聖地に降臨した。降臨したはいいが、何をしたらいいか決めてなかったので、若干焦ったけど、何とかなった。聖女に加護を与え、供物の雪像を持って帰った。雪像にはかなりの信仰心が集まっているので、現物を持ち帰ると信仰心がかなり貯まるからね。


 信者たちも喜んでいるようだし、私って神様っぽいよね?

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