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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第二章 移住者が増えました

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25 幕間 聖女を探せ

 ~冒険者レッド視点~


 私は赤髪のレッド。Aランク冒険者パーティー「シーカーズ」のリーダーだ。もちろんレッドは冒険者の登録名で、本名ではない。こう見えて、訳アリだからね。

 パーティーメンバーは私を含めて四人、青髪で元神官の少女ブルー、金髪で元商人のゴールド、そして最近白髪が目立ちはじめた初老のブラック。いずれも訳アリで、本名ではない。


 そんな私たちは、ある極秘依頼の真っ最中だ。

 場所は通称「帰らずの森」。ララーナ教会の総本山に「緑の聖女は()()()()()に降り立った。聖女を救え」との神託が下ったようで、冒険者ギルドを通じて、私たちに依頼があったのだ。


「帰らずの森」は危険な場所だ。

 魔族との紛争地だし、森を破壊するような行為をすれば、森を管理しているハイエルフの粛清に遭う。ゴールドが愚痴を言う。


「そんなに大事な聖女様なら、俺たちじゃなく、騎士団でも派遣すればいいのにな」

「ゴールド、そんなこと言わないの。調査依頼にしては破格の報酬よ」


 ブルーが言う。


「でも、教会は責任を取りたくないって魂胆が見え見えよ。だから、何かあれば私たちに責任を押しつけるに決まっているわ。アイツらときたら・・・」


 ブルーは教会にかなり厳しい。色々あって、教会を追い出されたからね。


「ブルー、それも分かっているわ。だから、ある程度森を探索したらマッピングして、ここまでは調査したけど「情報なし」で報告するわ。教会も私たちにそこまで期待してないだろうしね」


 そんな話をしていたところ、ブラックが声を上げる。


「お嬢・・・レッド、お静かに。何か近づいてきます。隠れましょう」


 私たちはその場を少し離れ、木陰に隠れた。

 私たちは皆、隠密スキルを持っている。こういった調査依頼は得意なのだ。


 しばらくして、衝撃の光景が飛び込んで来た。



 ★★★


「魔族?」

「ゴールド、静かに・・・」


 30人規模の魔族の集団だった。ゴブリン、オーク、リザードマン・・・下半身が馬の魔物や蜘蛛のような魔物もいる。私はすぐにハンドサインを出す。


「しばらく様子見。危険があれば、すぐに撤退する」


 ハンドサインで、三人から「了解」と返ってくる。

 様子を見ていたところ、魔族たちは他の木とは、明かに種類の違う二本の木の前で停止した。その木の前には怪しげな女神像が置かれている。

 ブラックにハンドサインを送る。


「戦力的にどう?」

「ゴブリンは大したことはない。ただ、リザードマンと得体の知れない魔物は、手練れだ」

「勝てそう?」

「相打ち覚悟なら」


 ブラックは元某国の剣術指南役だ。ブラックがそう思うなら、戦闘は避けるべきだ。


 魔族たちのリーダーは変わった服を着たゴブリンの少女だった。そういえば、何年か前に異世界からやってきた勇者と服装が似ている。そこそこ強かったが、人間性は最悪で、獣王国との紛争で戦死したっけ・・・


 その少女は魔族たちの前に歩み出て、演説を始めた。


「皆さん!!こちらに緑の聖女様が降臨されたのです!!」


 今、緑の聖女って言わなかったか!?


「・・・すべてはこの地から始まったのです!!さあ、女神ネフィス様と緑の聖女様に感謝を!!」


 長い演説だった。それでも大半は真剣に聞いている。中には集中力が切れている者もいたが・・・

 演説が終わると、魔族たちはめいめいで木から溢れ出ている水を飲んだり、変な木からフルーツをもいで食べたりしている。

 フルーツは色々な種類があるようで、美味しそうだ。


 しばらくして、ゴブリンの少女が言った。


「フルーツの木からすべてのフルーツを採ってはいけませんよ。もし、困窮している者が命からがら、たどり着いたら、救われませんからね。ではそろそろ帰りましょう。その前にお祈りを致します」


 見たことのない礼拝方法だった。2回手を叩いて、手を合わせて、目を閉じるだけだった。

 そして、魔族の集団は去って行った。


 魔族の集団が去ったの確認した後、私たちは魔族たちがいた場所を調べた。

 女神像は最近、獣王国からやってきた獣人たちが売っていた女神像に似ていた。


「創造神ララーナ様ではありませんね。魔族が信仰する神でしょうか?」

「ブルーが分からなかったら、誰も分かんねえよ。それにしても、このフルーツは旨いぞ。色々な種類があるし、毎日これが食えるなら、俺は魔族の神様を信仰してもいい」


「ゴールド、得体の知れない物を食べるなんて・・・私も食べようかな・・・」


 結局、誘惑に負けて食べた。今までにないくらい美味しかった。


「お嬢・・・レッド。それでどうされますか?」

「帰りましょう。これだけでかなりの情報よ。特別報酬が出てもおかしくないわ。これ以上は危険だしね」

「いい判断かと」


 私たちは、マッピングした後、帰還することにした。


「ゴールド!!全部食べたら駄目よ。祟られたらどうするのよ?」

「そうだな・・・」



 ★★★


 ~ハイエルフ視点~


 レッドたちが去った後、一部始終を見ていたハイエルフの集団が現れた。


「姫、緑の聖女とは何者でしょうか?」

「分からん。母上・・・女王陛下に報告だ」

「はい。それにしてもこのフルーツは旨いですよ」

「私より先に食う奴があるか!!」


 ハイエルフたちも、フルーツをもいで食べる。フルーツの美味しさに驚いていた。


「いくつか持って帰るぞ」

「はい」


 ハイエルフたちも去って行った。

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