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31 フラグを自ら立ててゆく

「あれ?」


真冬くんと二人だけの世界に入ってしまっていたからか一切私は周りに気が付かなかったらしい。

皆、ダンスの途中にも関わらず動きを停止させていて私達の方を穴が空くのではないかというくらいじっと見ていた。


えっ!!?? 私もしかして知らない間にやらかしてた!?

真冬くんの足ふんでないよね!! ステップ違うかったかな?


頭の中が大混乱し渋滞しているが、見渡してみるとその視線には驚きと疑問が隠しきれていない。何がどうしたのだろうか……。


「ねえ真冬くん。周り止まっちゃってるけど私達呑気に踊り続けてても大丈夫なの?」


「音楽は止まってないし、それにここで止まるなんて僕も聞いてないよ? 何も僕達は規定には触れてないし問題ないんじゃないかな」


そういうもんなのかな。

いいというのならいいのか……。


疑問を残しつつも無事? 一曲踊りきった。

周りも最後の方ははっと我に帰ったみたいに慌てて踊りだしてたけど、本当にどうしたんだろう。


「リーナ!!」


ふうと一息ついたところでウィルが向こうから向かってくるのが目に入った。何やら少し焦っているのか?


「ウィル、どしたの?」


「どしたの? じゃない。いきなり会場からいなくなったと思ったら気づけばフラジストとフロアでダンスなんか踊っている。見つけたときは一瞬目を疑ったぞ」


「はは、いつもウィルとしか踊らないもんねー」


「……なら、今回で2回目になってしまうが、俺と踊ってくれるか?」


ふーむ。大体私の場合は一つのパーティーに多くても一回しか踊らないのだけど、それは踊る相手がウィルしかいないからなそういう状態に陥ってるのであって、決して一回だけしか踊らないと決めているわけではない。それをみんなが勝手に解釈して一回目以降は絶対に踊らないとかなんとか思ってるんだろうけど。

だってウィルも二回目以降は誘ってこないし。


「いいよ」


「いいのか!?」


なんで誘っておきながら一番ビックリしてるのさ。


「エリーは疲れてない? 向こうにあるジュース持ってきてあげようか」


「いくら運動音痴でダンスがヘタって言ったって一回踊ったくらいじゃ息なんか上がらないよ。大丈夫だって」


「っ、とりあえず、早く輪の中に入らないと遅れてしまう」


そう言いウィルは私の体を引き寄せながら人の群れの中に連れ込んでいった。さり際にウィルと真冬くんが何か視線で会話していたような気がするが……気のせいだったかな。



今度は先程とは違い、緩やかなワルツだ。軽くステップを踏み、ウィルと息を合わせる。


「リーナは……どうしてフラジストとダンスなんて踊っていた?」


「どうしてって言われても……断りきれなかった、、から……?」


「まあそうだよな。だってリーナだもんな」


だってとはどういう意味だ。なんか地味に失礼なこと言われた気がする。


「そういえばさ、さっきフラジスト様と踊ってたときに周りの人たちが一瞬止まってたように感じたんだけど気のせい?」


「……気のせいじゃない……。リーナはフラジストが夜会やパーティーで絶対ダンスは踊らないことを知ってるか?」


はっ!? なにそれ初耳。

てか真冬くんのことについて聞く噂は全て聞いたこと無いやつばっかりなのだが。しかも何かやらかしてしまったあとにその噂について聞くから既にもう手遅れ。


マジか……と目を丸くしているとウィルは大きなため息をこぼした。


「……まあそういうことだ。他の貴族はフラジストが踊っているところなんて初めて見たからだろう。それにパートナーがお前と来た。そりゃあ誰もが注目する。皆、動きが止まってしまうくらいはビックリしたんだろうな」


ははっと乾いた笑いをこぼすウィル。

いやいや、笑い事ではないぞ? そんな噂があるのに私、真冬くんと踊っちゃったの? うわーやばいよー。自分でフラグ踏んじゃったよー。

だって今日に限ってご令嬢の中に隣国の姫様、アナスタシア様だっているのに……。

やっぱり性格もお顔のようにとてもかわいくて可愛らしい(大事なことなので2回言う)性格であることを願う。



「でもやっぱり、、ウィルが一番踊りやすいね」


「どうした急に」


まるで予想外というようにこちらを見る。ウィルの耳先が少し赤くなっているのが目に入った。


「ええ? だって一番回数踏んでるし、ウィルの動きは私に合わせてくれてるでしょ? だから踊りやすいなーって」


正直な感想を述べる。

真冬くんも初めてとは思えないくらいの出来で踊ることができたけど、やはり緊張する。その分ウィルは幼い頃からやってきたというのもあり、変に気を使う必要がないのだ。


「まあ、、それは良かった」


「でもさ、ウィルは他の人と踊らないよね? どして?」


「別に大した意味はないが……面白くないからな、踊っていても」


あ、そんな感じでいいの。

でも楽しい楽しくないっていう個人できな意思で決めれるのって上位貴族の特権だからなー。私、伯爵家とかは出席したら必ず一度は最低でも踊らなきゃいけない。そういうルールなのだ。

まったくもって必要ないと思うが、、。


ダンスが楽しくないってわけではないけど特別楽しいって事でもないし、踊らなくていいんだったらずっと壁の方にいたい。何らなパーティーなんかに出席したくない。

きらびやかな雰囲気はどうにも身に合わないんだよなあと、小さく息をついた。

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