14 ウィルはどこで女心を学ぶのだろう
自分の語彙力のなさにどうしようかと悩んでます。
せめて雰囲気だけでも伝わっていますように……!
お出かけ日和です!
一昨日から色々ありすぎて毎日毎日濃すぎる一日を送っているわけですが、今日もまだ終わっていません。
まあ、ウィルとのお出かけは月一くらいで一緒に言ってるから大事イベントというイベントではないわけだけれども。
で、ほぼ毎月のように街に出ているため、お忍びセットもバッチリ準備されている。何なら5種類くらいある。ちょっと裕福な商人の娘風衣装でしょ? 隣町の町娘風衣装でしょ? それからそれから…………
とまあこんな感じでいっぱいあります。
今日は普通に淡いピンクの、回るとふわりとするところがかわいいワンピースと、髪はそのままおろして赤いバレッタをつける。
昨日とは正反対の色だなあ。
どうせ私は服選びはしないから全部侍女達に任せてるので文句は言えませんが。
「リーナ、準備できた?」
これまたお忍び風のウィルが迎えに来た。
でもやっぱりそのキラキラは隠せてないぜ。ウィルの金髪って他の人よりも少し薄いらしく、光に当たると人一倍に反射するそう。だから目立つのだよ。
「あ、今日は町娘風だ。かわいい」
「ふふ、ありがとう。ウィルは相変わらずキラキラしてるよ?」
「コレは……地毛だから仕方ない……」
結構気にしている様子。
私は好きだけどね、その髪の色。だって日本では絶対見ない色だから見てて面白い。
こっちの世界の人たちの髪の色って、まじか……って思うような人いっぱいいる。だから街に出るのは好きだ。人間ウォッチング。
街の近くまでは馬車で向かう。
今日はお忍びだから、いつも使う地味な馬車だ。地味っていっても中は仮にも公爵子息が座るからふかふかになってて、馬車酔なんて一切しない。基本的に私、前世から車酔いとか強いから酔ったことなんてないけど。
「……リーナ、昨日母上になにかされなかったか?」
「何かって?」
「お前んちに押し掛けて居座っていただろ? 父上と俺で何度も連れ戻そうとしたのだが……」
だめだったわけですな?
でもあれって結局の根源はうちのお母様でしょ? それもたぶん私のことを心配してくれてのことだと思うから全然問題はないよ。
「大丈夫大丈夫。あ、そういえばラスニア様が言ってたんだけど真冬く、フラジスト様とはいつからの付き合いなの?」
一瞬ウィルの表情が曇ったような気がしたがすぐに元に戻った。
? 気のせいだったか?
「フラジストとは……まあそれなりに付き合いはあったよ。家の位が近いからかしてよく社交界とかでも一緒になってるしね。俺も隅の方に逃げてたけど、あいつもよく逃げてたから自然と話すようになってたんだ」
ああ……。二人ともモテるもんね……。
そうかー。じゃあ私よりも付き合いが長いわけだ。ちょっと寂しいな……。
「で? リーナの方はどうなんだよ。あの様子だと絶対フラジストと関わりあっただろ」
言い訳考えてなかった!!
なんて言ったらいい? んー……。
「フラジスト様の昔の友達に似ていたみたい……?」
「嘘つけ。あいつに女友達なんていないぞ。それに昨日母上には女嫌いを治したかったとか言っていたそうじゃないか」
はっ!! そういえばそう答えたような気も……。ウィルの情報網舐めてた。と、とりあえずこれ以上は詮索しないでくれというオーラを醸し出していると、ウィルはすぐさまキャッチしてくれた。
「はあ……。まあお互い言えない何かがあるんだろ。これ以上はやめとくよ。それに向こうはまだしもリーナはなんとも思ってないみたいだからな」
ありがとう、ウィル!! やっぱり持つべきものは心許せる友人だね!! 最後の方の意味は何やらよくわかんなかったけど、私が理解する必要はないのだろう。
「それで、今日はどこ行く? 前は中央公園行ったけどまたパン屋さんよる?」
「公園も良かったが……今日は女性に人気のカフェがあるらしくてそこにしようと思うんだ。ほら、リーナ苺好きだろ? 今苺フェアしてるぞ」
「ほんとに!?」
いつも出かける場所はウィルが決めてくれる。私は基本外でないから市民の様子なんてわからないのよ。ほんとはもっとちゃんと考えなきゃいけないんだけど……。
でも毎回ウィルは私が行きたいところドンピシャで当ててくるからついつい頼ってしまうのは仕方ない……。
よし、これは全部ウィルのせいっていうことで。
少し街から離れたところで馬車から降りて歩く。
離れたところって言っても5分も歩いたらすぐに活気あふれる市場が見えてきた。この匂い……今日はたくさん魚があがったのかな? でもでも今日は苺フェアを楽しまなくちゃいけないから我慢です!
可愛らしい看板が見えてきた。
ここから見ると女性に人気なのが人目でわかる。ウィル、これに乗り込めるのか……? あ、よく見たら男の人もいるから大丈夫そうか。何ならウィルが一番美人かもしれないというなんとも女子に失礼な説が浮上。
そんな人の隣りにいる私。まああんまり気にしてないからいいけどね。
扉を開けるとチリリンと可愛らしい鈴の音がして、「いらっしゃいませー」という店員さんの声が聞こえた。そして一気に甘酸っぱいいちごの匂いが私の中に入ってきた。
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