第20話 家宅捜索
最終章始まりました。この話は最終章の最序盤です。
この後も結構展開が残っているので、今までの話の復習をオススメします。
「以上から申し上げますと、今回の事件に関係性が高いと思われる『利根香織』の家宅捜索を実施するのはいかがでしょうか」
一連の連続失踪事件の会議。
事件の発生した地域での目撃情報と容姿が似ていることや、その他怪しい行動が見られた為、宗治君の仲間である、『利根香織』という人物が容疑者に浮上した。
「よし、令状を取って来い! すぐやるぞ!」
◇
「うん、バイバイ」
友達と別れ、一人家に帰る。
部屋に入りカバンを下ろした時、インターホンが鳴る。
「どちら様でしょう」
知らない男の人が二人。
手帳を開き、写真をインターホン越しで見せつつ
『こんにちは、警察です』
◇
「利根香織さん、あなたの家を捜索させて頂きます。令状がこちらです」
「あ、はい」
家から出され、マスクや、髪が落ちないようにする帽子を被った捜査員が何人も家に入る。
「こんな時間に悪かったね。一応驚かさないように、捜査員は目立たないように後ろに下げていたんだ」
「そうなんですね。所で、なぜ私の家に」
「君は亀山慎一くんの知り合いだったよね」
「そうですけど」
「じゃあ彼が失踪したのも」
「もちろん知っています。他の方も何人か失踪されたとか」
その通りだよ。
と、ベージュのスーツを着た警察官、手帳によれば確か野尻さんという人が割り込んで来た。
「早い話、君が容疑者として浮上した。だから家宅捜索しているのだが、香織さん、君に何も無ければこの後何も無いから安心してくれ」
「そんなこと言われましても」
これからゆっくりしたい所だったのに。
「僕達もさっさと解決して帰りたいからね。協力してくれ」
二時間後、捜査員の何人かが出て来た。
ほとんどの人は写真やら何かが入った密封できる袋やらを持っている。
「あ、はい了解しました。隼人さん、後頼みますね。別の事件の方で動きがあったらしいので」
「わかった。任せろ」
小太りしたおっさんの警察官がパトカーへ走り、去っていく。
それを見送った野尻さんは捜査員の押収した物品の方へ向かった。
◇
「以上で終わりです。それでは」
空が夕焼けに染まったころ、捜索は終わったようで、押収品も何個か確認させられたが、親が帰ってくるよりも早い終了となった。
このまま何も無ければ良いけど
◆
「彼女の部屋らしき所から睡眠薬が発見されました」
そうか。証拠は無かったから、失踪事件との関連性は未だに謎だが、何も病気をしていないのにそれは変だ。一応容姿が宗治君のストーカーらしき人物に似ている。
とりあえず任意同行を求めるか。




