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第21話 かけがえの無い存在

遅めですがメリークリスマス!

ここから話がかなり進みます。

完結まではまだまだあります(予定ではあと5話位)

 ピンポーンと休日の夕暮れ、住宅街に響くインターホン。


「こんにちは、警察です」


「はい、今度はなんですか?」


「利根香織さん、任意同行を求めます」



「違うって言ってるじゃないですか!」


「落ち着いてくれ。まだ何も聞いていないし、それにまだ決まったわけではないんだよ」


 香織が落ち着くのを待ち、隼人は切り出す


「香織さん、とりあえずアリバイを聞いてもいいかな?」


「いいですけど、どうせ家にいたとしか言えません。それに家には普段誰もいませんし」


「そうか。隼人さん、これは長くなりそうだぞ」



「リーダー!」


 駅前にて、苺と待ち合わせ。今回は呼ばれた方だ。


「じゃあ行こっか」


「そうだな」


 歩きながら、どうでもいい雑談をする。しかし、今日の苺はどうも様子がおかしかった。

 先日の香織とのいざこざからだろうか。


「そういえばリーダー、もうすぐ誕生日だよね」


「そうだな。いろいろあって忘れてた。何で知ってるんだ?」


「あれ? 宗治向こうで言ってたはずだけど」


「あぁ、そうだったか」


「もう、何で忘れてるの」


 そう顔を膨らます。気づけばあの日から1ヶ月も経っていて、向こうでのことが、思い出として脳内で扱われるようになってしまった。


「……みんな元気かな?」


「知らないよ。きっと元気だろう、俺達が救ったんだからな」


「そっか」


 あてもなく歩き続け、駅から少し遠い橋の上。時々トラックが通り、風に体を押される。


「リーダー。そう言えばなんだけどさ、私のこと、向こうで会った時、宗治はどう思ってたの?」


「そうだな、最初は結構うるさいヤツと思ったよ。何せ初めてお前と会った時、お前はパーティーメンバーとケンカしてたからな」


「懐かしいなーアイツあの後どうなったんだろ。見てないけど今でもイラつくなー」


 これは地雷っぽいな。話を剃らすか


「じゃあ苺は俺のことどう思ってたんだ?」


「最初かぁ。正直に言うと、初めの初めは何か弱そうだったなぁ。周りがマッチョだらけだったし、事実転移者はみんな強く無かったからね。幹部一人落としてからイメージが変わったかな」


「そうか。本当はギリギリで死人も出たけど、世間ではそう見られていたのか」


「死人が出るなんて当たり前じゃん。冒険者はみんな命張ってるでしょ。だからさ、それから宗治達の見方が変わったの」


「あれから転移者への評価も変わったらしいからな。俺にしては上出来だったかな」


 橋を渡り、歩く先には整備された丘。階段を苺が上がって行く。約30分、軽い登山を終え、展望台に上がると、その先にはビルの銀色が光る街が一面に広がっていた。


「リーダー、今は私のこと、どう思ってる?」


「今か。大切な仲間だよ。お前に何度も救われた」


「ありがと。実は私、迷惑かけてたんじゃないかって思ってたんだ」


「そんなこと無い。むしろ俺のとんでもなく雑な作戦で迷惑かけただろ」


「そんなわけないって。宗治がいなかったら、今頃ここには居なかった。魔王なんて倒せなかったし、もしも魔王をどうにかできても、きっと私達はみんなと一緒に日本に帰るなんて選択できなかった」


「なんだ、俺は意外と高評価だったんだな」


「意外となんかじゃないよ」


「じゃあ苺は俺をどう思っているんだ?」


 苺が俺の正面に出て、手を後ろに組み、少し見つめ、


「『かけがえの無い存在』かな」

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