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後半

この後グリュー君は、何もなかったように気を使ってくれてうれしかった。

お姉さん感激しました。 あの後、気まずいな~と思ってたら、普通に接してくれるので、いつの間にか、仲のいい兄妹みたいな感じで、話をした。

グリュー君は魔法が使えるみたいで、私の世界では魔法はないけど、アニメでは魔法の話があるので、その話をよく聞いてきた。


なんでも、グリュー君の世界での新しい魔法の発展につながるらしい。

前回の聖女様は、私は見るより書き専 といって女性しか見れない本を発行してたらしい。

男性と未成年者(でも12歳以下まで限定)には閲覧禁止という法律まで作ったらしいので、グリュー君は見たことがない。

 あっ多分これベーコンレタス本だ。


前々回の聖女様は 薬剤師さんだったみたいで、アニメより草 草 とかで、ここ100年新しい魔法が発展してないらしい。

といっても、私アニメそんなにみないからな~ とおもいつつ、友達がネタバレで言ってた。アニメの中身を言ったりした。

アンフローネさん達も興味深々で聞いたりして、ある意味楽しかった。


ちなみに旅の道中、アンフローネさんに閲覧禁止の本を見せてもらったが、やはりベーコンレタス本だった。

しかも何気に王様×宰相 神官×騎士 やら色々あって、その当時の実際のモデルもいるらしい。


ちゃんと聖女様の意志をついで、現代でも 王子(グリュー君)×聖女(私じゃない男性)の話もあるらしい。

聖女として召喚されたてのは女の子に間違えられるほど可愛い男性、けど腹黒男子という設定で書かれてた。

グリュー君かわいいもんね。素直だし、紳士だし、そう考えたら受けなのか・・?


※※


聖地(教会)にて、祈りを捧げ次の聖地へ巡礼していく、祈りは最初の神殿の場所で聞いた言葉を話し、そしてお祈りをする。ただそれだけなのに、祈ったあとは、すごい眠気で倒れてしまう。

祈りをする場所は決まっていて、教会の奥で王族しか入れない場所らしく、護衛さんたちは入れずグリュー君と聖女の私だけ入れるので、 倒れたらいつもグリュー君が いつの間にかベットに運んでくれている。


ありがたい。


でも 起きた後、必ず虫さされがあるので、是非、蚊取り線香炊いて欲しい。

グリュー君に、


「なんかね。いつも起きたら虫にさされてるみたいなの、グリュー君は大丈夫?」

「私は大丈夫みたいですが、そうですね。 今度運んだ後は、虫よけの薬を炊いておきますね。」

「うん。ありがとう~」


聖地巡礼は十か所回る予定になってる、今は6か所目の巡礼で比較的近い場所を回っていた。 ただそれだけで2か月。

後4ケ所か・・・。


たった2か月この世界にいるのに、なぜか 九頭竜先輩の顔を思い出す。グリュー君が似ているせいでもあるのか、あのセクハラ発言が懐かしいといったらいいのか・・。

はぁ~。と溜息が出た。


倒れた後の部屋でグリュー君は私に紅茶を入れてくれた。

紅茶を渡してくれた後に


「どうかしました?」

「うんん、なんでもない・・」

「元の世界の事を思い出してました?」

「・・・どうしてわかったの?」

「出発から2か月たちましたからね・・。今までの聖女様もだいたいこの時期にホームシックになるそうで・・」

「・・元の世界に戻れるのはわかってるんだけどね・・・。」


セクハラ発言が恋しいと言われたら グリュー君もさすがに困るだろ・・・。


と思っていたら


「ユキナが会いたいのは九頭竜センパイのことですか?」


ぶっ―――――

紅茶をフウフウして飲んでいたのに、吐いてしまった。


「なっなんで?ここで先輩がでてくるの?」

「・・・・・。ゆきなは・・・・いえ・・・もし、もしここにいて欲しいって言ったら居てくれますか?」

「?居るよ?何日ぐらいここに滞在したいの?」

「・・・・」

「ゆきなは意外と手ごわい事がわかりました・・・・。」

「?」

「ゆっくり休んでください。先ほど起きたばっかりなんですから・・・」


グリュー君は私が飲んでいた紅茶のカップを取り横にねかせて布団をかける。

たしかに起きたばっかしだから、まだ頭がぼーとしている。


「じゃあ また起こしてね。あと虫よけもお願い・・・」

「はい・・おやすみなさい」



※※


1年はあっという間だった。4か所回るのにあの後10か月もかかったのはびっくりしたが、いい経験だったと思う。

今日はお城でお祝いがあった。

聖地巡礼が終わったことでのお祝いで、今日までの立役者たちは、ドレスアップをして城の舞踏会にでていた。


もちろん私も綺麗にドレスアップされている。

隣には王子のグリュー君が私のエスコートをしてくれてた。


会場では王様から感謝の言葉を言われた後、音楽がなりダンスがはじまった。


「ユキナ、私と踊ってくれませんか?」

「いや・・私踊れないから遠慮しておくよ」

「大丈夫ですよ。私がエスコートします」

「いや・・・・」


と拒否してるのにグリュー君は私の手を引っ張りいつのまにか広間で踊ってた。


「すごい・・踊ってる私。すごいねグリュー君」


笑っている私をみてグリュー君は笑顔で喜んでいた。

一曲踊った後、バルコニーに連れて行ってもらった。


「ふぅ~疲れた。ダンスって意外と疲れるんだね~」

「お疲れ様です。どうぞ」


バルコニーに行く途中グリュー君は飲み物を持ってきてくれてた。

私は受け取り


「ありがとう~」


一口飲むと炭酸が喉にしみる。


想えば一年ながかったな~。


「ユキナは明日本当に帰るのですか?」

「ん?帰るよ~だって、いきなり私がいなくなったら心配する人がでちゃうでしょ?」


両親も友達もきっと心配してくれてる・・・。

後九頭竜先輩も・・・先輩はいつも私を追いかけてくるストーカーみたいな人だったが、突然いなくなるとかなり心配するだろ・・・。


おろおろする九頭竜先輩を想像して少し笑ってしまった。


クスッ


「どうしたのです?」

「いや・・・なんでもないよ。」


いきなりグリュー君が私を後ろから抱きしめてきた。


「ユキナ・・・」

「ちょっ・・グリュー君」

「歴代の聖女達もこの世界で生きていました。それなのにユキナはどうして帰るんですか?」

「グリュー君・・・」

「ユキナが帰りたいのは九頭竜センパイのせいですか?私と一夜を共にしたのも九頭竜センパイのせいですか?」

「ちょっグリュー君。」

「私が貴方のセンパイになれませんか?ユキナ・・・」


私の顎をもちキスをしようとしたけど、なんか嫌だった。グリュー君が嫌じゃないけど・・・キスは・・・


私はグリュー君を押してキスを逃れていた。

押されて尻もちをつくグリューは茫然としていた。


「ごっごめんね。大丈夫?」


差し出す手を振りぬけて立ち上がり


「すみません。少し頭を冷やしてきます。」


早足で離れて行った。


「ユキナ―楽しんでる~?」


アンフローネが話しかけてきたのに、うまく返事ができない・・・


「ちょっとどうしたの?・・・ないてるの・・・?」

「わからない・・・グリュー君が分からない…」


※※


片手にワイングラスで飲むアンフローネは


「グリューはおこちゃまだからね~。」

「・・・・・」

「でもね・・・グリューはいつもあんたを大切にしてたしね。お互い両想いだと思ったんだけどな・・・それに私もあんたが残るって思ってたんだけどね~」


「・・・・私は戻りたいです。」

「それは・・・ユキナがいつも言ってた九頭竜センパイのこと?」

「・・・・私言ったことありましたっけ・・・?」

「酔うと結構色々言ってたわよ?」

「・・・・・わからない・・・。今グリュー君の事を考えるより・・・長年付き合った先輩の事の方をよく考えちゃうんです。それに、戻らないと両親も心配しちゃうでしょ?」

「一度戻るとまたこれるかわからなくなるのよ?」

「みんなの事は大好きですが・・それでも長くいた世界の方が私のいる世界だと思うんです。」

「もし、向こうの世界とお別れができたら、こっちにいれるの?」

「・・・・・・・・」


曖昧な笑顔で答えた私にアンフローネは笑って私の頭をナデナデした。


「まぁ 明日帰るんだから 後悔しないでね・・・」

「・・・・はい」


※※


私はグリュー君を探していたのに、いなかったから部屋を尋ねた。

あらかじめ聞いてた部屋の前でノックをすると、返事が聞こえたので、


「グリュー君、私ユキナ・・・部屋あけてくれる?」

「・・・・すみません 今日は・・・会いたくないです。」

「グリュー君・・・私ね。」

「明日、明日笑顔でユキナを見送りたいのです。だから今日は会いたくありません」

「グリュー君・・・じゃあ ここで聞いてね?」

「・・・・・」

「グリュー君私ね、グリュー君の事好きだよ。でもね同時になんだけど九頭竜先輩に会いたくて、会いたくて仕方ないんだ。」

「・・・・・・」

「だからね ごめんね。また明日ね」

歩いて部屋を立ち去るユキナに

声が聞こえなくなったグリューは


「ユキナまって」


ドアを勢いよくあけてユキナ後を追いの腕を握る。


「ユキナ・・・その私の事好きって?」

「えっあ・・・うん好きだよ・・・」


この1年でグリュー君は可愛い弟から、成長途中の気になる男性になっていた。

てか所々で、私を女性扱いするグリュー君にときめかない人はいないと思う。

それでも 頭の片隅にあるのは 九頭竜先輩のセクハラ発言。

もとい・・・私に幸せそうに抱き着いてくる九頭竜先輩の顔。


って、いっても二人がすごく似てるせいで余計ドキドキする・・・たまにどっちが好きなのか時々わからなくなる。


「ユキナ・・・私に思い出をください・・・」

「思い出って・・・えっ?」

「とりあえず部屋にきませんか?」

「う・・・うん」


私の手を握り、グリュー君の部屋に

私はいつものくせでベットの上に座るとグリュー君はその隣に座ってきた。手を握ったままで


「ユキナ・・」

「・・・・・」

「私は貴女が帰った世界にはいません。これから・・・二度と会えません。だから思い出が欲しいです。」

「思い出って・・・夜ずっと話す?」

「ユキナ ごまかさないでください」


分かってるよ。でもね・・・そんな顔で見ないで欲しい。

見えない耳と尻尾が見えるよ?


「グリュー君・・・さっきもいったけどグリュー君は好きだけどまだ君未成年だよね?」

「来月 成人します。」

「え?あ14だよね?」

「来月で15歳になります。この国では15で成人扱いになります」


はやいな おいw


「ってことはまだ未成年だよね?」

「・・・・はい」

「じゃあ 早いってことはわかるよね?」

「・・・でもあの夜は」

「それは 本当に忘れてください。」

「ユキナ、それでも私は・・・」


「グリュー君、君はね。ただ、初めての事を私としただけで、その雰囲気で私が好きだと思ってるだけなんだよ」

「いつかね。ちゃんと グリュー君にふさわしい人が現れるよ。」


君はこの国の王子様なんだから・・・。

それに グリュー君に言って分かったこともある。


「それにね・・・私やっぱり 九頭竜先輩に逢いたい。」


グリューを通して幼い九頭竜先輩を見てしまっていることに気付いた私は、やっぱりあの世界に帰りたい。


「・・・・いつか私にふさわしい人が現れるでしょうか?」

「現れるよ。大丈夫 応援するよ~」

「・・・・・ありがとう ユキナ・・・・」

「うん じゃあ もう部屋戻るね?」

「はい・・・おやすみなさい・・・」

「うん おやすみ」


※※


沢山の見守る中、私は冒険に一緒にでた仲間と一人一人お別れの挨拶をした。

「じゃあね みんな」


 魔法陣の中で私は笑って手を振った後に光が沢山満ちて、眩しくて目を閉じた後に開けた先に私は元の世界にもどったことに気付いた。


「私の部屋・・・?戻ってこれたんだ・・・」

「おぅ お帰り」

「うん ただいま~って、なっなっなんで九頭竜先輩がいるんですか?」

「ユキナに逢いたくて、合鍵作った。」

「なっいつ? てかそれ犯罪‼」

「まぁまぁ堅い事いうな」


ぎゅーと抱きしめてくる先輩に、いつもなら 腹パンチだが、今日は何故か諦めて抱き着かせてやった。

一年ぶりに逢えた先輩の顔をみたら 手が出てこなかった。

この匂いも懐かしい・・・



「一年ぶりに逢えた感想は?」

「懐かしいな・・・ってはっ?えっ?」

「俺に逢いたかったんだよな?」

「ちょっ え?え?」

「今俺にふさわしい人が目の前にいる。応援してくれるか?」

「・・・・・・」

「俺に思い出じゃない夜を毎日くれないか?」

「・・・・・・最初から説明してもらえますか?」

「その前に・・・」


九頭竜先輩が私の顎をクイッっとあげてキスをした。

いきなりの不意打ちなのに甘んじて受けてる私は、もう重傷なのかもしれない・・・。


唇と唇がやっと離れて、先輩をみたら、頬を赤くそめて嬉しそうな顔をしていた。

私もつられて顔が赤くなってしまう。


「何から話したらいいか・・・」


それから先輩は私が帰ったあと、色々とがんばったけど私が忘れられずいて、それを見た、アンフローネとアメリアは協力して、召喚魔法からの転送魔法を作ったそうだ。

あちらの世界とは50年に一回の召喚ができる為どこかで繋がってるからと そこから 色々とつくったらしい、


らしいと言うのは、魔法の構築を話していくとどんどん話が長くなるので、適当に相槌を打ちながら話をきいてたみたいだった。


いざ完成しても、私が来ない可能性もあるので 最終的には戻れるような召喚なども色々準備してこちらにきたそうだ。


だが一人王子のグリュー、一人を転送するわけにはいかず 以前体調を崩したカインシュベルと共にこちらの世界にきたそうだ。


それが加井先輩。


こちらの世界にきたのはいいのに、時間軸がずれていたため、私が転送される4年前にきたそうだ。


そこから、私と九頭竜先輩の出会いを潰そうとしてたのに、一行に出会わない、そろそろ私が大学に入って、出会う時期なのに、と考えてたら、加井先輩が、名前が似てるし貴方が、九頭竜先輩とやらじゃないのですか?

年齢的にも合いますよ?


との発言に、早速九頭竜と名乗り私に会いに来たそうだ。

今まで逢えなかった分、過剰なスキンシップをしてしまっていたが、セクハラばっかしする?と聞いてたので、何も考えず、大いにスキンシップを楽しんでたみたいで、私からの腹パンチも、いずれなつかしさで忘れられない一つになるのだと思うと余計幸せを感じたとか・・・Mかよ・・・・。


「それで、逢いたかった奴に逢えた感想は?」

「・・・・うれしいです。」

「じゃあ いいよな?」

「えっあっきゃぁ」


お姫様抱っこでいきなり抱きかかえられて、ベットに連れていかれた。

ふわっとベットに落とされ、上着を脱ぎながら、私に騎乗みたいにまたぐ九頭竜先輩に


「ちょっ!まって‼」

「待つわけないだろう、こちとら5年も待ったんだ。」

「ご?5年??」

「お前に逢いたくても手に出せなくて、ずっと抱きしめるしかできなかったんだ」

「ちょっそれでもたんま!」


必死に抵抗する両手を片手で抑えられたあと九頭竜先輩が真剣な眼差して、


「ゆきな、愛してる。」


くそっ・・・そんな真剣な顔で言われたら・・・


「ゆきな・・お前は?」

「・・・・・です・・・」

「聞こえないぞ?」

「私も・・・多分・・・好きです。」

「多分で 九頭竜オレに逢いたかったのか?」


くそっ・・・・そんな事言われたら・・・


「好きですよ・・・大好きですよ‼」


優しい顔つきで私にキスをする先輩は、あの頃のグリュー君と少し違う。

体つきも、声もそして、この手もさっきまでと全部違う。


グリュー君の時より、大人になった(セクハラ付きだけど)九頭竜先輩の事がこんなに好きになっていたなんて・・・。


紳士な王子様がセクハラ先輩になってたなんて 誰が思うだろうか?



「先輩・・いえグリュー君 すきだよ。」


そして、私はグリュー君こと先輩に美味しくいただかれました(笑)


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