第十四章 千里眼
未来は新しい能力に目覚めた。
千里眼だ!
千里眼を使うときは必ずビールを飲んでいる。
千里眼とビール、どう関係あるの?アルコールが体を回り中枢神経を刺激した時に千里眼に目覚める。
鮮明な画像ではないので、千里眼に眼鏡でも食めたらというくらいの代物だ。
「信也を千里眼してみるか!」
「お」
「やってるな、奴はホントインターネット好きだよなあ」
信也の頭のセンサーが外部からコンタクトしているのに気が付いた。「だれだ!」
「あ、先生。いつ目覚めたんですか千里眼に」
未来は慌てて机の上にビールをこぼした。「あっ。いっけねえ。パソコンは大丈夫かな?」
「あははは」信也は千里眼の逆探知もできる腕前でもあったのだ。
信也はテレパシーに切り替えて「先生の千里眼はアル中千里眼ですね?」
「そなのかなあ?」
「アルコールがないと千里眼できないなんて、聞いたことないですよ」「明日からアルコール無しで千里眼できるように特訓しましょう」
「お~そうか?手伝ってくれ」
「いいですよ、それより先生もテレポーテイションの特訓したらどうですか?」
「いいね!」
「簡単ですよ案外」
「それより信也テストに超能力を使ってないだろうなあ?」
「まさか~そんなことしたらテストの意味ないじゃあないですかあ~」
「まあ、それもそうだな」
「先生交信切りますよ」
未来は生徒を信頼することにした。
次の日
「おっはよう」涼子の澄んだ声が教室中に響いた
「信也、何珍しく深刻な顔してるの?」
「千里眼なんだ」
「え!」
「未来の奴千里眼を獲得したんだ。」
「へ~ぶつぶつ」
「え?」
「いや、未来先生なら平気よ、きっとものにしてみせるは」
「それより涼子、髪伸びたなあ!腰まで来てるじゃん、いいね!」
「そう?そろそろカットしないとね」
そこへ直樹が猛スピードで教室に入ってきた。
入ってくるといきなり信也にこう言った「物理Aに女子が一人編入してくるって」
「へ~」
この時期にしては冒険的なものであった。「編入学のテスト満点なんだって」
「ん~それくらいじゃなきゃ編入学なんかしてこないよなあ」
「さ、未来の千里眼特訓スケジュール立てなきゃね」涼子が机についた。
「起立、礼、着席」
教団の未来はいつもと変わらない変な口調で物理について語った。そして今日。ぶつりAに新しく編入生が来ることを告げた。
教室中がどよめいた。